固縮(こしゅく、: rigidity)は、中枢神経障害時に起こる持続的な筋緊張が亢進した状態のこと

用語の使い分け 編集

英語の rigidity の訳語として、日本神経学会では硬直、強剛、固縮、強直を挙げ、そのうち固縮は電気生理学において筋電図の所見としての痙縮(spasticity) の対義語として、アルファ固縮、ガンマ固縮、脊髄性固縮などの用語に用いるとしている[1]

関節を受動的に運動させた時に、検者が運動のはじめから終わりまでの動きに硬さを認める場合に、固縮(日本神経学会の用語によれば、強剛)があるとされる。痙縮が錐体路障害に伴うのに対し、固縮(強剛)は錐体外路障害に伴う症候である。パーキンソン病における筋緊張亢進に対しても、現在は筋強剛とよぶことになっている[1][2]。しかし以前は強剛にあたる症候を固縮と呼んでいたことがあり、現在でも強剛の意味で固縮の用語が用いられていることも多い。その他、硬直は除脳硬直や項部硬直(髄膜刺激症状のひとつ)などに、また強直は絶対性瞳孔強直の用語に用いる[1]

種類 編集

病名 編集

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c 日本神経学会用語委員会編著『神経学用語集』改訂第3版、文光堂、2008年、pp.20-21、ISBN 9784830615375
  2. ^ 田崎・斎藤 (2004) p.34

参考文献 編集

  • 田崎、斎藤著『ベッドサイドの神経の診かた』改訂16版、南山堂、2004年、ISBN 9784525247164