臭化ベンジル
臭化ベンジル
IUPAC名(ブロモメチル)ベンゼン
臭化ベンジル
別名α-ブロモトルエン
分子式C7H7Br
分子量171.04
CAS登録番号100-39-0
形状無色液体
密度1.430 g/cm3, 液体
融点−3 °C
沸点198–199 °C
SMILESBrCC1=CC=CC=C1

臭化ベンジル(しゅうかベンジル、benzyl bromide)は、有機合成で用いられる芳香族化合物の一種。トルエンメチル基の水素をひとつを臭素に置き換えた構造を持ち、α-ブロモトルエンブロモメチルベンゼンと呼ぶこともできる。

臭化ベンジルは強い催涙性と不快な刺激臭を持つため[1]、使用する際は確実な排気のもとに取り扱わなければならない。目の粘膜や皮膚を刺激する。

合成 編集

トルエンのラジカル的な臭素化により合成される(下式)。この反応は紫外光の照射によりラジカル機構が促進される。また、臭素のかわりにN-ブロモスクシンイミドを臭素化剤とすることもでき、その手法はウォール・チーグラー反応と呼ばれる。

 

反応、用途 編集

臭化ベンジルは、有機合成において、アルコールカルボン酸の OH 基の水素をベンジル基で置き換えるために用いられる。下式の反応はウィリアムソン合成の一形式にあたる。

ROH + C6H5CH2Br + R'3N → ROCH2C6H5 + R'3N•HBr
RCOOH + C6H5CH2Br + R'3N → RCOOCH2C6H5 + R'3N•HBr

前者は、アルコールやフェノール類をベンジル基により保護(ベンジル保護)する場合の一手法である。ベンジル基は水素添加、もしくは強いルイス酸により脱保護される。

使われた場所 編集

第二次世界大戦中の旧日本軍で、みどり二号の名前で使われていた。

出典 編集

  1. ^ ChemicalBook

関連化合物 編集