舎熊駅

かつて北海道増毛郡増毛町にあった北海道旅客鉄道の駅

舎熊駅(しゃぐまえき)は、北海道留萌振興局増毛郡増毛町舎熊(しゃくま)にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線廃駅)である。電報略号クマ事務管理コードは▲121512[2]であった。

舎熊駅
駅舎(2016年10月)
しゃぐま
Shaguma
信砂 (0.8 km)
(1.7 km) 朱文別
所在地 北海道増毛郡増毛町舎熊
北緯43度52分8.80秒 東経141度34分48.22秒 / 北緯43.8691111度 東経141.5800611度 / 43.8691111; 141.5800611
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 留萌本線
キロ程 61.0 km(深川起点)
電報略号 クマ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗車人員
-統計年度-
14人/日(降車客含まず)
-1992年度-
開業年月日 1921年大正10年)11月5日[1]
廃止年月日 2016年平成28年)12月5日
備考 無人駅
路線廃止に伴う廃駅
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歴史 編集

 
1977年の舎熊駅と周囲約500m範囲。左が増毛方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来 編集

当駅の所在する地名より。地名は、アイヌ語で「イサックマ(i-sat-kuma)」(それ=魚・を乾かす・物干し棚)に由来する[8][9]

なお、地名は2022年(令和4年)現在、よみは「しゃ[10]」と清音になっている。

駅構造 編集

単式ホーム1面1線の地上駅で、ホームは線路の北西側(増毛方面に向かって右手側)に存在していた[11]。廃止時点では転轍機を持たない棒線駅だが[11]、かつては相対式ホーム2面2線を有する交換駅で、さらに駅裏側に複数の貨物側線を有していた。これらは貨物取扱い廃止後に撤去され、ホーム前後の線路は転轍機の名残りで湾曲していた(交換設備の廃止時期は不明)。

無人駅となっており、駅舎は構内の西側に位置しホーム中央部分に接していた[11]有人駅時代の古い板張りの駅舎[12]は改築され、ヨ3500形車掌車[13]を改造した貨車駅舎となっていた[11]宗谷本線の貨車駅舎と全く同一の外観で[13]、旧駅舎の基礎の上に設置されており、この基礎のコンクリートは劣化のため廃墟のようになっていた[14]。トイレは無かった[14]

2016年、駅名標が2枚盗難にあったが、「いたちごっこになる」という理由で、新たに取り付けられる事は無かった[15]

利用状況 編集

  • 1992年度(平成4年度)の1日乗降客数は28人[11]
  • 2011年(平成23年)- 2015年(平成27年)の11月の調査日に実施された、乗降人員調査の平均は「1名以下」[16]

駅周辺 編集

周辺に農家が点在しており、貨物側線跡は小さなパークゴルフ場となっている。

駅跡 編集

2017年10月現在、廃駅舎・ホームともに撤去され、砂利が敷かれた更地となっているが、かつてホーム上に設置されていた電灯設備が残存しているほか、駅前の広場跡は、冬季は雪捨て場として活用されている。

隣の駅 編集

北海道旅客鉄道(JR北海道)
留萌本線
信砂駅 - 舎熊駅 - 朱文別駅

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、869-870頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、230頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b c 今尾恵介 編『日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道 -全線・全駅・全廃線』新潮社〈新潮「旅」ムック〉、2008年5月、44頁。ISBN 978-4107900197 
  4. ^ 『官報』 1921年10月29日 鉄道省告示第146号(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ “留萌本線では11駅を停留所化 旭鉄”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1983年10月1日) 
  6. ^ 「通報 ●山口線大歳駅ほか76駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1984年1月30日、32面。
  7. ^ 留萌線(留萌・増毛間)の廃止日繰上げの届出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年6月28日。 オリジナルの2019年1月6日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190105160346/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160628-1.pdf2019年1月6日閲覧 
  8. ^ 本多 貢 (1995-01-25). 児玉 芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 50. ISBN 4893637606. OCLC 40491505. https://www.worldcat.org/oclc/40491505 2018年10月16日閲覧。 
  9. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、126頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  10. ^ 北海道 増毛郡増毛町の郵便番号”. www.post.japanpost.jp. 日本郵便. 2022年12月30日閲覧。
  11. ^ a b c d e 宮脇俊三 編『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』原田勝正小学館、1983年7月、157頁。ISBN 978-4093951012 
  12. ^ 宮脇俊三 編『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』原田勝正、小学館、1983年7月、198頁。ISBN 978-4093951012 
  13. ^ a b 笹田昌宏『ダルマ駅へ行こう!』小学館〈小学館文庫〉、2007年5月、p.68,73頁。ISBN 978-4094116519 
  14. ^ a b 本久公洋『北海道鉄道駅大図鑑』北海道新聞社、2008年8月、175頁。ISBN 978-4894534643 
  15. ^ 駅名板・運賃表…廃線決まった留萌線、次々盗まれる理由”. 朝日新聞 (2016年6月9日). 2016年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月3日閲覧。
  16. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2018年2月18日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集