藤原 英昭(ふじわら ひであき、1965年6月29日 - )は、日本中央競馬会(JRA)・栗東トレーニングセンターに所属している調教師である。父は元繋駕速歩競走騎手、元厩務員の藤原玄房[1]

藤原英昭
2019年目黒記念表彰式
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 滋賀県
生年月日 (1965-06-29) 1965年6月29日(58歳)
所属団体 JRA
初免許年 2000年(2001年開業)
経歴
所属 星川薫/調教助手(1989.2 - 開業)
栗東T.C.(開業 - )
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来歴 編集

騎手を目指していたが不合格であったという[2]同志社大学馬術部で活躍後、1989年9月から、栗東・星川薫厩舎所属の調教助手となる。

2000年2月に、調教師免許を取得する。

2001年3月1日付で星川薫厩舎を引き継ぐ形で厩舎を開業し、3月3日阪神競馬場での第1レースで、2番人気だったインビジブルタッチが勝利し、初出走で初勝利を挙げる。5月4日には、京都新聞杯テンザンセイザが制し、重賞初勝利を挙げる。10月10日名古屋競馬場で行われた名古屋チャレンジカップミント賞にゼンノバッカスが出走したが、地方競馬初出走は最下位(12着)だった。

2005年8月24日旭川競馬場で行われたアルビレオ特別をサンタマリアガールが制し、地方初勝利を挙げる。12月3日には、JRA通算100勝を達成した。

2008年5月18日ヴィクトリアマイルエイジアンウインズで制し、厩舎開業8年目にしてGI(JpnI)初勝利。同年7月9日ジャパンダートダービーサクセスブロッケンで制し、GI(JpnI)2勝目を挙げた。

2009年2月22日フェブラリーステークスサクセスブロッケンで制する。同年12月29日、年末最後のGIの東京大賞典をサクセスブロッケンで制する。

2010年5月30日東京優駿エイシンフラッシュで制す。

2013年11月17日、第30回マイルチャンピオンシップトーセンラーで優勝。 このレースで武豊騎手は地方や海外も含めたGIレース通算100勝を達成した。

2015年にはストレイトガールヴィクトリアマイルスプリンターズステークスを制覇。その年の香港スプリントを最後に引退が決まっていた[3]が、翌2016年に引退を撤回。阪神牝馬ステークスを叩いて出走したヴィクトリアマイルを勝利し、JRA史上初7歳牝馬によるGⅠ制覇という快挙を成し遂げた。

2018年4月15日、エポカドーロで皐月賞を制覇し、鞍上の戸崎圭太とともに初勝利を成し遂げた。続く日本ダービーでは、戦前より囁かれていた距離不安は払拭したものの、悲願のダービー初制覇を狙っていた福永祐一が駆るワグネリアンに差し切られ、2度目のダービー制覇に手が届かなかった。またこの年は58勝をマークし、2001年の厩舎開業以来初のJRAリーディングトレーナーに輝いた。

2021年5月30日シャフリヤールで日本ダービーに出走。無敗で皐月賞を勝利したエフフォーリアとの直線追い比べをハナ差で制し、2分22秒5のダービーレコードで2度目の優勝を果たした。

エピソード 編集

栗東所属の調教師でありながら、武豊騎手へはよほどのことがない限り騎乗依頼はほとんど出さなかった。しかし、2013年トーセンラーマイルチャンピオンシップを優勝して以降、騎乗依頼が増えている。しかし2017年のCBC賞のトーセンデューク以降は再び騎乗依頼を出さない時期が続き、2019年1月の新馬戦でトーセンラー産駒トーセンスカイの鞍上に武豊を起用、実におよそ1年半ぶりのことであった。

2007年日本ダービーでは、前哨戦の京都新聞杯岩田康誠騎乗で勝利したタスカータソルテに、武豊が騎乗した。これは、この年の有力馬であったアドマイヤオーラの陣営が、それまで主戦を務めていた武をダービーの1週前に降板させ、タスカータソルテに騎乗すると思われていた岩田に騎乗依頼を行ったことで、タスカータソルテの騎手と武の騎乗馬の双方が空白になってしまったためである。武はこのタスカータソルテの騎乗依頼を深く感謝していた[4]

学生馬術出身者を厩舎スタッフに積極的に採用している厩舎の一つである。

勝率が高く、「一戦必勝を厩舎のポリシーにしている」と語っている(JRA賞授賞式にて)

調教師成績 編集

年度 1着 2着 3着 出走 勝率 順位
2001年 15 12 11 149 .101 100位
2002年 21 11 13 182 .115 46位
2003年 22 21 17 183 .120 48位
2004年 20 17 22 209 .096 50位
2005年 22 19 13 201 .109 45位
2006年 33 15 20 209 .158 16位
2007年 37 34 18 201 .184 5位
2008年 44 26 17 221 .199 3位
2009年 36 32 22 241 .149 10位
2010年 37 23 25 264 .140 8位
2011年 49 36 25 277 .177 2位
2012年 40 21 24 293 .157 4位
2013年 53 35 26 274 .193 2位
2014年 44 43 42 279 .158 6位
2015年 48 29 34 265 .181 3位
2016年 41 35 24 284 .144 7位
2017年 55 50 34 312 .176 2位
2018年 58 52 34 301 .193 1位
2019年 35 35 25 286 .122 16位
2020年 38 19 29 269 .141 8位
2021年 30 34 16 268 .112 25位
通算 784 618 488 5168 .152
日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初出走・初勝利 2001年3月3日 1回阪神3日1R 3歳未勝利 インビジブルタッチ 9頭 2 1
重賞初出走・初勝利 2001年5月4日 3回京都5日11R 京都新聞杯 テンザンセイザ 17頭 8 1
GI初出走 2001年5月27日 3回東京4日9R 東京優駿 テンザンセイザ 18頭 5 6
GI初勝利 2008年5月18日 2回東京8日11R ヴィクトリアマイル エイジアンウインズ 18頭 5 1

表彰 編集

2018年
2007年、2008年、2013年
2007年 - 2009年、2011年、2013年 - 2015年、2018年
2019年

主な管理馬 編集

太字はGI・JpnI競走を示す

GI級競走優勝馬(管理時) 編集

重賞競走優勝馬(管理時) 編集

その他 編集

主な厩舎所属者 編集

※太字は門下生。括弧内は厩舎所属期間と所属中の職分。

脚注 編集

  1. ^ 父玄房(のぶはる)さんは繋駕速歩競走(馬車レース)の騎手”. 日刊スポーツ. 2021年12月30日閲覧。
  2. ^ 『優駿』2012年12月号、73頁。 
  3. ^ スポーツナビ (2015年10月4日) 2020年04月09日閲覧
  4. ^ [1]
  5. ^ 第10回ヴィクトリアマイル結果 - JRA公式サイト
  6. ^ 第49回スプリンターズステークス結果 - JRA公式サイト
  7. ^ 第11回ヴィクトリアマイル結果 - JRA公式サイト
  8. ^ ヴァレーデラルナ”. www.jbis.or.jp. JBISサーチ. 2022年11月3日閲覧。

関連項目 編集