銀鱗荘

北海道小樽市にある料亭、温泉旅館

銀鱗荘(ぎんりんそう)は、北海道小樽市にある料亭温泉旅館。日本唯一の宿泊可能な鰊御殿である[1]

銀鱗荘
ホテル概要
運営 株式会社ニトリパブリック
所有者 株式会社ニトリパブリック
階数 1 - 5階
レストラン数 1軒
部屋数 18室
駐車場 30台
開業 1939年(昭和14年)
最寄駅 小樽築港駅
所在地 〒047-0156
北海道小樽市桜1丁目1番地
公式サイト 公式サイト
テンプレートを表示

概要 編集

鰊漁で財を成した猪俣安之丞の邸宅として建設された鰊御殿を活用した料亭、温泉旅館である。鰊御殿である本館は、「旧猪俣邸」として小樽市指定歴史的建造物に指定されている[2]

2022年(令和4年)、文化審議会は旅館「銀鱗荘旧本館」(旧猪俣家住宅)と隣接する「グリル銀鱗荘」を登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した[3]

歴史 編集

1900年(明治33年)、猪俣安之丞の邸宅として余市町に建設された[4]建材としてクリタモトドマツハリギリを用い[5]、3年の歳月をかけて建設されるなど[6]、贅の限りを尽くした建築となっている。

1938年(昭和13年)、東小樽の都市計画の一環として現在地に移築され[2]、翌年の1939年、旅館として開業[7]。当時の北海道庁長官であった石黒英彦により、「銀鱗荘」と命名された[8]

1944年大日本帝国陸軍に接収され、高射砲陣地として使用された[9]

1989年(平成元年)、鉄筋コンクリート構造3階建て部分を増築[10]

1993年、第6回小樽市都市景観賞を受賞[10]

2004年、約4億円をかけ鉄筋コンクリート構造5階建ての新館を増築[11]

2007年、第52回水族館技術者研究会関係者を招いた昼食会が開催され、秋篠宮文仁親王が出席した[12]

2012年、小樽市指定歴史的建造物第75号に指定された[2]

2018年8月20日ニトリが東名観光開発株式会社より銀鱗荘の事業を継承した。これに伴い、運営主体が株式会社銀鱗荘から株式会社ニトリパブリックに変更された[13]。また、ニトリが小樽市内で所有する歴史的建造物は小樽芸術村の4棟に続く5棟目となる[14]

2023年7月25日26日第64期王位戦七番勝負第3局、藤井聡太王位佐々木大地七段の対局が行われた[15](結果は藤井勝ち)。

2023年11月10日11日第36期竜王戦七番勝負第4局、藤井聡太竜王伊藤匠七段の対局が行われた[16](結果は藤井勝ち防衛)。

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ 歴史 銀鱗荘について 料亭・温泉旅館 小樽平磯温泉湯元 銀鱗荘”. 銀鱗荘. 2017年11月13日閲覧。
  2. ^ a b c 小樽市:旧猪俣邸”. 小樽市. 2017年11月13日閲覧。
  3. ^ 小樽の観光客増に期待高まる 「銀鱗荘」国登録文化財へ”. -北海道新聞. 2022年11月19日閲覧。
  4. ^ 建物紀行”. 小樽ジャーナル. 2017年11月13日閲覧。
  5. ^ 建築・意匠 銀鱗荘について 料亭・温泉旅館 小樽平磯温泉湯元 銀鱗荘”. 銀鱗荘. 2017年11月13日閲覧。
  6. ^ 建物紀行”. 小樽ジャーナル. 2017年11月13日閲覧。
  7. ^ 宿研通信7月号 末吉が行く - 宿泊予約経営研究所”. 宿泊予約経営研究所. 2017年11月13日閲覧。
  8. ^ 80.pdf” (PDF). NPO法人小樽民家再生プロジェクト. 2017年11月13日閲覧。
  9. ^ 第6章 野口と寿原”. 小樽商工会議所. 2017年11月13日閲覧。
  10. ^ a b 小樽市:第6回 小樽市都市景観賞作品”. 小樽市. 2017年11月13日閲覧。
  11. ^ 料亭・温泉旅館「銀鱗荘」新館がオープン!”. 小樽ジャーナル. 2017年11月13日閲覧。
  12. ^ 秋篠宮家のご日程:平成19年(7月~9月)”. 宮内庁. 2017年11月13日閲覧。
  13. ^ 「銀鱗荘」事業継承についてのご案内” (PDF). ニトリ. 2018年8月21日閲覧。
  14. ^ ニトリが宿泊事業に参入、小樽・銀鱗荘を事業承継”. MINPAKU.Biz. 2018年8月21日閲覧。
  15. ^ 王位戦第3局、小樽「銀鱗荘」で開幕 藤井王位「普段通り」 佐々木七段「前向きな姿勢で」:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2023年7月26日閲覧。
  16. ^ 小樽で歓迎の声…歴史的建物「銀鱗荘」で竜王戦第4局”. 読売新聞オンライン (2023年5月13日). 2023年5月13日閲覧。

外部リンク 編集