1956年イギリスグランプリ

1956年イギリスグランプリ (1956 British Grand Prix) は、1956年のF1世界選手権第6戦として、1956年7月14日シルバーストン・サーキットで開催された。

イギリス 1956年イギリスグランプリ
レース詳細
1956年F1世界選手権全8戦の第6戦
シルバーストン・サーキット(1952-1973)
シルバーストン・サーキット(1952-1973)
日程 1956年7月14日
正式名称 IX RAC British Grand Prix
開催地 シルバーストン・サーキット
イギリスの旗 イギリス(イングランドの旗 イングランド) シルバーストン
コース 恒久的レース施設
コース長 4.7105 km (2.927 mi)
レース距離 101周 475.766 km (295.627 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー マセラティ
タイム 1:41.0
ファステストラップ
ドライバー イギリス スターリング・モス マセラティ
タイム 1:43.2
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 マセラティ

レース概要 編集

序盤はBRMマイク・ホーソーントニー・ブルックスが1-2位を走行して人々を驚かせたが、ブルックスはスロットルが閉じずにクラッシュを喫して炎上してしまい、ホーソーンはドライブシャフトの不調によりリタイアした[1]。当レースのみの参加となったコンノートアーチー・スコット=ブラウンは生まれつき右腕が肘までしかなく極端に小柄という身体的ハンデをものともせず、序盤にフェラーリ勢と果敢に戦う健闘を見せたがマシントラブルでリタイアした[2]。ホーソーンに代わってトップに立ったのはスターリング・モスで、ロイ・サルヴァドーリがプライベート参戦ながら好走を見せ2位を快走する[3]。サルヴァドーリはマシントラブルにより59周でリタイアしてしまい、モスは69周目にファン・マヌエル・ファンジオに先行され、レース終盤にマシントラブルが発生してリタイアした。レースはファンジオが制し、2位にチームメイトのピーター・コリンズ(レース途中でアルフォンソ・デ・ポルターゴから交代した)が続き、フェラーリがワン・ツー・フィニッシュを達成した。

エントリーリスト 編集

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
1   ファン・マヌエル・ファンジオ   スクーデリア・フェラーリ フェラーリ D50 フェラーリ DS50 2.5L V8 E
2   ピーター・コリンズ
3   エウジェニオ・カステロッティ
4   アルフォンソ・デ・ポルターゴ
5   オリビエ・ジャンドビアン 1
6   オットリーノ・フォロンテリオ 1   スクーデリア・セントロ・スッド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
7   スターリング・モス   オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
8   ジャン・ベーラ
9   チェーザレ・ペルディーサ
10   パコ・ゴディア
11   ルイジ・ヴィッロレージ   ルイジ・ピオッティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
12   ウンベルト・マグリオーリ   スクーデリア・ガステラ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
14   ヘルナンド・ダ・シルバ・ラモス   エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T32 ゴルディーニ 25 2.5L L8 E
15   ロベール・マンヅォン
16   ハリー・シェル   ヴァンダーヴェル・プロダクツ・リミテッド ヴァンウォール VW2 ヴァンウォール 254 2.5L L4 P
17   モーリス・トランティニアン
18   ホセ・フロイラン・ゴンザレス
19   アーチー・スコット=ブラウン   コンノート・エンジニアリング コンノート B アルタ GP 2.5L L4 P
20   デズモンド・ティタリントン
21   ジャック・フェアーマン
22   マイク・オリバー
23   マイク・ホーソーン   オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4 D
24   トニー・ブルックス
25   ロン・フロックハート
26   ボブ・ジェラード   ボブ・ジェラード クーパー T23 ブリストル BS1 2.0L L6 D
27   ルイ・ロジェ   エキュリー・ロジェ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
28   ロイ・サルヴァドーリ   ギルビー・エンジニアリング マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
29   ブルース・ハルフォード   ブルース・ハルフォード マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
30   ジャック・ブラバム   ジャック・ブラバム マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
31   ホレース・グールド 1   グールズ・ガレージ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
32   ポール・エメリー   エメリソン・カーズ エメリソン 56 アルタ GP 2.5L L4 D
ソース:[4]
追記
  • ^1 - エントリーしたが出場せず

結果 編集

予選 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 7   スターリング・モス マセラティ 1:41
2 1   ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ 1:42 + 1
3 23   マイク・ホーソーン BRM 1:43 + 2
4 2   ピーター・コリンズ フェラーリ 1:43 + 2
5 16   ハリー・シェル ヴァンウォール 1:44 + 3
6 18   ホセ・フロイラン・ゴンザレス ヴァンウォール 1:44 + 3
7 28   ロイ・サルヴァドーリ マセラティ 1:44 + 3
8 3   エウジェニオ・カステロッティ フェラーリ 1:44 + 3
9 24   トニー・ブルックス BRM 1:45 + 4
10 19   アーチー・スコット=ブラウン コンノート-アルタ 1:45 + 4
11 20   デズモンド・ティタリントン コンノート-アルタ 1:46 + 5
12 4   アルフォンソ・デ・ポルターゴ フェラーリ 1:47 + 6
13 8   ジャン・ベーラ マセラティ 1:47 + 6
14 31   ホレース・グールド マセラティ 1:48 + 7
15 9   チェーザレ・ペルディーサ マセラティ 1:49 + 8
16 17   モーリス・トランティニアン ヴァンウォール 1:49 + 8
17 25   ロン・フロックハート BRM 1:49 + 8
18 15   ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 1:49 + 8
19 11   ルイジ・ヴィッロレージ マセラティ 1:50 + 9
20 29   ブルース・ハルフォード マセラティ 1:51 + 10
21 21   ジャック・フェアーマン コンノート-アルタ 1:51 + 10
22 26   ボブ・ジェラード クーパー-ブリストル 1:53 + 12
23 32   ポール・エメリー エメリソン-アルタ 1:54 + 13
24 12   ウンベルト・マグリオーリ マセラティ 1:54 + 13
25 10   パコ・ゴディア マセラティ 1:55 + 14
26 14   ヘルナンド・ダ・シルバ・ラモス ゴルディーニ 1:56 + 15
27 27   ルイ・ロジェ マセラティ 1:59 + 18
28 30   ジャック・ブラバム マセラティ 2:01 + 20
ソース:[5]

決勝 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 1   ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ 101 2:59:47.0 2 8
2 4   アルフォンソ・デ・ポルターゴ
  ピーター・コリンズ
フェラーリ 100 +1 Lap 12 3
3
3 8   ジャン・ベーラ マセラティ 99 +2 Laps 13 4
4 21   ジャック・フェアーマン コンノート-アルタ 98 +3 Laps 21 3
5 31   ホレース・グールド マセラティ 97 +4 Laps 14 2
6 11   ルイジ・ヴィッロレージ マセラティ 96 +5 Laps 19
7 9   チェーザレ・ペルディーサ マセラティ 95 +6 Laps 15
8 10   パコ・ゴディア マセラティ 94 +7 Laps 25
9 15   ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 94 +7 Laps 18
10 3   エウジェニオ・カステロッティ
  アルフォンソ・デ・ポルターゴ
フェラーリ 92 +9 Laps 8
11 26   ボブ・ジェラード クーパー-ブリストル 88 +13 Laps 22
Ret 7   スターリング・モス マセラティ 94 アクスル 1 1 1
Ret 16   ハリー・シェル ヴァンウォール 87 燃料システム 5
Ret 20   デズモンド・ティタリントン コンノート-アルタ 74 エンジン 11
Ret 17   モーリス・トランティニアン ヴァンウォール 74 燃料システム 16
Ret 14   ヘルナンド・ダ・シルバ・ラモス ゴルディーニ 71 アクスル 26
Ret 2   ピーター・コリンズ フェラーリ 64 油圧 4
Ret 28   ロイ・サルヴァドーリ マセラティ 59 燃料システム 7
Ret 24   トニー・ブルックス BRM 39 アクシデント 9
Ret 23   マイク・ホーソーン BRM 24 トランスミッション 3
Ret 27   ルイ・ロジェ マセラティ 23 電気系統 27
Ret 29   ブルース・ハルフォード マセラティ 22 エンジン 20
Ret 12   ウンベルト・マグリオーリ マセラティ 21 ギアボックス 24
Ret 19   アーチー・スコット=ブラウン コンノート-アルタ 16 トランスミッション 10
Ret 32   ポール・エメリー エメリソン-アルタ 12 イグニッション 23
Ret 30   ジャック・ブラバム マセラティ 3 エンジン 28
Ret 25   ロン・フロックハート BRM 2 エンジン 17
Ret 18   ホセ・フロイラン・ゴンザレス ヴァンウォール 0 トランスミッション 6
ソース:[6]
追記

注記 編集

第6戦終了時点のランキング 編集

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
  1   ピーター・コリンズ 22
  1 2   ファン・マヌエル・ファンジオ 21
  1 3   ジャン・ベーラ 18
  4   スターリング・モス 13
  5   パット・フラハーティ 8
  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注 編集

  1. ^ (林信次 1999, p. 17,23)
  2. ^ (林信次 1999, p. 23)
  3. ^ (林信次 1999, p. 19)
  4. ^ Britain 1956 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年1月10日閲覧。
  5. ^ Britain 1956 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年1月10日閲覧。
  6. ^ 1956 British Grand Prix”. formula1.com. 2015年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月9日閲覧。

参照文献 編集

  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク 編集

前戦
1956年フランスグランプリ
FIA F1世界選手権
1956年シーズン
次戦
1956年ドイツグランプリ
前回開催
1955年イギリスグランプリ
  イギリスグランプリ 次回開催
1957年イギリスグランプリ