1998年ブラジルグランプリ

1998年ブラジルグランプリXXVII Grande Premio do Brasil)は、1998年のF1世界選手権第2戦として3月29日にアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで開催された。ミカ・ハッキネンが前シーズン最終戦からの連勝を3に伸ばし、マクラーレンも3戦連続で1-2フィニッシュを達成した。

ブラジルの旗 1998年ブラジルグランプリ
レース詳細
1998年F1世界選手権全16戦の第2戦
日程 1998年シーズン第2戦
決勝開催日 3月29日
正式名称 XXVII Grande Premio do Brasil
開催地 アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ
ブラジル サンパウロ
コース長 4.292
レース距離 309.024
決勝日天候 Fine, 31 °C (88 °F)
ポールポジション
ドライバー マクラーレン-メルセデス
タイム 1:17.092
ファステストラップ
ドライバー フィンランドの旗 ミカ・ハッキネン マクラーレン-メルセデス
タイム 1:19.337 (65周目)
決勝順位
優勝 マクラーレン-メルセデス
2位 マクラーレン-メルセデス
3位 フェラーリ

レース概要 編集

レース前、マクラーレンのブレーキシステムに対してフェラーリが異議を申し立てた。ドライバーが後輪左右独自にブレーキをかけ、コーナーを曲がる際にトラクションをかけることを可能にしたこのシステムは、事実上の4WSであった。FIAは4WSの使用を禁止しており、これに違反している言うものであった。ジャック・ヴィルヌーヴデイモン・ヒルなど他のドライバー達は、デバイスがどのように機能しているかに対して疑念を抱いた[1]。マクラーレンのロン・デニスは、FIA技術代表のチャーリー・ホワイティングによって承認されているとして反論したものの、スチュワードはこのシステムを違反だと宣告した。フェラーリの異議の結果として、チームは週末のどの段階でもシステムを使用しないことに同意した。

レースが始まるとすぐにミカ・ハッキネンがリードし、長く孤独なドライブをすることとなる。グリッド後方では最悪の週末を過ごしたアロウズのミカ・サロが20位、ペドロ・ディニスが最下位と沈んでいた。ハッキネンはデビッド・クルサードに1秒以上の差を付け、そこから3秒差でハインツ=ハラルド・フレンツェンが3位に付けていた。ラルフ・シューマッハが1ラップ目の第4コーナーでスピン、1周も終えずにリタイアした。エディ・アーバインはスタートに失敗したチームメイトのミハエル・シューマッハの前を走行した。18ラップ目にクルサードはハッキネンに5秒差を付けられていた。フレンツェンとシューマッハはマクラーレンデュオの23秒後方にいた。シューマッハは最初のピットストップでフレンツェンの先に出たが、2台のマクラーレンに周回遅れにされないよう戦わなければならなかった。マクラーレンはレースを支配し、フェラーリとベネトンは答えを見つけることができず、前年度チャンピオンのウィリアムズは苦闘していた。

結果 編集

予選 編集

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 8   ミカ・ハッキネン マクラーレン-メルセデス 1:17.092
2 7   デビッド・クルサード マクラーレン-メルセデス 1:17.757 +0.665
3 2   ハインツ=ハラルド・フレンツェン ウィリアムズ-メカクローム 1:18.109 +1.017
4 3   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 1:18.250 +1.158
5 6   アレクサンダー・ヴルツ ベネトン-プレイライフ 1:18.261 +1.169
6 4   エディ・アーバイン フェラーリ 1:18.449 +1.357
7 5   ジャンカルロ・フィジケラ ベネトン-プレイライフ 1:18.652 +1.560
8 10   ラルフ・シューマッハ ジョーダン-無限ホンダ 1:18.735 +1.643
9 14   オリビエ・パニス プロスト-プジョー 1:18.753 +1.661
10 1   ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズ-メカクローム 1:18.761 +1.669
11 9   デイモン・ヒル ジョーダン-無限ホンダ 1:18.988 +1.896
12 12   ヤルノ・トゥルーリ プロスト-プジョー 1:19.069 +1.977
13 18   ルーベンス・バリチェロ スチュワート-フォード 1:19.344 +2.252
14 15   ジョニー・ハーバート ザウバー-ペトロナス 1:19.375 +2.283
15 14   ジャン・アレジ ザウバー-ペトロナス 1:19.449 +2.357
16 19   ヤン・マグヌッセン スチュワート-フォード 1:19.644 +2.552
17 21   高木虎之介 ティレル-フォード 1:20.203 +3.111
18 22   中野信治 ミナルディ-フォード 1:20.390 +3.298
19 23   エステバン・トゥエロ ミナルディ-フォード 1:20.459 +3.367
20 17   ミカ・サロ アロウズ 1:20.481 +3.389
21 20   リカルド・ロセット ティレル-フォード 1:20.748 +3.656
22 16   ペドロ・ディニス アロウズ 1:20.847 +3.755

決勝 編集

順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム グリッド ポイント
1 8   ミカ・ハッキネン マクラーレン-メルセデス 72 1:37:11.747 1 10
2 7   デビッド・クルサード マクラーレン-メルセデス 72 +1.102 2 6
3 3   ミハエル・シューマッハ フェラーリ 72 +1:00.550 4 4
4 6   アレクサンダー・ヴルツ ベネトン-プレイライフ 72 +1:07.453 5 3
5 2   ハインツ=ハラルド・フレンツェン ウィリアムズ-メカクローム 71 +1 Lap 3 2
6 5   ジャンカルロ・フィジケラ ベネトン-プレイライフ 71 +1 Lap 7 1
7 1   ジャック・ヴィルヌーヴ ウィリアムズ-メカクローム 71 +1 Lap 10  
8 4   エディ・アーバイン フェラーリ 71 +1 Lap 6  
9 14   ジャン・アレジ ザウバー-ペトロナス 71 +1 Lap 15  
10 19   ヤン・マグヌッセン スチュワート-フォード 70 +2 Laps 16  
11 15   ジョニー・ハーバート ザウバー-ペトロナス 67 体調不良 14  
DSQ 9   デイモン・ヒル ジョーダン-無限ホンダ 70 失格 11  
リタイア 11   オリビエ・パニス プロスト-プジョー 63 エンジン 9  
リタイア 18   ルーベンス・バリチェロ スチュワート-フォード 56 ギアボックス 13  
リタイア 20   リカルド・ロセット ティレル-フォード 52 ギアボックス 21  
リタイア 23   エステバン・トゥエロ ミナルディ-フォード 44 スロットル 19  
リタイア 16   ペドロ・ディニス アロウズ 26 ギアボックス 22  
リタイア 21   高木虎之介 ティレル-フォード 19 エンジン 17  
リタイア 17   ミカ・サロ アロウズ 18 エンジン 20  
リタイア 12   ヤルノ・トゥルーリ プロスト-プジョー 17 燃料ポンプ 12  
リタイア 22   中野信治 ミナルディ-フォード 3 スピン 18  
リタイア 10   ラルフ・シューマッハ ジョーダン-無限ホンダ 0 スピン 8  

第2戦終了時点でのランキング 編集

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

編集

  • ラップリーダー:ミカ・ハッキネン 72 (1-72)
  • デイモン・ヒルは車重が8キロオーバーしたため失格した。

参照 編集

  1. ^ Rosenthal, Jim, Jardine, Tony, Brundle, Martin (1998). The Brazilian Grand Prix: Qualifying - Live (Television) (Television Production). Autodromo Jose Carlos Pace, Sao Paulo, Brazil: ITV. 該当時間: 00:01.20-00:04.16. {{cite AV media}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明)
前戦
1998年オーストラリアグランプリ
FIA F1世界選手権
1998年シーズン
次戦
1998年アルゼンチングランプリ
前回開催
1997年ブラジルグランプリ
  ブラジルグランプリ 次回開催
1999年ブラジルグランプリ