2009年のカタールグランプリ

2009年のカタールグランプリは、ロードレース世界選手権2009年シーズン開幕戦として、カタールドーハロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された。4月10日から12日にかけての週末に開催される予定であったが、悪天候に見舞われてMotoGPクラスの決勝が13日(月曜日)に順延された[1]。この順延には、ヨーロッパでのテレビ視聴者に便宜を図るため、照明の下での夜間レースであったことも影響した[2]

カタールの旗   2009年のカタールグランプリ
レース詳細
2009年のロードレース世界選手権 全17戦中第1戦
決勝日 2009年4月12日–13日
開催地 ロサイル・サーキット
開催コース 常設サーキット
5.380km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー
1:55.286 1:55.844
表彰台
1. オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー
2. イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ 3. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ


250 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 アルバロ・バウティスタ 日本の旗 青山博一
2:00.677 2:01.752
表彰台
1. スペインの旗 エクトル・バルベラ
2. フランスの旗 ジュール・クルーセル 3. フランスの旗 マイク・ディ・メッリオ
125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 フリアン・シモン スペインの旗 フリアン・シモン
2:06.974 2:06.969
表彰台
1. イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ
2. スペインの旗 フリアン・シモン 3. ドイツの旗 サンドロ・コルテセ


概要 編集

ドーハにはめったに降らない雨によって、夜間照明下でのウェット路面というレースが不可能な状態に見舞われることとなり、グランプリ全体に混乱が起こった。

125ccクラスでは、決勝中に雨が降り始めるという予報が出されていたが、レースは予定どおりにスタート。3周目に雨が降り始め、4周目終了時点でレースは赤旗中断となった。その後レース成立が宣言され、中断時点でトップを走っていたアンドレア・イアンノーネが勝者となった。規定周回数(18周)の三分の二に満たないため、与えられるポイントは通常の半分となった[3]フリアン・シモンは転倒・クラッシュしたが、幸運にも赤旗提示後だったため、2位表彰台を獲得することができた。

この雨により、投光器に照らされてギラついた路面がライダーたちにとって危険になる恐れが出てきたため、残り2クラスのレースをおこなうかどうか話し合いがもたれた。レースのオーガナイザー、安全面担当の代表者であるフランコ・ウンチーニバレンティーノ・ロッシロリス・カピロッシらライダーを乗せたセーフティーカーが、雨が止んで乾きつつある路面の調査のためコースに出た。結果、当初予定の40分遅れで250ccクラス決勝をスタート、ただしMotoGPクラス開始の遅れを防ぐため、周回数は20周から13周(フルポイントが与えられるギリギリの周回数)に減らされることになった[4]。レースは問題なくおこなわれ、エクトル・バルベラが優勝、伏兵ジュール・クルーセルが2位に入った。ルーキーのマイク・ディ・メッリオはファイナルラップにチームメイトのアルバロ・バウティスタとホンダのラファエレ・デ・ロサをオーバーテイクして3位表彰台に立った。青山博一もその2台をかわして4位を確保した。

最後のレースとして、MotoGPクラス決勝は定刻開始を予定していた。しかしフォーメーションラップの後すぐ、125ccの時よりずっと激しい雨が降り始めた。路面は川のような状態になり、オーガナイザーはレースの中止を決断した。その後交渉がなされ、天候の回復を待って翌日の現地時刻21時にレースを開始することになった[1]

月曜日のレースは問題なく開催された。ポールポジションからいいスタートを決めたケーシー・ストーナーが後続を離してレースをリードし続け、開幕戦優勝を決めた[5]バレンティーノ・ロッシは一時ストーナーの2秒後方にまで迫ったが、最後はタイヤに問題を抱えて2位に終わった[6]。3位にはストーナーから16秒遅れでホルヘ・ロレンソが入った[7]

MotoGPクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 27   ケーシー・ストーナー ドゥカティ 22 42:53.984 1 25
2 46   バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 22 + 7.771 2 20
3 99   ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 22 + 16.244 3 16
4 5   コーリン・エドワーズ ヤマハ 22 + 24.410 6 13
5 4   アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 22 + 27.263 4 11
6 15   アレックス・デ・アンジェリス ホンダ 22 + 29.883 9 10
7 7   クリス・バーミューレン スズキ 22 + 33.627 8 9
8 36   ミカ・カリオ ドゥカティ 22 + 34.755 10 8
9 24   トニ・エリアス ホンダ 22 + 39.481 12 7
10 14   ランディ・ド・プニエ ホンダ 22 + 42.284 7 6
11 3   ダニ・ペドロサ ホンダ 22 + 48.526 14 5
12 69   ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 22 + 48.883 16 4
13 59   セテ・ジベルナウ ドゥカティ 22 + 52.215 15 3
14 33   マルコ・メランドリ カワサキ 22 + 56.379 11 2
15 72   高橋裕紀 ホンダ 22 + 1:00.286 17 1
16 52   ジェームス・トスランド ヤマハ 22 + 1:14.978 13
17 88   ニッコロ・カネパ ドゥカティ 22 + 1:15.028 18
Ret 65   ロリス・カピロッシ スズキ 7 アクシデント 5

250ccクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 40   エクトル・バルベラ アプリリア 13 26:50.940 4 25
2 16   ジュール・クルーセル アプリリア 13 + 0.826 13 20
3 63   マイク・ディ・メッリオ アプリリア 13 + 6.181 3 16
4 4   青山博一 ホンダ 13 + 6.609 2 13
5 35   ラファエレ・デ・ロサ ホンダ 13 + 6.656 14 11
6 12   トーマス・ルティ アプリリア 13 + 6.672 9 10
7 19   アルバロ・バウティスタ アプリリア 13 + 7.608 1 9
8 14   ラタパー・ウィライロー ホンダ 13 + 8.349 12 8
9 15   ロベルト・ロカテリ ジレラ 13 + 15.032 10 7
10 28   ガボール・タルマクシ アプリリア 13 + 20.348 6 6
11 55   エクトル・ファウベル ホンダ 13 + 20.465 5 5
12 48   富沢祥也 ホンダ 13 + 28.402 16 4
13 52   ルーカス・ペセック アプリリア 13 + 28.906 15 3
14 6   アレックス・デボン アプリリア 13 + 33.779 8 2
15 25   アレックス・バルドリーニ アプリリア 13 + 36.988 17 1
16 8   バスティン・シェゾー ホンダ 13 + 1:01.730 21
17 10   イムレ・トス アプリリア 13 + 1:03.512 18
18 56   ウラジミール・レオノフ アプリリア 13 + 1:32.385 20
19 77   アイトール・ロドリゲス アプリリア 13 + 1:38.752 22
Ret 17   カレル・アブラハム アプリリア 8 棄権 11
Ret 7   アクセル・ポンス アプリリア 0 アクシデント 19
Ret 75   マティア・パシーニ アプリリア 0 アクシデント 7

125ccクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 29   アンドレア・イアンノーネ アプリリア 4 8:37.245 3 12.5
2 60   フリアン・シモン アプリリア 4 + 0.180 1 10
3 11   サンドロ・コルテセ デルビ 4 + 5.211 5 8
4 44   ポル・エスパルガロ デルビ 4 + 5.769 8 6.5
5 38   ブラッドリー・スミス アプリリア 4 + 6.650 2 5.5
6 94   ジョナス・フォルガー アプリリア 4 + 6.701 10 5
7 18   ニコラス・テロル アプリリア 4 + 6.771 4 4.5
8 17   ステファン・ブラドル アプリリア 4 + 7.592 7 4
9 99   ダニー・ウェブ アプリリア 4 + 8.169 13 3.5
10 12   エステベ・ラバト アプリリア 4 + 8.678 15 3
11 77   ドミニク・エガーター デルビ 4 + 12.232 18 2.5
12 33   セルヒオ・ガデア アプリリア 4 + 12.237 6 2
13 45   スコット・レディング アプリリア 4 + 12.360 11 1.5
14 24   シモーネ・コルシ アプリリア 4 + 13.754 19 1
15 14   ヨハン・ザルコ アプリリア 4 + 13.783 14 0.5
16 16   キャメロン・バービアー KTM 4 + 13.893 22  
17 7   エフレン・バスケス デルビ 4 + 14.170 21  
18 6   ホアン・オリベ デルビ 4 + 14.452 12  
19 8   ロレンツォ・ザネッティ アプリリア 4 + 15.310 20  
20 73   中上貴晶 アプリリア 4 + 16.415 16  
21 32   ロレンツォ・サヴァドーリ アプリリア 4 + 18.602 23  
22 35   ランディ・クルメナッハ アプリリア 4 + 19.355 17  
23 53   ジャスパー・イウェマ ホンダ 4 + 28.034 25  
24 87   ルカ・マルコーニ アプリリア 4 + 28.114 24  
25 69   ルーカス・センベラ アプリリア 4 + 28.199 25  
26 5   アレックス・マスボー ロンシン 4 + 28.272 28  
27 71   小山知良 ロンシン 4 + 28.544 27  
28 10   ルカ・ヴィターリ アプリリア 4 + 53.927 30  
Ret 93   マルク・マルケス KTM 3 アクシデント 9  
Ret 88   ミハエル・ランセデール Haojue 3 メカニカル 29  
DNS 66   マシュー・ホイル Haojue 31  

脚注 編集

  1. ^ a b “Qatar MotoGP to be run on Monday”. BBC Sport (BBC). (2009年4月12日). http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/motorsport/motorbikes/7996183.stm 2009年4月12日閲覧。 
  2. ^ Birt, Matthew (2007年8月31日). “Misano MotoGP: Night race for Qatar MotoGP in 2008”. Motorcycle News (Bauer Media Group). オリジナルの2009年8月11日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5ixoLBkj7 2009年4月13日閲覧。 
  3. ^ Lostia, Michele (2009年4月12日). “Iannone wins truncated Qatar race”. autosport.com (Haymarket Publications). オリジナルの2009年8月11日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5ixoJe5vn 2009年4月12日閲覧。 
  4. ^ Beer, Matt (2009年4月12日). “250cc race delayed and shortened”. autosport.com (Haymarket Publications). オリジナルの2009年8月11日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5ixoKFUe1 2009年4月12日閲覧。 
  5. ^ Stoner takes win in MotoGP opener”. BBC Sport (2009年4月13日). 2009年4月27日閲覧。
  6. ^ Lostia, Michele (2009年4月13日). “Rossi admits he settled for second”. autosport.com (Haymarket Publications). オリジナルの2009年8月11日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5ixoLjRsc 2009年4月20日閲覧。 
  7. ^ Lostia, Michele (2009年4月13日). “Stoner claims third Qatar MotoGP win”. autosport.com (Haymarket Publications). http://www.autosport.com/news/report.php/id/74453 2009年4月20日閲覧。 


前戦
2008年のバレンシアグランプリ
ロードレース世界選手権
2009年シーズン
次戦
2009年の日本グランプリ
前回開催
2008年のカタールグランプリ
  カタールグランプリ 次回開催
2010年のカタールグランプリ