2010年のアラゴングランプリ

2010年のアラゴングランプリは、ロードレース世界選手権2010年シーズン第13戦として、9月17日から19日までスペインアラゴン州モーターランド・アラゴンで、この年初めて開催された。

アラゴン州の旗   2010年のアラゴングランプリ
レース詳細
2010年のロードレース世界選手権 全18戦中第13戦
決勝日 2010年9月19日
開催地 モーターランド・アラゴン
開催コース 常設サーキット
5.078km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー スペインの旗 ダニ・ペドロサ
1:48.942 1:49.521
表彰台
1. オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー
2. スペインの旗 ダニ・ペドロサ 3. アメリカ合衆国の旗 ニッキー・ヘイデン


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ
1:55.148 1:55.003
表彰台
1. イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ
2. スペインの旗 フリアン・シモン 3. ハンガリーの旗 ガボール・タルマクシ


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 マルク・マルケス スペインの旗 ポル・エスパルガロ
1:59.335 1:59.509
表彰台
1. スペインの旗 ポル・エスパルガロ
2. スペインの旗 ニコラス・テロル 3. イギリスの旗 ブラッドリー・スミス


概要 編集

スペイン第四のグランプリ 編集

元々このシーズンの第13戦[1]は、前年に一度開催がキャンセルされていたバラトンリンクハンガリーGPが開催される予定だったが、サーキット完成が間に合わないことから2年連続でキャンセルとなったため、リザーブサーキットとして候補に挙がっていたモーターランド・アラゴンでの代替開催が実現したものである。毎年開催されているスペインGPカタルーニャGPバレンシアGPに続く、スペイン第四のグランプリとなった[2]

富沢祥也を偲んで 編集

 
富沢のレプリカヘルメットを被りレースを戦ったホルヘ・ロレンソ

日曜の決勝レース前、前戦サンマリノGPで事故死した富沢祥也を偲んで、全クラスのライダー、チームスタッフ他レース関係者がスターティンググリッドに集まり、君が代が流れる中1分間の黙祷を捧げた。その中には今回のグランプリを表敬訪問していたスペイン国王フアン・カルロス1世の姿も見られた[3]

また多くのライダーが富沢への哀悼の意を込めて、マシン・ヘルメット・ツナギに富沢のゼッケン「48」や、富沢の似顔絵を付けて今回のグランプリに臨んだ。かつて同じゼッケン48を使用していた関係で生前仲の良かったホルヘ・ロレンソは、急きょ用意した富沢のレプリカヘルメットを被って予選・決勝を戦った[4]

125ccクラス 編集

125ccクラス予選では、アジョ・モータースポーツマルク・マルケスがシーズン8度目となるポールポジションを獲得した。2番グリッドにはマルケスのスリップストリームを利用して好タイムを出したチームメイトのサンドロ・コルテセが続いた[5]

日曜日の決勝では、スタート直後の1コーナーでマルケスがランディ・クルメナッハの転倒に巻き込まれてリタイヤを喫した。クルメナッハの方はその後レースに復帰したが、失格の裁定が下されて黒旗が振られた[6]

レースはその後ニコラス・テロルポル・エスパルガロのマッチレースとなった。両者は激しいバトルを展開、ファイナルラップにエスパルガロがテロルをオーバーテイクし、0.05秒差でシーズン3勝目を遂げた。

この結果ポイントランキングでは、テロルが再びトップに立つこととなった。6ポイント差のランキング2位にエスパルガロが続き、ポイントリーダーだったマルケスはテロルから11ポイント差の3位に落ちた[7]

Moto2クラス 編集

Moto2クラス予選では、アンドレア・イアンノーネがシーズン5度目となるポールポジションを獲得した。2番グリッドにはスコット・レディング、3番手にはアレックス・デ・アンジェリスが続いた[8]

決勝レースでは、イアンノーネが序盤から後続を突き放して自らの勝ちパターンに持ち込むことに成功し、独走でシーズン3勝目を果たした。2番手にはフリアン・シモン、3位にはイアンノーネのチームメイトのガボール・タルマクシが入り、自身クラス初となる表彰台を獲得した。ポイントリーダーのトニ・エリアスは4位でフィニッシュし、ランキング2位のシモンと76ポイント差、3位のイアンノーネとは80ポイント差となった[9]

MotoGPクラス 編集

最高峰MotoGPクラスの予選では、ドゥカティ・マルボロケーシー・ストーナーが、開幕戦カタール以来となるシーズン2度目のポールポジションを獲得した[10]

日曜日の決勝レースでもストーナーが強さを見せ、独走でシーズン初優勝を遂げた。5.148秒差の2位にはダニ・ペドロサ、3番手にはファイナルラップにホルヘ・ロレンソをオーバーテイクしたニッキー・ヘイデンが入り、自身シーズン初の表彰台を獲得した。4位に終わったポイントリーダーのロレンソは、このシーズン初めて表彰台を逃した。これでロレンソとランキング2位のペドロサとのポイント差は56となった[11]

 
MotoGPクラス決勝

MotoGPクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 27   ケーシー・ストーナー ドゥカティ 23 42:16.530 1 25
2 26   ダニ・ペドロサ ホンダ 23 +5.148 3 20
3 69   ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 23 +9.496 4 16
4 99   ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 23 +9.580 2 13
5 11   ベン・スピーズ ヤマハ 23 +13.771 5 11
6 46   バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 23 +27.330 7 10
7 58   マルコ・シモンチェリ ホンダ 23 +28.511 9 9
8 19   アルバロ・バウティスタ スズキ 23 +35.254 12 8
9 33   マルコ・メランドリ ホンダ 23 +35.393 14 7
10 41   アレックス・エスパルガロ ドゥカティ 23 +35.467 13 6
11 40   エクトル・バルベラ ドゥカティ 23 +35.522 10 5
12 5   コーリン・エドワーズ ヤマハ 23 +45.360 11 4
13 7   青山博一 ホンダ 23 +48.319 15 3
14 36   ミカ・カリオ ドゥカティ 23 +58.047 16 2
Ret 4   アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 22 アクシデント 8
Ret 14   ランディ・ド・プニエ ホンダ 15 アクシデント 6

Moto2クラス決勝結果 編集

 
Moto2クラス決勝
順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 29   アンドレア・イアンノーネ スピードアップ 21 40:33.264 1 25
2 60   フリアン・シモン スッター 21 +6.203 4 20
3 2   ガボール・タルマクシ スピードアップ 21 +6.276 7 16
4 24   トニ・エリアス モリワキ 21 +7.123 12 13
5 3   シモーネ・コルシ モトビ 21 +9.160 5 11
6 16   ジュール・クルーセル スッター 21 +12.881 14 10
7 77   ドミニク・エガーター スッター 21 +12.987 11 9
8 45   スコット・レディング スッター 21 +18.881 2 8
9 65   ステファン・ブラドル スッター 21 +20.893 9 7
10 12   トーマス・ルティ モリワキ 21 +21.171 20 6
11 71   クラウディオ・コルティ スッター 21 +21.426 6 5
12 72   高橋裕紀 テック3 21 +21.978 26 4
13 63   マイク・ディ・メッリオ スッター 21 +22.171 15 3
14 51   ミケーレ・ピロ モリワキ 21 +24.747 8 2
15 14   ラタパー・ウィライロー ビモータ 21 +30.452 21 1
16 43   Román Ramos MIR 21 +31.716 29
17 55   エクトル・ファウベル スッター 21 +33.594 19
18 17   カレル・アブラハム FTR 21 +33.801 22
19 44   ロベルト・ロルフォ スッター 21 +37.621 23
20 40   セルヒオ・ガデア ポンス カレックス 21 +39.428 25
21 8   アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 21 +43.799 28
22 6   アレックス・デボン FTR 21 +44.855 27
23 64   サンティアゴ・エルナンデス モリワキ 21 +45.164 31
24 88   ヤンニック・ゲーラ モリワキ 21 +59.926 38
25 28   渡辺一樹 スッター 21 +1:11.176 40
26 59   ニッコロ・カネパ ビモータ 21 +1:11.208 36
27 53   バレンティン・デビーズ ADV 21 +1:11.364 33
28 5   ホアン・オリベ プロモハリス 21 +1:22.224 39
Ret 80   アクセル・ポンス ポンス カレックス 13 アクシデント 30
Ret 95   マシェル・アル・ナイミ BQR 12 アクシデント 34
Ret 9   ケニー・ノエス プロモハリス 12 棄権 35
Ret 35   ラファエレ・デ・ロサ テック3 10 アクシデント 10
Ret 75   マティア・パシーニ スッター 9 棄権 24
Ret 39   ロベルティーノ・ピエトリ スッター 8 アクシデント 37
Ret 15   アレックス・デ・アンジェリス モトビ 6 アクシデント 3
Ret 54   ケブ・コフラン FTR 1 棄権 13
Ret 10   フォンシ・ニエト モリワキ 0 アクシデント 32
Ret 25   アレックス・バルドリーニ ICP 0 アクシデント 17
Ret 4   リカルド・カルダス ビモータ 0 アクシデント 18
Ret 68   ヨニー・エルナンデス BQR 0 アクシデント 16

125ccクラス決勝結果 編集

 
125ccクラス決勝
順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 44   ポル・エスパルガロ デルビ 19 38:14.248 5 25
2 40   ニコラス・テロル アプリリア 19 +0.050 3 20
3 38   ブラッドリー・スミス アプリリア 19 +9.460 6 16
4 7   エフレン・バスケス デルビ 19 +15.999 4 13
5 11   サンドロ・コルテセ デルビ 19 +18.396 2 11
6 71   小山知良 アプリリア 19 +18.967 10 10
7 12   エステベ・ラバト アプリリア 19 +25.971 11 9
8 94   ジョナス・フォルガー アプリリア 19 +26.129 9 8
9 99   ダニー・ウェブ アプリリア 19 +39.717 12 7
10 39   ルイス・サロム アプリリア 19 +42.719 13 6
11 26   アドリアン・マルティン アプリリア 19 +48.635 14 5
12 14   ヨハン・ザルコ アプリリア 19 +56.065 8 4
13 78   マルセル・シュロッター ホンダ 19 +1:01.926 19 3
14 84   ヤコブ・コーンフェール アプリリア 19 +1:02.020 18 2
15 50   ストゥーラ・ファーガーハウグ アプリリア 19 +1:15.030 24 1
16 63   ズルファミ・カイルディン アプリリア 19 +1:18.689 15
17 23   アルベルト・モンカヨ アプリリア 19 +1:18.852 16
18 72   マルコ・ラバイオリ ランブレッタ 19 +1:36.185 29
19 58   ホアン・ペレロ ホンダ 19 +1:54.278 25
20 37   Robin Barbosa アプリリア 19 +1:54.564 27
21 27   Alejandro Pardo アプリリア 18 +1 Lap 30
22 28   ジュゼップ・ロドリゲス アプリリア 18 +1 Lap 20
Ret 15   シモーネ・グロツキー アプリリア 15 棄権 21
Ret 69   ルイ・ロッシ アプリリア 13 棄権 22
Ret 16   Pedro Rodriguez アプリリア 11 棄権 23
Ret 56   Peter Sebestyén アプリリア 10 棄権 28
Ret 53   ジャスパー・イウェマ アプリリア 8 棄権 17
Ret 86   Kevin Hanus ホンダ 0 アクシデント 31
Ret 93   マルク・マルケス デルビ 0 アクシデント 1
DNS 55   イサック・ビニャレス ランブレッタ スタートせず 26
DSQ 35   ランディ・クルメナッハ アプリリア 失格 7

脚注 編集

参考文献 編集


前戦
2010年のサンマリノグランプリ
ロードレース世界選手権
2010年シーズン
次戦
2010年の日本グランプリ
前回開催
なし
  アラゴングランプリ 次回開催
2011年のアラゴングランプリ