2011年のカタールグランプリ

2011年のカタールグランプリは、ロードレース世界選手権2011年シーズン開幕戦として、3月17日から20日までカタールドーハロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された。

カタールの旗   2011年のカタールグランプリ
レース詳細
2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第1戦
決勝日 2011年3月20日
開催地 ロサイル・サーキット
開催コース 常設サーキット
5.380km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー
1:54.137 1:55.366
表彰台
1. オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー
2. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ 3. スペインの旗 ダニ・ペドロサ


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
ドイツの旗 ステファン・ブラドル サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス
2:00.168 2:01.003
表彰台
1. ドイツの旗 ステファン・ブラドル
2. イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ 3. スイスの旗 トーマス・ルティ


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ニコラス・テロル スペインの旗 ニコラス・テロル
2:06.605 2:06.463
表彰台
1. スペインの旗 ニコラス・テロル
2. ドイツの旗 サンドロ・コルテセ 3. スペインの旗 セルヒオ・ガデア


概要 編集

大震災犠牲者への黙祷 編集

日曜日のMotoGPクラス決勝前、全てのクラスのライダー・チームスタッフ等関係者がスタートラインの前に集まり、3月11日に発生した東日本大震災の犠牲者に1分間の黙祷を捧げた。また今回多くのライダー・チームが日本へ向けて支援の気持ちを込めて、マシンやツナギに日の丸や「がんばろう日本」等のメッセージを載せてレースを戦った[1]

125ccクラス 編集

125ccクラス予選では、3度のフリー走行全てでトップタイムをマークした前年度ランキング2位のニコラス・テロルが速さを見せ、自身2度目となるポールポジションを獲得した。続いてサンドロ・コルテセエフレン・バスケスがフロントロウに並んだ[2]

日曜日の決勝でもテロルが一度もトップを譲らず、独走で開幕戦優勝を果たした。4台で争われた2位争いはコルテセが制し、3位にはこのシーズン125ccクラスに復帰したセルヒオ・ガデアが続いた。同じクラス復帰組のエクトル・ファウベルも2位争いに加わっていたが、終盤に大きくラインを外して下位に沈んだ。

ルーキー勢では、9位にマーベリック・ビニャーレスが入った。18番グリッドからスタートした尾野弘樹は好スタートを決めてポイント圏内を走行していたが、8周目に転倒を喫してリタイヤに終わった[3]

Moto2クラス 編集

Moto2クラス予選では、ステファン・ブラドルが自身初のポールポジションを獲得した。2番グリッドには、前年の125ccクラスチャンピオンのマルク・マルケスが続いた[4]

決勝では125ccクラスに続いてポールシッターの独走となり、ブラドルがクラス2勝目を挙げた。4台で争われた2位争いは、終盤に追い上げを見せたアンドレア・イアンノーネが制した。高橋裕紀もこのバトルに加わっていたが、終盤にトーマス・ルティアレックス・デ・アンジェリスに次々とオーバーテイクされ、集団最後尾の5位に終わった。マルケスはスタートに失敗、中団に沈んだあと徐々に順位を上げていたが、5周目に転倒を喫してリタイヤに終わった[5]

MotoGPクラス 編集

MotoGPクラスでは、金曜のフリー走行セッションでリズラ・スズキアルバロ・バウティスタが転倒により左の大腿骨骨折の重傷を負い、戦線を離れることとなった。このシーズンより体制を縮小しバウティスタ1台のみのエントリーとなっていたスズキだが、代役ライダーが見つけられなかったために今回の予選・決勝は欠場となった[6]

土曜日の予選では、このシーズンよりレプソル・ホンダチームに移籍したケーシー・ストーナーが開幕前テストでの好調を維持し、ポールポジションを獲得した。チームメイトのダニ・ペドロサ、ディフェンディングチャンピオンのホルヘ・ロレンソヤマハファクトリー)がフロントロウに並んだ。ドゥカティに移籍したバレンティーノ・ロッシはグリッド3列目9番手からのスタートとなった[7]

日曜日の決勝では、序盤はストーナーとペドロサによるトップ争いが展開された。中盤以降にはストーナーが引き離しを掛けて独走、開幕戦を制した。またロレンソが追い上げを見せ、ペドロサとの2位争いを制した。ロッシは7位でドゥカティでの初戦を終えた。このシーズングレシーニ・チームに移籍し、今回喪章を付けてレースに臨んだ青山博一は、前年と同じ10位で開幕戦を終えた[8]

MotoGPクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 27   ケーシー・ストーナー ホンダ 22 42:38.569 1 25
2 1   ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 22 +3.440 3 20
3 26   ダニ・ペドロサ ホンダ 22 +5.051 2 16
4 4   アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 22 +5.942 7 13
5 58   マルコ・シモンチェリ ホンダ 22 +7.358 4 11
6 11   ベン・スピーズ ヤマハ 22 +10.468 5 10
7 46   バレンティーノ・ロッシ ドゥカティ 22 +16.431 9 9
8 5   コーリン・エドワーズ ヤマハ 22 +26.293 10 8
9 69   ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 22 +27.416 13 7
10 7   青山博一 ホンダ 22 +28.920 12 6
11 35   カル・クラッチロー ヤマハ 22 +34.539 8 5
12 8   エクトル・バルベラ ドゥカティ 22 +34.829 6 4
13 17   カレル・アブラハム ドゥカティ 22 +37.957 15 3
Ret 24   トニ・エリアス ホンダ 18 アクシデント 16
Ret 65   ロリス・カピロッシ ドゥカティ 1 棄権 14
Ret 14   ランディ・ド・プニエ ドゥカティ 0 アクシデント 11
19   アルバロ・バウティスタ スズキ フリープラクティスで負傷

Moto2クラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 65   ステファン・ブラドル カレックス 20 40:38.549 1 25
2 29   アンドレア・イアンノーネ スッター 20 +4.330 16 20
3 12   トーマス・ルティ スッター 20 +5.137 3 16
4 15   アレックス・デ・アンジェリス モトビ 20 +5.925 8 13
5 72   高橋裕紀 モリワキ 20 +6.621 4 11
6 3   シモーネ・コルシ FTR 20 +14.217 11 10
7 16   ジュール・クルーセル スッター 20 +14.257 5 9
8 51   ミケーレ・ピロ モリワキ 20 +14.501 9 8
9 38   ブラッドリー・スミス テック3 20 +18.910 7 7
10 60   フリアン・シモン スッター 20 +19.174 6 6
11 40   アレックス・エスパルガロ ポンス カレックス 20 +19.442 14 5
12 68   ヨニー・エルナンデス FTR 20 +20.830 20 4
13 77   ドミニク・エガーター スッター 20 +20.837 15 3
14 34   エステベ・ラバト FTR 20 +20.855 17 2
15 76   マックス・ノイキルヒナー MZ-RE ホンダ 20 +26.803 12 1
16 80   アクセル・ポンス ポンス カレックス 20 +27.295 23
17 88   リカルド・カルダス モリワキ 20 +28.080 22
18 54   ケナン・ソフォーグル スッター 20 +28.212 28
19 63   マイク・ディ・メッリオ テック3 20 +34.939 19
20 36   ミカ・カリオ スッター 20 +34.962 25
21 71   クラウディオ・コルティ スッター 20 +37.982 18
22 44   ポル・エスパルガロ FTR 20 +43.491 24
23 53   バレンティン・デビーズ FTR 20 +43.659 26
24 9   ケニー・ノエス FTR 20 +47.476 34
25 19   ザビエル・シメオン テック3 20 +47.755 35
26 21   ハビエル・フォレス スッター 20 +50.355 21
27 4   ランディ・クルメナッハ カレックス 20 +50.544 29
28 25   アレックス・バルドリーニ スッター 20 +1:04.879 31
29 39   ロベルティーノ・ピエトリ スッター 20 +1:09.672 30
30 35   ラファエレ・デ・ロサ モリワキ 20 +1:09.781 36
31 45   スコット・レディング スッター 20 +1:23.743 10
32 96   Nasser Al Malki モリワキ 20 +1:39.105 39
Ret 14   ラタパー・ウィライロー FTR 10 アクシデント 27
Ret 49   ケブ・コフラン FTR 6 アクシデント 33
Ret 93   マルク・マルケス スッター 4 アクシデント 2
Ret 64   サンティアゴ・エルナンデス FTR 4 アクシデント 32
Ret 13   アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 4 アクシデント 37
Ret 75   マティア・パシーニ FTR 3 アクシデント 13
Ret 95   マシェル・アル・ナイミ モリワキ 0 アクシデント 38

125ccクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 18   ニコラス・テロル アプリリア 18 38:28.687 1 25
2 11   サンドロ・コルテセ アプリリア 18 +7.710 2 20
3 33   セルヒオ・ガデア アプリリア 18 +9.147 4 16
4 7   エフレン・バスケス デルビ 18 +9.514 3 13
5 94   ジョナス・フォルガー アプリリア 18 +9.698 6 11
6 5   ヨハン・ザルコ デルビ 18 +15.260 7 10
7 23   アルベルト・モンカヨ アプリリア 18 +15.352 8 9
8 39   ルイス・サロム アプリリア 18 +15.696 10 8
9 25   マーベリック・ビニャーレス アプリリア 18 +15.910 9 7
10 44   ミゲル・オリベイラ アプリリア 18 +27.396 12 6
11 55   エクトル・ファウベル アプリリア 18 +42.563 5 5
12 53   ジャスパー・イウェマ アプリリア 18 +43.772 21 4
13 52   ダニー・ケント アプリリア 18 +44.001 13 3
14 15   シモーネ・グロツキー アプリリア 18 +44.272 14 2
15 96   ルイ・ロッシ アプリリア 18 +50.030 11 1
16 99   ダニー・ウェブ マヒンドラ 18 +50.424 23
17 31   ニクラス・アジョ アプリリア 18 +1:01.545 16
18 17   テイラー・マッケンジー アプリリア 18 +1:02.931 20
19 63   ズルファミ・カイルディン デルビ 18 +1:05.192 17
20 3   ルイジ・モルシアーノ アプリリア 18 +1:05.273 19
21 77   マルセル・シュロッター マヒンドラ 18 +1:05.396 22
22 19   アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア 18 +1:12.458 24
23 84   ヤコブ・コーンフェール アプリリア 18 +1:30.629 26
24 12   ダニエル・カーセイニンガー KTM 18 +1:30.792 29
25 21   ハリー・スタフォード アプリリア 18 +1:30.798 28
26 30   ジュリアン・ペドーネ アプリリア 18 +1:54.387 27
27 43   フランチェスコ・マウリエロ アプリリア 18 +1:54.548 30
28 26   アドリアン・マルティン アプリリア 14 +4 Laps 15
Ret 36   ホアン・ペレロ アプリリア 9 棄権 25
Ret 76   尾野弘樹 KTM 7 棄権 18
DNQ 69   サラス・クマー アプリリア 予選落ち

脚注 編集

参考文献 編集


前戦
2010年のバレンシアグランプリ
ロードレース世界選手権
2011年シーズン
次戦
2011年のスペイングランプリ
前回開催
2010年のカタールグランプリ
  カタールグランプリ 次回開催
2012年のカタールグランプリ