2014年イギリスグランプリ

2014年イギリスグランプリは、2014年のF1世界選手権第9戦として、2014年7月6日シルバーストン・サーキットで開催された。

イギリスの旗 2014年イギリスグランプリ
レース詳細
日程 2014年シーズン第9戦
決勝開催日 7月6日
開催地 シルバーストン・サーキット
イギリス シルバーストン
コース長 5.901km
レース距離 52周(306.747km)
決勝日天候 晴れ
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:35.766
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ルイス・ハミルトン
タイム 1:37.176(Lap 26)
決勝順位
優勝
2位
3位

予選 編集

展開 編集

雨のQ1でフェラーリ、ウィリアムズが敗退する。Q2では雨も止み、トップタイムはハミルトン。リチャルドは10位でぎりぎりQ3進出。Q3では雨模様の空となり、各車コースインし、タイムを出しに行く。すると、予想通り雨が降り始めた段階の判断で明暗が分かれた。トップタイムを出していたハミルトン、4番手のリチャルドはこれ以上のタイム更新はできないと判断して2回目のアタックを行わずに予選を終えた。しかし、この雨はコース全域にわたるものではなく、セクター3のコンディションは良くなっていた。2回目のアタックを敢行したロズベルグはトップタイムをマークし、それにベッテル、バトン、ヒュルケンベルグ、マグヌッセンらもハミルトンのタイムを上回り、ハミルトンは6番手[1]。リチャルドも8番手に終わった[2]

結果 編集

Pos. No. ドライバー チーム Q1 Q2 Q3 Grid
1 6   ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:40.380 1:35.179 1:35.766 1
2 1   セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 1:45.086 1:36.410 1:37.386 2
3 22   ジェンソン・バトン マクラーレンメルセデス 1:44.425 1:36.579 1:38.200 3
4 27   ニコ・ヒュルケンベルグ フォースインディアメルセデス 1:41.271 1:37.112 1:38.329 4
5 20   ケビン・マグヌッセン マクラーレンメルセデス 1:42.507 1:37.370 1:38.417 5
6 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:41.058 1:34.870 1:39.232 6
7 11   セルジオ・ペレス フォースインディアメルセデス 1:42.146 1:37.350 1:40.457 7
8 3   ダニエル・リチャルド レッドブルルノー 1:44.710 1:38.166 1:40.606 8
9 26   ダニール・クビアト トロロッソルノー 1:41.032 1:36.813 1:40.707 9
10 25   ジャン=エリック・ベルニュ トロロッソルノー 1:43.040 1:37.800 1:40.855 10
11 8   ロマン・グロージャン ロータスルノー 1:43.121 1:38.496 11
12 17   ジュール・ビアンキ マルシャフェラーリ 1:41.169 1:38.709 12
13 4   マックス・チルトン マルシャフェラーリ 1:42.082 1:39.800 17
14 21   エステバン・グティエレス ザウバーフェラーリ 1:43.285 1:40.912 19
EX 13   パストール・マルドナド ロータスルノー 1:43.892 1:44.018 203
16 99   エイドリアン・スーティル ザウバーフェラーリ 1:42.603 No time 13
17 77   バルテッリ・ボッタス ウィリアムズメルセデス 1:45.318 14
18 19   フェリペ・マッサ ウィリアムズメルセデス 1:45.695 15
19 14   フェルナンド・アロンソ フェラーリ 1:45.935 16
20 7   キミ・ライコネン フェラーリ 1:46.684 18
107% time: 1:47.406
21 9   マーカス・エリクソン ケータハムルノー 1:49.421 21
22 10   小林可夢偉 ケータハムルノー 1:49.625 22

[3]

  • No.4はギアボックス交換のため5グリッド降格[3]
  • No.21はギアボックス交換と前戦での危険なリリースにより10グリッド降格[3]
  • No.13は予選後ピットに戻れるだけの燃料を残していなかったため結果から除外[4]
  • No.9、No.10は107%ルールをクリアできなかったが、スチュワードにより出走を許可された[3]

決勝 編集

展開 編集

決勝はドライコンディションで、アロンソ、ライコネンのフェラーリ勢がハードタイヤ、それ以外の全車がミディアムタイヤでのスタートとなった。スタートではロズベルグが好スタートを決めた一方、ベッテル、ヒュルケンベルグが遅れ、バトン、マグヌッセンのマクラーレン勢が2、3番手に浮上、ハミルトンも2つポジションをあげた。後方ではターン1でペレスとベルニュが接触、さらにターン5でライコネンがスピンし、避けきれなかったマッサと接触して両者リタイヤとなった。これにより赤旗中断となった。その後、セーフティカー先導でレースが再開され、セーフティカーが退去すると、すぐさまハミルトンはマグヌッセン、バトンをかわし、4周目に2番手に浮上し、この時点でトップロズベルグとは5秒差、ここからじわじわとペースをあげてロズベルグを追い上げ始める。後方では予選で後退したボッタスは1周目に9番手まで順位をあげ、ベッテルの後ろ6番手まであがってきていた。同じく後方からのスタートとなったアロンソもオーバーテイクを連発しながら追い上げていたが、スタート位置を間違えて5秒加算ペナルティを受けてしまう。上位陣では10周目のベッテルのピットインを皮切りに各車ピットインし始める。トップを走っていたロズベルグは18周目にピットイン。ハミルトンは24周目にピットインした。順位は変わらなかったが、ここからハミルトンが1周1秒近く速い猛烈なペースで追い上げ、29周目にロズベルグが今季初のリタイヤを喫しているのを尻目にトップに立つ。中団ではアロンソとベッテルのチャンピオンドライバー同士の激しいバトルが白熱し、最後はベッテルがタイヤの履歴を利して、アロンソをオーバーテイクした。また、3位争いは早めのピットインで3番手に上がっていたリカルドが上がっていたが、これをバトンが10秒近くあった差を最後はコンマ8秒程まで詰めたものの抜くまでには至らなかった。ハミルトンが52周のレース締めくくり、今季5勝目。予選での失敗はあったが、決勝での追い上げで挽回した。2番手には14番手スタートながらこちらも追い上げを見せたボッタス。3位にはリカルド。早めのピットイン敢行も、何とか1ストップ作戦を遂行しバトンから逃げ切った。4番手のバトンはまたしても母国初表彰台とはならなかった。5位はベッテル。2ストップ作戦をとったものの、逆に順位を下げる結果となってしまった。6位はアロンソ。2秒近く速いベッテルを10周以上抑えたが、スタートでの停止位置のミスが悔やまれる[1]。ロズベルグのリタイヤもあって、ロズベルグとハミルトンのポイント差は4ポイントまで縮まった[5]

結果 編集

Pos. No. ドライバー チーム 周回数 タイム/リタイア Grid Pts.
1 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 52 2:26:52.094 6 25
2 77   バルテッリ・ボッタス ウィリアムズメルセデス 52 +30.135 14 18
3 3   ダニエル・リチャルド レッドブルルノー 52 +46.495 8 15
4 22   ジェンソン・バトン マクラーレンメルセデス 52 +47.390 3 12
5 1   セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 52 +53.864 2 10
6 14   フェルナンド・アロンソ フェラーリ 52 +59.946 16 8
7 20   ケビン・マグヌッセン マクラーレンメルセデス 52 +1:02.563 5 6
8 27   ニコ・ヒュルケンベルグ フォースインディアメルセデス 52 +1:28.692 4 4
9 26   ダニール・クビアト トロロッソルノー 52 +1:29.340 9 2
10 25   ジャン=エリック・ベルニュ トロロッソルノー 51 +1 lap 10 1
11 11   セルジオ・ペレス フォースインディアメルセデス 51 +1 lap 7
12 8   ロマン・グロージャン ロータスルノー 51 +1 lap 11
13 99   エイドリアン・スーティル ザウバーフェラーリ 51 +1 lap 13
14 17   ジュール・ビアンキ マルシャフェラーリ 51 +1 lap 12
15 10   小林可夢偉 ケータハムルノー 50 +2 laps 22
16 4   マックス・チルトン マルシャフェラーリ 50 +2 laps 17
17 13   パストール・マルドナド ロータスルノー 49 エキゾースト 20
Ret 6   ニコ・ロズベルグ メルセデス 28 ギアボックス 1
Ret 9   マーカス・エリクソン ケータハムルノー 11 サスペンション 21
Ret 21   エステバン・グティエレス ザウバーフェラーリ 9 接触 19
Ret 19   フェリペ・マッサ ウィリアムズメルセデス 0 接触 15
Ret 7   キミ・ライコネン フェラーリ 0 クラッシュ 18

[6]

ラップリーダー
  • ニコ・ロズベルグ(1-18,25-28)
  • ルイス・ハミルトン(19-24,29-52)

第9戦終了時点でのランキング 編集

[7]

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注 編集

  1. ^ a b 鈴木賢志、高橋浩司「F1速報 2014年総集編」『F1速報』第26巻第1号、株式会社三栄書房、2015年2月5日、128頁。 
  2. ^ “ロズベルグがポール、雨が予選をかき回す”. espnf1.com. (2014年7月5日). http://ja.espnf1.com/greatbritain/motorsport/story/165631.html 2018年11月21日閲覧。 
  3. ^ a b c d “【結果】F1第9戦イギリスGP予選/2014年7月5日”. topnews.jp. (2014年7月5日). http://www.topnews.jp/f1-british-qualify-2014 2018年11月21日閲覧。 
  4. ^ “マルドナド、燃料を提出できず予選から除外”. espnf1.com. (2014年7月6日). http://ja.espnf1.com/lotusf1/motorsport/story/165773.html 2018年11月21日閲覧。 
  5. ^ “ハミルトン、波乱の母国レースを制す”. espnf1.com. (2014年7月6日). http://ja.espnf1.com/greatbritain/motorsport/story/165919.html 2018年11月21日閲覧。 
  6. ^ “イギリスGP 2014 / Results”. espnf1.com. http://ja.espnf1.com/greatbritain/motorsport/race/138621.html?noredir=1 2018年11月21日閲覧。 
  7. ^ “F1世界選手権 2014 / ランキング”. espnf1.com. http://ja.espnf1.com/f1/motorsport/season/138549.html?date=2014-07-06;template=standings 2018年11月21日閲覧。 
前戦
2014年オーストリアグランプリ
FIA F1世界選手権
2014年シーズン
次戦
2014年ドイツグランプリ
前回開催
2013年イギリスグランプリ
  イギリスグランプリ 次回開催
2015年イギリスグランプリ