2021年ハンガリーグランプリ

2021年ハンガリーグランプリ (2021 Hungarian Grand Prix) は、2021年のF1世界選手権第11戦として、2021年8月1日ハンガロリンクで開催された。

ハンガリーの旗 2021年ハンガリーグランプリ
レース詳細
日程 2021年シーズン第11戦
決勝開催日 8月1日
開催地 ハンガロリンク
 ハンガリー モギョロード英語版
コース 恒久的レース施設
コース長 4.381km
レース距離 70周 (306.630km)
決勝日天候 雨のち晴れ
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:15.419
ファステストラップ
ドライバー フランスの旗 ピエール・ガスリー
タイム 1:18.394(70周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「FORMULA 1 ROLEX MAGYAR NAGYDÍJ 2021[1]

背景 編集

レース前のチャンピオンシップ順位
ドライバーズタイトルは、マックス・フェルスタッペンレッドブル)とルイス・ハミルトンメルセデス)がイギリスGPの1周目に接触したことで、リタイアと優勝という明暗が分かれる結果となった。これによりフェルスタッペンのリードは8ポイントにまで減少している。コンストラクターズタイトルは、無得点だったレッドブルに対し優勝・3位という結果を残したメルセデスが4ポイント差までリードを縮めている。
タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の中間の組み合わせ[2]

エントリーリスト 編集

レギュラーシートについては前戦イギリスGPから変更なし。

フリー走行 編集

FP1[5]
7月30日 11:30 CEST(UTC+2)
天候は晴れ。トップはマックス・フェルスタッペン。次いでバルテリ・ボッタスルイス・ハミルトンと続いた。時折、スピンを喫する場面はあったものの各車が順調にラップを重ねていた。しかし、残り20分を過ぎた頃に角田裕毅がターン4で姿勢を乱しコースアウト。リヤからバリアに接触、車両回収などのために赤旗が掲示された。
FP2[6]
7月30日 15:00 CEST(UTC+2)
天候は晴れ。トップはボッタス、僅差でハミルトンと続きメルセデスの1-2となった。非常に暑い路面温度のなかで行われ、各車がタイヤのオーバーヒートに苦しんだ。FP1の終盤にクラッシュを喫した角田は、セッションの大半を修理に費やし周回は3周に留まった。
FP3[7]
7月31日 12:30 CEST(UTC+2)
天候は晴れ。トップはハミルトン、僅差でフェルスタッペン、3番手にボッタスとなった。セッション終盤にはターン11でミック・シューマッハがクラッシュを喫しセッションは中断した。

予選 編集

7月31日 15:00 CEST(UTC+2)

予選結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:16.424 1:16.553 1:15.419 1
2 77   バルテリ・ボッタス メルセデス 1:16.569 1:16.702 1:15.734 2
3 33   マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:16.214 1:15.650 1:15.840 3
4 11   セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 1:17.233 1:16.443 1:16.421 4
5 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 1:16.874 1:16.394 1:16.483 5
6 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:17.081 1:16.385 1:16.489 6
7 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1:17.084 1:16.574 1:16.496 7
8 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:17.367 1:16.766 1:16.653 8
9 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:17.123 1:16.541 1:16.715 9
10 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 1:17.105 1:16.794 1:16.750 10
11 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:17.664 1:16.871 11
12 18   ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 1:17.038 1:16.893 12
13 7   キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 1:17.553 1:17.564 13
14 99   アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 1:17.776 1:17.583 14
15 55   カルロス・サインツ フェラーリ 1:16.649 No Time 15
16 22   角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 1:17.919 16
17 63   ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1:17.944 17
18 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:18.036 18
19 9   ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 1:18.922 19
107% time: 1:21.548
47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ No Time 201
ソース:[8][9]
追記
  • ^1 – シューマッハはQ1で107%のタイムを記録できなかったが、スチュワードの協議により最後尾グリッドからの決勝出走が許可された。また予定外のギアボックスの交換を行ったため、5グリッドのペナルティ[10]

決勝 編集

8月1日 15:00 CEST(UTC+2)(文章の出典先[11]

決勝開始前に降り出した雨によりウエット宣言が出され、全車インターミディエイトでのスタートとなった。1周目のターン1でバルテリ・ボッタスランス・ストロールがそれぞれ他車に追突したことによる多重クラッシュが発生、セルジオ・ペレスランド・ノリスシャルル・ルクレールを含めた5人が姿を消した。また、多数のデブリやリタイアした車両が発生したことから、レースは一時中断となる。その時点のトップ3はルイス・ハミルトン、ターン1での混乱をくぐり抜けたエステバン・オコンセバスチャン・ベッテルという順で並んだ。

レース再開はスタンディングスタートとなったが、直前に天候が回復してきたこともあり、2位以下の全車がピットへと雪崩れ込んだ。これにより、シグナルに合わせてスタートを切ったのはトップのルイス・ハミルトンのみという珍しい光景となった。一方、ピットレーン上ではニキータ・マゼピンキミ・ライコネンが接触し、マゼピンはリタイアを喫した。

トップ争いは、1周遅れてピットインをしたハミルトンが後方へ沈んだことから、オコンとベッテルによる一騎打ちとなった。しかし、オコンは一度もトップを譲ることはなく[注 1]、終盤に追い上げてきたハミルトンからも逃げ切り、初優勝のチェッカーを受けた。また、チームもアルピーヌへ名称を変えてから初めて優勝を飾った。

レース結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 70 2:04:43.199 8 25
2 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 70 +2.736 1 18
3 55   カルロス・サインツ フェラーリ 70 +15.018 15 15
4 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 70 +15.651 9 12
5 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 70 +63.614 5 11FL
6 22   角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 70 +75.803 16 8
7 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 70 +77.910 18 6
8 63   ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 70 +79.094 17 4
9 33   マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 70 +80.244 3 2
10 7   キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 69 +1 Lap 13 1
11 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 69 +1 Lap 11
12 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 69 +1 Lap 20
13 99   アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 69 +1 Lap 14
Ret 9   ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 3 アクシデント・ダメージ 19
Ret 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 2 アクシデント・ダメージ 6
Ret 77   バルテリ・ボッタス メルセデス 0 アクシデント 2
Ret 11   セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 0 アクシデント 4
Ret 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 0 アクシデント 7
Ret 18   ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 0 アクシデント 12
DSQ 5   セバスチャン・ベッテル1 アストンマーティン-メルセデス 70 燃料サンプル違反 10
ソース:[12][13][14]

追記 編集

  • ^FL - ファステストラップの1点を含む
  • ^1 - ベッテルはレース後に燃料サンプルを採取できなかったことにより失格[15]

達成された主な記録 編集

第11戦終了時点のランキング 編集

  • :いずれもトップ5まで掲載。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ピットインのタイミングでアロンソが先行した周回はある。

出典 編集

  1. ^ Hungarian Grand Prix 2021”. The Official F1 Website. 2021年7月28日閲覧。
  2. ^ ピレリ、2021年シーズンの各F1グランプリに持ち込むタイヤコンパウンドを一挙発表”. jp motorsport.com (2021年2月19日). 2021年7月28日閲覧。
  3. ^ Models in 2021”. STATS F1. 2021年6月28日閲覧。
  4. ^ アルファロメオF1のリザーブを務めるクビサ、ハンガリーGPでフリー走行1回目に出走へ”. auto sport Web (2021年7月29日). 2021年7月30日閲覧。
  5. ^ 激戦必至!フェルスタッペンが僅差の最速発進…角田裕毅は赤旗クラッシュ / F1ハンガリーGP《FP1》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年7月30日). 2021年8月3日閲覧。
  6. ^ 角田裕毅、事故の代償大きく僅か3周…3番手止まりのフェルスタッペンはクルマに不満 / F1ハンガリーGP《FP2》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年7月30日). 2021年8月3日閲覧。
  7. ^ 三つ巴のポール争い必至! シューマッハ、赤旗クラッシュで予選出走危うし / F1ハンガリーGP《FP3》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年7月31日). 2021年8月3日閲覧。
  8. ^ FORMULA 1 ROLEX MAGYAR NAGYDÍJ 2021 - QUALIFYING”. Formula 1 (2021年7月31日). 2021年8月2日閲覧。
  9. ^ FORMULA 1 ROLEX MAGYAR NAGYDÍJ 2021 - STARTING GRID”. Formula 1 (2021年7月31日). 2021年8月2日閲覧。
  10. ^ F1ハンガリーGP 決勝グリッド︰予選不参加のシューマッハ、出走許可下りる”. Formula1-Data (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
  11. ^ F1ハンガリーGP決勝:アルピーヌのオコンが大波乱のレースを制しF1初優勝! アルファタウリ角田も2戦連続の入賞”. jp.motorsport.com (2021年8月2日). 2021年8月2日閲覧。
  12. ^ FORMULA 1 ROLEX MAGYAR NAGYDÍJ 2021 - RACE RESULT”. Formula 1 (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
  13. ^ FORMULA 1 ROLEX MAGYAR NAGYDÍJ 2021 - FASTEST LAPS”. Formula 1 (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
  14. ^ 『F1速報2021年総集編』株式会社三栄、2021年12月28日、181頁。 
  15. ^ ベッテルのF1ハンガリーGP失格が確定。アストンマーティン、上訴を取り下げ、2位奪還を断念/F1第11戦”. Formula 1 (2021年8月12日). 2021年8月13日閲覧。
  16. ^ 2021 Formula One Hungarian Grand Prix - Driver Standings”. motorsportSTATS (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
  17. ^ 2021 Formula One Hungarian Grand Prix - Team Standings”. motorsportSTATS (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
  18. ^ 2021 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula 1 (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
前戦
2021年イギリスグランプリ
FIA F1世界選手権
2021年シーズン
次戦
2021年ベルギーグランプリ
前回開催
2020年ハンガリーグランプリ
  ハンガリーグランプリ 次回開催
2022年ハンガリーグランプリ