2021年ベルギーグランプリ

2021年ベルギーグランプリ: 2021 Belgian Grand Prix) は、2021年のF1世界選手権第12戦として、2021年8月29日スパ・フランコルシャンで開催された。

ベルギーの旗 2021年ベルギーグランプリ
レース詳細
日程 2021年シーズン第12戦
決勝開催日 8月29日
開催地 スパ・フランコルシャン
ベルギーの旗 ベルギー スパ
コース長 7.004km
レース距離 1周(6.880km)赤旗終了[1]
44周(308.052km・規定周回数)
決勝日天候
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:59.765
決勝順位
優勝
2位
3位

正式名称は「Formula 1 Rolex Belgian Grand Prix 2021[2]

背景 編集

レース前のチャンピオンシップ順位
ドライバーズ、コンストラクターズの両タイトルは、前戦ハンガリーGPでの1周目の多重クラッシュにより明暗を分けた結果となった。これにより、ハミルトンは第4戦スペインGP以来のポイントリーダーとなり、コンストラクターズもメルセデスがスペインGP以来のポイントリーダーとなっている。
タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C4の中間の組み合わせ[3]
その他

エントリーリスト 編集

レギュラーシートについては前戦ハンガリーGPから変更なし。

フリー走行 編集

FP1[7]
8月27日 11:30 CEST(UTC+2)
トップはバルテリ・ボッタス。セッション開始前に小雨が降り、各車インターミディエイトで走り始めたが、路面が乾きだしたセッションの中盤ではミディアムやハードで走行となった。時折、スピンを喫する車がいたものの安定したセッションだった。
FP2[8]
8月27日 15:00 CEST(UTC+2)
トップはマックス・フェルスタッペン。ウェット宣言が出されたセッションだったが、大半が乾いていたことからドライのなか行われた。セッションの終盤にルクレールがレコームでクラッシュ、更に中断明けにもフェルスタッペンが同じくレコームでクラッシュを喫した。
FP3[9]
8月28日 12:00 CEST(UTC+2)
トップはフェルスタッペン。濡れた路面のなか行われ、コースの各所でスピンやコースアウトをする場面はあったもののセッションは順調に進んだ。また、セッション中に2021年のF1カレンダーが更新され、年間22戦開催となることが発表された[10]

予選 編集

8月28日 15:00 CEST(UTC+2)(文章の出典先[11]

ポールを獲得したのはマックス・フェルスタッペンで今季5度目。2位にウィリアムズジョージ・ラッセルで、ウィリアムズがフロントローを獲得するのは2014年オーストリアGP以来[12][注 1]。3位にはルイス・ハミルトンと続いた。セッションはQ3に雨脚が強くなり、ラディオンで姿勢を乱したランド・ノリスが激しいクラッシュを喫し40分ほど中断した。

予選結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 33   マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:58.717 1:56.559 1:59.765 1
2 63   ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1:59.864 1:56.950 2:00.086 2
3 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1:59.218 1:56.229 2:00.099 3
4 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 2:01.583 1:57.127 2:00.864 4
5 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 2:00.175 1:56.814 2:00.935 5
6 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 2:00.387 1:56.440 2:01.164 6
7 11   セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 1:59.334 1:56.886 2:02.112 7
8 77   バルテリ・ボッタス メルセデス 1:59.870 1:56.295 2:02.502 131
9 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 2:01.824 1:57.354 2:03.513 8
10 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:58.301 1:56.025 No Time 152
11 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 2:00.728 1:57.721 9
12 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 2:00.966 1:58.056 10
13 55   カルロス・サインツ フェラーリ 2:01.184 1:58.137 11
14 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 2:01.653 1:58.205 12
15 18   ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 2:01.597 1:58.231 191
16 99   アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 2:02.306 14
17 22   角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 2:02.413 16
18 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 2:03.973 17
19 7   キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 2:04.452 PL3
20 9   ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 2:04.939 18
107% time: 2:06.582
ソース:[13][14]
追記
  • ^1 – ボッタスとストロールは前戦で接触事故を起こしたことにより、5グリッド降格のペナルティ[15]
  • ^2 – ノリスは予定外のギアボックスを交換したことにより、5グリッド降格のペナルティ[16]
  • ^3 – ライコネンはパルクフェルメ下のマシンに変更を加えたため、ピットレーンからのスタート[17]


決勝 編集

8月29日 15:00 CEST(UTC+2)(文章の出典先[18]

全車ウエットタイヤ装着のなか、25分遅れでフォーメーションラップが開始されたものの、「視界の悪さ」等のコースコンディションの状況不良によりレース開始前に赤旗が掲示され、レースはスタート前に「中断」となった(この時点ではスタート成立前である)。この「中断」から2時間45分後、当初は44周回数で行なう予定であったレースを特例的に「60分間のタイムレース」として「再開」するとの決定が競技委員から示された。なお「中断」の最中に、レース開始時刻から終了まで3時間という規則に基づく「時間計測」を、「タイムレース」の成立のために競技委員が特例的に停止している[注 2]レコノサンスラップでクラッシュを喫したセルジオ・ペレスは、「中断」の間にマシンの修復が完了したため、ピットレーンからのスタートが許可された。「60分間のタイムレース」はセーフティーカー先導でスタートしたものの、先頭のフェルスタッペンが3周目を走行中(2周回を完了後)に「視界の悪さ」により再び中断された。天候及びコースコンディションの回復が見込めない事に加え、日没時刻が差し迫っていたこともあり、このままレースを終了するとの判断が競技委員から下された。規則により、レースは「先頭車両が2周以上完了していれば成立」し、レース結果は「赤旗が提示された2周前の周回を完了した時点で決定する」ため[注 3]、2021年ベルギーグランプリはF1史上最短となる「1周だけのレース」となった[注 4]。順位は1周目終了時の順に確定した。ただし、レース総距離の75%を完了していないため、入賞者にはハーフポイントが付与された[注 5]。また、ファステストラップニキータ・マゼピンがマークしていたが、レース結果には記録されていない[5][19]

レース結果 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.1
1 33   マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1 3:27.071 1 12.5
2 63   ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1 +1.995 2 9
3 44   ルイス・ハミルトン メルセデス 1 +2.601 3 7.5
4 3   ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1 +4.496 4 6
5 5   セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 1 +7.479 5 5
6 10   ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 1 +10.177 6 4
7 31   エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1 +11.579 8 3
8 16   シャルル・ルクレール フェラーリ 1 +12.608 9 2
9 6   ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1 +15.484 10 1
10 55   カルロス・サインツ フェラーリ 1 +16.166 11 0.5
11 14   フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1 +20.590 12
12 77   バルテリ・ボッタス メルセデス 1 +22.414 13
13 99   アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 1 +24.163 14
14 4   ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1 +27.109 15
15 22   角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 1 +28.329 16
16 47   ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1 +29.507 17
17 9   ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 1 +31.993 18
18 7   キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 1 +36.054 PL
19 11   セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 1 +38.205 7
20 18   ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 1 +44.1082 19
ソース:[20]
追記
  • ^1 - 規定周回数の75%未満しか走れなかったため、半分のポイントが付与された[21]
  • ^2 - ストロールはレース中断中にマシンに変更を加えたため、10秒加算のタイムペナルティ[21]
達成された主な記録
  • F1史上最短のレース(1周)[22]

第12戦終了時点のランキング 編集

  • :いずれもトップ5まで掲載。


脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ フロントローに並ぶのは2017年イタリアGP以来で他車の降格ペナルティによる。
  2. ^ 当初のスタート時刻から既に3時間以上が経過しており、そのままだと「60分間のタイムレース」を完了・レースを「成立」させることができなくなるため、特例的に「時間計測の停止」する必要があった。なお、この制限時間はこのシーズンから4時間から3時間に変更されていた。
  3. ^ 最終的な赤旗の提示は3周目で行われた。『レースは2周以上周回したので成立』『レース結果は1周終了時点で決定』となったことに留意
  4. ^ これまでの最短レースは1991年オーストラリアGPの14周。
  5. ^ ハーフポイント付与は2009年マレーシアGP以来6度目

出典 編集

  1. ^ フェルスタッペン「勝てたら最高!」母国戦へ意気込み…意外にもザントフォールトでのレース経験は1回のみ”. Formula1-Data (2021年9月1日). 2021年9月1日閲覧。
  2. ^ Belgian Grand Prix 2021 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2021年8月27日閲覧。
  3. ^ ピレリ、2021年シーズンの各F1グランプリに持ち込むタイヤコンパウンドを一挙発表”. jp motorsport.com (2021年2月19日). 2021年8月27日閲覧。
  4. ^ アルピーヌF1、2022年もフェルナンド・アロンソを起用と発表。オコンとのコンビを継続”. auto sport Web (2021年8月26日). 2021年8月30日閲覧。
  5. ^ a b 【SNS特集】F1ベルギーGP:降雨中断の長い1日。ゲームや室内サッカーで過ごすドライバーたち。マゼピン、幻のFL”. auto sport Web. 2021年9月1日閲覧。
  6. ^ 『F1速報 2021年9月16日号 2021年 第12戦 ベルギーGP号』株式会社三栄、2021年9月2日、73頁。 
  7. ^ 伝統のスパ、小雨開幕! ホンダ2-3も最速はメルセデス「今のところ順調」とウォルフ / F1ベルギーGP《FP1》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年8月27日). 2021年8月31日閲覧。
  8. ^ フェルスタッペン最速も赤旗事故「オーバーステアが酷すぎて…」超僅差のトップ3 / F1ベルギーGP《FP2》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年8月27日). 2021年8月31日閲覧。
  9. ^ レッドブル・ホンダ、雨のスパ 全区間最速で1-2確保…角田裕毅は17番手 / F1ベルギーGP《FP3》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年8月28日). 2021年8月31日閲覧。
  10. ^ F1、2021年修正版カレンダーを発表。22戦に縮小、1戦は開催地未定”. auto sport Web (2021年8月28日). 2021年8月31日閲覧。
  11. ^ フェルスタッペン、ホンダ共闘50戦目にポール!赤旗事故経てラッセルが2番手快挙 / F1ベルギーGP《予選》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年8月29日). 2021年8月31日閲覧。
  12. ^ マッサ、6年ぶりのPP”. トーチュウF1エクスプレス (2014年6月22日). 2021年9月8日閲覧。
  13. ^ FORMULA 1 ROLEX BELGIAN GRAND PRIX 2021 - QUALIFYING”. Formula 1 (2021年8月28日). 2021年8月30日閲覧。
  14. ^ FORMULA 1 ROLEX BELGIAN GRAND PRIX 2021 - STARTING GRID”. Formula 1 (2021年8月28日). 2021年8月30日閲覧。
  15. ^ クラッシュ引き起こしたボッタスとストロール、F1ベルギーGPで5グリッド降格へ”. auto sport Web (2021年8月2日). 2021年8月30日閲覧。
  16. ^ 予選で大クラッシュのノリス、ギヤボックス交換で5グリッド降格。14番手からのスタートに”. jp motorsport.com (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
  17. ^ 4度のスパウィナー、キミ・ライコネンがF1ベルギーGPでピットレーンスタート”. Formula1-Data (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
  18. ^ F1ベルギーGP決勝:雨が全てを狂わせた“長くて短い”グランプリ。勝者はフェルスタッペン! ラッセルが初表彰台、角田15位”. jp motorsport.com (2021年8月30日). 2021年8月31日閲覧。
  19. ^ doc_43_-_2021_belgian_grand_prix_-_final_race_classification.pdf”. FIA.com. 2021年9月1日閲覧。
  20. ^ FORMULA 1 ROLEX BELGIAN GRAND PRIX 2021 - RACE RESULT”. Formula 1 (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
  21. ^ a b 【順位結果】2021年F1第12戦ベルギーGP決勝”. auto sport Web (2021年8月30日). 2021年8月30日閲覧。
  22. ^ 2021年のベルギーGPはF1史上最短のレースに……FIA「月曜日に延期することはできなかった」”. jp motorsport.com (2021年8月30日). 2021年8月30日閲覧。
  23. ^ 2021 Formula One Belgian Grand Prix - Driver Standings”. motorsportSTATS (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
  24. ^ 2021 Formula One Belgian Grand Prix - Team Standings”. motorsportSTATS (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
  25. ^ 2021 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula 1 (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
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