RAN-10Sは、イタリアセレニア(現在のSELEX)社が開発した2次元レーダー

RAN-10S
三明」搭載の360型レーダーの空中線部
種別 2次元レーダー
目的 目標捕捉
開発・運用史
開発国 イタリアの旗 イタリア
就役年 1980年
別名 MM/SPS-774, プルートゥ
送信機
周波数 Sバンド
パルス 20.8マイクロ秒
(0.4マイクロ秒にパルス圧縮)
パルス繰返数 900pps
送信尖頭電力 140kW
アンテナ
形式 パラボラアンテナ
直径・寸法 幅4.3m×高さ0.7m
アンテナ利得 28dB
ビーム幅 幅1.5°×高さ17°
走査速度 15 or 30rpm
方位角 全周無制限
仰俯角 60度
探知性能
探知距離 90 nmi (170 km)
探知高度 10,000m
精度 距離20m、方位0.35度
その他諸元
重量 900kg
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イタリア海軍ではMM/SPS-774として装備化されており、対空・対水上捜索レーダーとして搭載される。また、中国では360型レーダー(H/LJQ-360, SR60)として山寨化されている。

概要 編集

RAN-10Sは、フリゲートコルベット向けの低空警戒・対水上レーダーとして、1980年に発表された。基本的には、1960年代巡洋艦駆逐艦向けのLバンドの対空捜索レーダーとして開発されたRAN-3Lをもとに、周波数Sバンドに変更するなどシステム全体を小型化して開発されたものである。戦闘機に対しては40海里 (74 km)、シースキマー(高度3メートルを飛行するレーダー反射断面積0.1m²の目標)に対しては5.5海里 (10.2 km)の有効探知距離を発揮できる。アンテナパラボラアンテナを採用しており、当初はメッシュ式のG10型を用いていたが、1986年にはソリッド式のSMA-7104型が登場した。これらのアンテナはいずれも安定化されている[1]

また、のちには、中国船舶重工集団CSIC)中国艦船研究院の第723研究所(揚州船用電子儀器研究所)によって、本機をリバースエンジニアリングしての開発が行われた。これによって開発されたのが360型対空対水上レーダー(360型対空対海捜索雷達、H/LJQ-360)で[2]、輸出版はSR-60、S-3、ないしシーガル-Sと称されている。中国人民解放軍海軍では、354型レーダーの後継機種として、主にフリゲートに搭載されている。一方、駆逐艦においては、フランスのトムソンCSF社(現在のタレス・グループ)製の「シー・タイガー」(フランス軍の制式名はDRBV-15)の山寨版である363S型レーダーが用いられている[1]

搭載艦 編集

参考文献 編集

  1. ^ a b Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681. https://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC 
  2. ^ 陸易「中国軍艦のコンバット・システム」『世界の艦船』第748号、海人社、2011年10月、94-97頁、NAID 40018965309 

関連項目 編集