AS30は、フランスアエロスパシアル社(現MBDA)製の空対地ミサイルである。誘導方式が半自動指令照準線一致のAS30と、その発展型のセミアクティブ・レーザー誘導のAS30Lがある。実戦で97パーセントという高い命中率[1]を示した。

AS30L
種類 空対地ミサイル
製造国 フランスの旗 フランス
製造 アエロスパシアル(現MBDA
性能諸元
ミサイル直径 350mm
ミサイル全長 4690mm
ミサイル翼幅 1100mm
ミサイル重量 520kg
弾頭 徹甲榴弾
射程 12km
推進方式 2段固体燃料ロケット
目標捜索装置 アトリ(ATLIS)
誘導方式 セミアクティブ・レーザー誘導
飛翔速度 マッハ1.5
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概要 編集

AS30は、1964年に登場した空対地ミサイルで、誘導方式は半自動指令照準線一致。約3,870発が生産され、イギリス西ドイツインドなどで採用された。

AS30LはAS30の発展型で、1974年からアエロスパシアル(現MBDA)とトムソンCSF(現タレス)により開発作業が始められた。誘導方式はセミアクティブ・レーザー誘導で、機体に装備した照準ポッドATLISフランス語版英語版PDLCTフランス語版英語版など)や地上部隊から照射されたレーザーの反射をミサイルのシーカーが捕えて誘導される。推進方式は2段固体燃料ロケットモーターで、本体尾部側面のノズルから噴出されるのが加速用、主翼直後のロケットモーターから長いノズルを通して、本体後端の中央から噴出されるのが、速度維持用である。

最大射程は12km。厚さ2メートルのコンクリートを貫徹する威力がある。半数必中界は1m。

1983年から生産が開始され、900発以上が製造された。フランスでは、ジャギュアミラージュF1ミラージュ2000Dに搭載された。また、イラク、インド、パキスタンなどに輸出された。

実戦 編集

AS30は、南アフリカ国境戦争で南アフリカ空軍が使用した。

AS30Lが湾岸戦争ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に投入され、約60発がジャギュアから発射された。命中率は97パーセント。また、イラン・イラク戦争でもイラク軍のミラージュF1に搭載された。

運用国 編集

 
AS-30の運用国
海軍航空隊F-104G空対艦ミサイルとして装備。AS.34 コルモランに更新されて退役[2]
バッカニアS.50ミラージュF1AZミラージュIIIEZに装備。現在は退役済み[3]
ミラージュIIISに装備。退役済み。

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 「ダッソー ミラージュ2000」 P42
  2. ^ F-104G STARFIGHTER - Das G steht (nicht) für Germany. “Beladeschema” (ドイツ語). 2020年4月22日閲覧。
  3. ^ The South African Air Force. “AS.30 Missile” (英語). 2020年4月22日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集