HP ProLiant(エイチピー プロライアント)は、ヒューレット・パッカード(HP)社が開発・販売をするx86サーバのブランド名。

HP ProLiant DL380 G5

1994年にProLiantの名称で旧コンパック社が発売開始して以来、2002年のHPとの合併により製品名称をHP ProLiantに変更し、現在まで開発・販売を続けている。2018年1月現在の最新世代は第10世代を示すGeneration 10(Gen10)となる。

筐体 編集

HP ProLiantは4つの主要な製品ラインに分かれている。それぞれのラインは、一部の例外を除きフォームファクタによって分類される。

  • HP ProLiant MLライン - 内部拡張性を重視した、タワー型の製品ライン。一部機種ではラックマウント型も販売している。
  • HP ProLiant DLライン - 実装密度と拡張性のバランスに優れる、ラックマウント型の製品ライン。4ライン中、最も製品数が多い。
  • HP ProLiant SLライン - スケールアウト用途に適した、ラックマウント型の製品ライン。軽量化・低消費電力化を図っている。
  • HP ProLiant BLライン - 高密度性を重視したブレード型の製品ライン。詳細はHP BladeSystemを参照。

シリーズ 編集

製品の仕様によって100、200、300、400、500、600、900のいくつかのシリーズに分かれており、一般的には百の位の数字が大きいほど、高い拡張性と可用性を備えている。なお700シリーズはすでに販売を終了している。また800シリーズが抜けているが、これはブレード型のHP Integrityで採用されているため。百の位が偶数のシリーズ(200、400、600)は、HP ProLiant BLラインのみのシリーズとなる。また、シリーズによって搭載可能なプロセッサ数が異なる。詳細は下記の表を参照。

搭載可能な
プロセッサ数
MLライン DLライン SLライン BLライン
100シリーズ 1または2  
200シリーズ 2    
300シリーズ 2  
400シリーズ 2      
500シリーズ 4      
600シリーズ 4      
900シリーズ 8      

命名規則 編集

製品名称はブランド名、ライン、シリーズ、グレード、世代の順で表記される。なお3桁の数字の末尾が0の場合はインテル製プロセッサを、5の場合はAMD製プロセッサを搭載する製品であることを示す。

例:HP ProLiant DL580 G7の場合
ブランド名 ライン シリーズ グレード プロセッサ 世代
HP ProLiant DL 5 8 0 G7


またHP ProLiant SLラインおよびBLラインの全機種とDLラインの一部機種には、3桁の数字の後に小文字のアルファベットが付く。これは専用のエンクロージャー/シャーシに装着して稼働する製品であることを示す。

HP ProLiant SL230s Gen8 - s6500シャーシに装着して稼働
HP ProLiant BL460c Gen8 - HP BladeSystem c-Class エンクロージャに装着して稼働

サーバ管理ソフトウェアによる機能拡張 編集

HP ProLiant にはシステムのインストレーション、構成、管理を支援するツールが無償で添付される。その代表的なものが初期セットアップを簡単かつ迅速に行うSmartStart、HP製のサーバおよびストレージ製品群を一元的に管理するHP Systems Insight Manager(HP SIM)、遠隔地からの操作を可能にするHP Integrated Lights-Out(iLO)などである[1]。また、有償のサーバ管理ソフトウェア HP Insight ソフトウェアを提供しており、これをHP ProLiantと組み合わせることにより高度なリモート管理、消費電力の制御、仮想マシン管理、サーバ移行支援などの機能を付加する。

オペレーティングシステム、仮想化ソフトウェア 編集

HP ProLiantに対応するOSおよび仮想化ソフトウェアにはMicrosoft WindowsCitrix XenServer、Red Hat Enterprise LinuxSUSE Linux Enterprise Server、Novell NetWare、Novell Open Enterprise Server、Oracle Enterprise Linux、Oracle Solaris, VMware vSphereなどがある。
詳細な対応情報はHP社の対応一覧ページを参照。

脚注 編集

  1. ^ 一部製品を除くHP ProLiant製品に標準添付する。

関連項目 編集

外部リンク 編集