NGC 1988は、おうし座恒星である[1]1855年10月に、ジャン・シャコルナクによって発見された[5]

NGC 1988
DSSからのNGC1988、左下の明るい星が誤認の原因となったおうし座ζ星
DSSからのNGC1988、左下の明るい星が誤認の原因となったおうし座ζ星
星座 おうし座[1]
見かけの等級 (mv) 10[2]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  05h 37m 26.5176880748s[3]
赤緯 (Dec, δ) +21° 13′ 05.478084005″[3]
視線速度 (Rv) -20.18 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: -1.180 ミリ秒/[3]
赤緯: 2.826 ミリ秒/年[3]
年周視差 (π) 2.1984 ± 0.0472ミリ秒[3]
(誤差2.1%)
距離 1480 ± 30 光年[注 1]
(455 ± 10 パーセク[注 1]
物理的性質
半径 1.88 +0.10
−0.33
R[3]
光度 3.515 ± 0.105 L[3]
表面温度 5,761 +550
−150
K[3]
他のカタログでの名称
2MASS J05372651+2113054[4]
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経緯 編集

シャコルナクが、1854年に同じ領域を観測した際には星雲はみられず、1856年1月には再び星雲を観測したが、1862年11月に観測した際には星雲は消えていた。そのため、この天体は時間と共に変化しているのではないかとし、ニュージェネラルカタログにもその旨が書かれている[5]。しかし、シャコルナクの他にこの変化を観測したものは存在せず、それどころか星雲をみたと記録しているのもシャコルナクだけである[2][5]バンジャマン・ヴァルズ英語版は星雲は虚像だとしており、南東に5の位置にあるおうし座ζ星の光の反射によるものではないかと考えられる[5][2]

ニュージェネラルカタログの赤道座標からすると、NGC 1988とされる天体がある位置には2、3の恒星があるだけである。シャコルナクの座標も合わせて考えると、その中で最も明るい10等星が、シャコルナクが星雲として記録したNGC 1988だと推定される[2]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典 編集

  1. ^ a b Seligman, Courtney. “New General Catalog Objects: NGC 1950 - 1999”. 2020年6月4日閲覧。
  2. ^ a b c d Corwin, H. G., Jr. (2004-11), “History and Accurate Positions for the NGC/IC Objects”, VizieR On-line Data Catalog: VII/239A, Bibcode2004yCat.7239....0C 
  3. ^ a b c d e f g h i Gaia Collaboration (2018-04), “Gaia DR2”, VizieR On-line Data Catalog: I/345, Bibcode2018yCat.1345....0G 
  4. ^ Results for object NGC 1988”. NASA / IPAC Extragalactic Database. Caltech. 2020年6月4日閲覧。
  5. ^ a b c d Dreyer, J. L. E. (1888), “A New General Catalogue of Nebulæ and Clusters of Stars, being the Catalogue of the late Sir John F. W. Herschel, Bart, revised, corrected, and enlarged”, Memoir of the Royal Astronomical Society 49: 1-237, Bibcode1888MmRAS..49....1D 

関連項目 編集

外部リンク 編集

座標:   05h 37m 26.5176880748s, +21° 13′ 05.478084005″