Norton Commander (NC) は伝統的ファイルマネージャの原型であり、John Sochaが開発し、ピーター・ノートン・コンピューティング (PNC) が発売した(後にシマンテックが買収)。DOS上でテキストユーザインタフェースで動作するファイルマネージャ。シマンテックはこれを1986年から1998年まで公式に製造した。DOS版の最終バージョンであるNorton Commander 5.51は1998年7月1日にリリースされた。

Norton Commander
開発元 ピーター・ノートン・コンピューティング
John Socha
最新版
対応OS DOS
種別 ファイルマネージャ
ライセンス プロプライエタリ
テンプレートを表示

関連製品として、DOSおよびWindowsでグラフィカルなシェルとして機能するNorton Desktopが後継として開発された。そこから、Norton Desktop for DOS (NDD)Norton Desktop for Windows (NDW) が派生している。

概要 編集

Norton Commanderは使いやすさを重視し、ファイル操作オブジェクトを2つ同時に表示するのが特徴である。プログラムを起動すると、ファイルの一覧が2つのパネルで表示される。この2つのパネルは、もう一方のパネルに関する情報を表示したり、ディレクトリツリーを表示したりといった様々なオプションを容易に設定可能である。画面下部にはコマンド一覧が表示されていて、CTRL+ALTキーで拡張できる。マウスを多用しなくても大部分の操作が可能で、様々なファイル操作を高速かつ効率的に実行できる(バージョン3.0以降はマウス利用が多くなっていった)。また、テキストファイルビューア(F3キーで呼び出し)とエディタ (F4) が組み込まれていた。

長いファイル名 (LFN) 編集

Windows 95でグラフィカルなシェルWindows Explorerが導入され、OS自体には「長いファイル名 (LFN)」が導入された。

シマンテックは標準のWindows APIを使ってLFNをサポートするNorton Commander 5.51をリリースした。Norton Commander 5.51はリアルモードで動作するため、LFNを保持するにはTerminate and Stay Resident (TSR) ユーティリティを必要とした。Norton Commander本体はリアルモードでのLFNをサポートしていなかった。

終焉 編集

開発者の1人Mark Lowlierによると、シマンテックはPNCを買収後、Microsoft Windowsが成功を収めると推測し、PNCの主なリソースを再配分し、新たにWindowsプログラマを雇い入れた。Brad KingsburyとEnrique Salemは後にNorton Desktop for Windowsを開発した。

DOS時代には人気のあったNorton Commanderも徐々に使われなくなっていったが、多数のクローン製品が生み出された。

Norton Commander for Windows 編集

DOS用ファイルマネージャのWindows 95版である。

バージョン1.0
1996年リリース。Windows 95とWindows NTで動作。Windowsの各種機能(ごみ箱やQuickView)と連携している。バージョン1.02ではWindows 98を追加サポートした。
バージョン2.0
Windows 2000を正式サポートし、Windows XPやWindows Vistaでも動作。最終バージョンの2.01は1999年2月11日にリリースされた。

Norton Commander for OS/2 編集

1992年12月、バージョン1.0をリリース。OS/2 2.0のHPFSFATをサポートしている。他のNorton Commanderのようなコマンドプロンプトは持たない。1993年6月には値下げしたが、間もなく開発終了となった。

Norton Commanderに影響されたソフトウェア 編集

Norton Commanderのスタイルに影響されたプログラムはいくつもある。以下に例を挙げる。

ファイルマネージャ以外にもNorton Commanderのルック・アンド・フィールを採用したソフトウェアがある(アーカイバ、ビューア、バイナリエディタなど)多くはDOS用ツールである。以下に例を挙げる。

関連項目 編集

脚注・出典 編集

外部リンク 編集