q二項定理

二項定理のq-類似

数学において、q二項定理: q-binomial theorem)は二項定理q-類似である[1]超幾何級数 の和は通常の二項定理

で与えられる。これに倣い、q超幾何級数の和を与える公式

をq二項定理と呼ぶ。ただし、ポッホハマー記号qポッホハマー記号である。

証明 編集

右辺を として関数方程式を導く。

 

これにより、左辺を得る。

 

別証明 編集

左辺を として関数方程式を導く。

 

 テイラー級数に展開して の係数を比較すると

 

となり、 であるから

 

となる。これにより、右辺を得る。

 

コーシーの二項定理 編集

コーシーの二項定理はq二項定理の特殊な場合である[2]

 

ただし、

 

はq二項係数である。q二項定理に を代入すると

 

となるが、左辺は  となり、右辺は の分子が の分母を打ち消す。従って、

 

である。左辺はqポッホハマー記号の変換式 により、

 

となる。

出典 編集

  1. ^ Wolfram Mathworld: q-Binomial Theorem
  2. ^ Wolfram Mathworld: Cauchy Binomial Theorem