THE HIT PARADE (松本孝弘のアルバム)

THE HIT PARADE』(ザ・ヒット・パレード)は、日本音楽ユニットB'zギタリストである松本孝弘が、「TAK MATSUMOTO」名義でリリースした6作目のアルバム。

THE HIT PARADE
TAK MATSUMOTOカバー・アルバム
リリース
ジャンル
時間
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース TAK MATSUMOTO
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • プラチナ(日本レコード協会[2]
  • 第18回日本ゴールドディスク大賞 ロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー[3]
  • TAK MATSUMOTO アルバム 年表
    • THE HIT PARADE
    • (2003年)
    『THE HIT PARADE』収録のシングル
    1. 異邦人
      リリース: 2003年8月27日
    2. イミテイション・ゴールド
      リリース: 2003年10月8日
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    解説 編集

    松本は、1996年に洋楽カバー・アルバム『Rock'n Roll Standard Club』をリリースしたが、本作は邦楽カバー・アルバムとなっている。元々『Rock'n Roll Standard Club』に取り掛かっていた頃からいつか邦楽カバーもやりたい想いがあったという。松本自身が感銘を受けた楽曲がジャンルを問わずセレクトされている。主に昭和40年代〜昭和50年代の楽曲が多い[4]。サウンドは打ち込み主体の曲が多くなっている。

    レコーディングはB'zの活動の合間をぬって、2002年から2003年頃に行われた。25曲レコーディングしたものから厳選した17曲が収録されている[5]。主にGIZA studio所属の女性ボーカリストをフィーチャーしている。

    本作は、B'zデビュー15周年の一環としてリリースされたこと、カバーブームだったこと、収録曲がドラマの挿入歌として使われたことなどから、12月8日付のオリコン週間アルバムチャート最高位2位となり[1]、カバー集としてはヒット作品になった。

    ジャケットは漫画絵になっていて、街並みの中で松本も含めた参加アーティスト全員が載っており、店の看板などに曲名が書かれている。これは、ハウリン・ウルフのアルバム『ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ』に倣っており、信号機にぶら下がっている坂井泉水の絵はZARDのシングル曲「Don't you see!」に使用されたジャケット写真のオマージュである。

    アルバム発売日に放送されたテレビ朝日系『徹子の部屋』に松本が初出演した[6]

    B'z関連の作品は松本・稲葉のソロを含めほとんどがデジタル配信でのリリースも行われているが、本作は配信リリースが行われておらずCDでしか販売されていない。

    後述の「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の関西弁バージョンを収録したCDはパッケージにシールでその旨が明記されている[7]

    収録曲 編集

    1. 勝手にしやがれ(featuring 稲葉浩志)(3:23)
      原曲:沢田研二勝手にしやがれ」(1977年)
      フジテレビ火曜9時ドラマあなたの隣に誰かいる』挿入歌[8]。松本のソロ・アルバムであるため、B'z名義にはなっていない。第1話ではクレジットがなかったため視聴者から「沢田研二の曲を歌っているの誰?」との問い合わせが殺到した。このアルバムでは唯一PV(レコーディング風景)が公開されていない。
    2. 異邦人(featuring ZARD)(3:28)
      原曲:久保田早紀異邦人」(1979年)
      シングルとしてリリースされた。シングル収録時とは異なるミックスとなっている。
    3. 涙の太陽(featuring 愛内里菜)(2:37)
      原曲:エミー・ジャクソン涙の太陽」(1965年)
      日本語カバー原曲:青山ミチ涙の太陽」(1965年)
      愛内も自身のライブで何度か披露している。
    4. その気にさせないで(featuring 三枝夕夏北原愛子高岡亜衣)(3:07)
      原曲:キャンディーズその気にさせないで」(1975年)
      松本は10代の頃、キャンディーズのファンだったという。
    5. イミテイション・ゴールド(featuring 倉木麻衣)(3:45)
      原曲:山口百恵イミテイション・ゴールド」(1977年)
      本作の先行シングルとして発売された。本アルバムの収録曲では、最初にレコーディングされた曲であった。
    6. 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ (4:34)
      原曲:ダウン・タウン・ブギウギ・バンド港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(1975年)
      松本がボーカルも担当している。コーラスには、本作に参加しているボーカリストが参加している。
      関西弁バージョンも存在しており、収録の予定はなかったが、マスター作成の過程での過誤により関西弁バージョンを収録したCDが一部流通していた。購入者の指摘により判明したものだが、購入希望の声をうけて正式に流通を開始した[7]
    7. 雨の街を(featuring 松田明子)(4:58)
      原曲:荒井由実雨の街を」(1973年)
      シングル『異邦人』のカップリングにも収録されている。
    8. Paper Doll(featuring Fayray
      原曲:山下達郎PAPER DOLL」(1978年)
      Fayrayは当時よしもとアール・アンド・シーに所属しており、唯一ビーイング系列以外のレコード会社からの参加となった。当時、Fayrayのサウンド・プロデュースはKANONJI名義の長戸大幸が手掛けていた。
    9. 「いちご白書」をもう一度(featuring 菅崎茜)(4:31)
      原曲:バンバン『いちご白書』をもう一度」(1975年)
      コーラスに宇徳敬子が参加している。
    10. Foggy Night(featuring 滴草由実)(4:05)
      原曲:尾崎亜美Foggy Night」(1981年)
      この曲のプログラミングは大賀好修が担当し、ベースも打ち込みとなっている。
    11. 少女A(featuring 上原あずみ)(3:30)
      原曲:中森明菜少女A」(1982年)
    12. ビュン・ビュン(featuring 川島だりあ
      原曲:外道「ビュン・ビュン」(1974年)(2:11)
      2004年に松本がhills パン工場でのライブに出演した際、アンコールでdoaと一緒にこの曲を披露した。
    13. パープルタウン(featuring 竹井詩織里)(3:56)
      原曲:八神純子パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜」(1980年)
      楽曲を管理するヤマハ音楽振興会では、レイ・ケネディの「You Oughta Know By Now」のカバー曲という扱いになっている。
    14. 時に愛は(featuring 宇徳敬子)(5:24)
      原曲:オフコース時に愛は」(1980年)
    15. SPINNING TOE-HOLD (2:46)
      原曲:クリエイション「SPINNING TOE-HOLD」(1977年)
      本作唯一のインストゥルメンタルブルースハープで稲葉が参加している。2003年に開催された『B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"』渚園公演で使用されていた。
    16. 一人〜I Stand Alone〜(featuring Jeffrey Qwest)(3:42)
      原曲:井上堯之「一人」(1972年)
      本作の公式発表の情報としては作曲者の井上の楽曲となっているが、元々はディーブ・平尾が1972年にリリースした「僕達の夜明け」のB面の曲である。その後、1976年に井上がセルフカバーしている。楽曲タイトルも「一人」「I Stand Alone」「一人〜I Stand Alone〜」「I Stand Alone/一人」など、揺らぎがある。
    17. 私は風(featuring 中村由利)(7:14)
      原曲:カルメン・マキ&OZ「私は風」(1978年)
      中村も自身のライブで披露したことがある。松本はB'z結成前、カルメン・マキとともにセッションバンド「うるさくてゴメンねBAND」に参加していた。シングル『イミテイション・ゴールド』のカップリングにも収録されている。

    タイアップ 編集

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    出典 編集

    1. ^ a b ■ オリコン ENTERTAINMENT SITE”. オリコン (2003年12月8日). 2003年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月26日閲覧。
    2. ^ Gold Album+...認定 2003年11月度」『The Record』第530号、日本レコード協会、2004年1月、14頁。 
    3. ^ THE JAPAN GOLD DISC AWARD|THE GOLD DISC”. 日本レコード大賞 (2004年). 2019年12月1日閲覧。
    4. ^ B’z松本プロデュースの懐かしカバーアルバム”. SANSPO.COM. 株式会社産業経済新聞社. 2003年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月24日閲覧。
    5. ^ Music Freak Magazine108号
    6. ^ B'z、松本孝弘が『徹子の部屋』に出演(VIBE)”. Yahoo!JAPAN Music. ヤフー株式会社. 2003年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月8日閲覧。
    7. ^ a b 『THE HIT PARADE』収録内容に関するお知らせ”. ビーイング (2018年12月19日). 2018年12月21日閲覧。
    8. ^ “松本孝弘(B'z)の音楽的原風景をたどる...!”. HMV&BOOKS onlineニュース (株式会社ローソンエンタテインメント). (2003年10月10日). https://www.hmv.co.jp/news/article/310100022/ 2022年9月22日閲覧。 

    外部リンク 編集