UEFAチャンピオンズリーグ 2015-16 決勝

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UEFAチャンピオンズリーグ 2015-16 決勝(ウエファチャンピオンズリーグ 2015-16 けっしょう、英語: UEFA Champions League 2015-16 Final)は、欧州サッカー連盟(UEFA)により開催されるUEFAチャンピオンズリーグ 2015-16の決勝戦であり、24回目のUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦である(UEFAチャンピオンズカップ時代を含めると61回目)。試合は2016年5月28日土曜日にミラノスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで開催され、リーガ・エスパニョーラに所属するクラブ同士であるレアル・マドリードアトレティコ・マドリードの間で行われた。

UEFAチャンピオンズリーグ 2015-16 決勝
大会名 UEFAチャンピオンズリーグ 2015-16
延長/PK戦 5 - 3でレアル・マドリードの勝利
開催日 2016年5月28日
会場 スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(ミラノ)
UEFA選出最優秀選手 スペインの旗 セルヒオ・ラモス[1]
主審 イングランドの旗 マーク・クラッテンバーグ[2]
観客数 71,942人[3]
天気 曇り
気温:27℃
湿度:45%[4]
2015
2017
決勝戦が行われたスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ

レアル・マドリードが2大会ぶり11回目の優勝を果たし、UEFAヨーロッパリーグ 2015-16王者と対戦する2016 UEFAスーパーカップの出場権の他、UEFAサッカー連盟を代表して、2016年12月に日本で開催される2016 FIFAクラブワールドカップの出場権を獲得した。

試合前 編集

UEFAチャンピオンズリーグ及び前身のUEFAチャンピオンズカップの決勝で、同一協会に所属するチーム同士の決勝戦は今大会が6回目であり、スペイン勢同士の決勝戦は3回目となる。また、同じ街のチーム同士の対戦は今大会と同一カードの決勝戦となった2014年以来2回目で、同一カードの決勝戦となったのは今回が7回目である[5]

レアル・マドリードは、チャンピオンズカップ時代を含めて史上最多の14回目のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦であり、2014年の「ラ・デシマ(10回目の優勝)」以来11回目の優勝を目指す。また、監督であるジネディーヌ・ジダンは、レアル・マドリードでの選手時代の2002年に自らもゴールを決めて優勝を果たしており、今大会で優勝を果たせば選手と監督の両方で優勝を経験することになる。

一方、アトレティコ・マドリードはチャンピオンズカップ時代を含めて3回目の決勝進出である。1974年の決勝ではバイエルン・ミュンヘンに再試合の末敗れ、2014年はレアル・マドリードに延長戦の末力尽きた。他の欧州主要大会においては、UEFAカップウィナーズカップでは1962年に、UEFAヨーロッパリーグでは2010年2012年にそれぞれ優勝を経験しており、今大会で優勝を果たせば、チャンピオンズリーグ初優勝となるだけでなく、ユヴェントスアヤックスバイエルン・ミュンヘンチェルシーに続く欧州主要3大会で優勝を果たしたクラブとなる。

試合会場 編集

2014年9月18日にスイスニヨンで開催されたUEFA理事会で、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァが決勝戦の会場に決定された[6]。スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァでの決勝戦の開催は2001年以来となり、チャンピオンズカップ時代の1965年1970年も含めて4回目の開催となる。

このスタジアムは、1925年にACミランのホームスタジアムとして開設され、地区名から「サン・シーロ」と呼ばれた。その後、インテルもホームスタジアムとして使用するようになり、1980年に現在の名称に改称された。UEFA主催大会では8万人が収容可能であり、UEFA欧州選手権19801934 FIFAワールドカップ1990 FIFAワールドカップにおいても試合会場として使用された。

アンバサダー 編集

インテル2010年にチャンピオンズリーグ優勝を達成している元サッカーアルゼンチン代表ハビエル・サネッティが決勝戦の公式アンバサダーに任命された[7]

チケット販売 編集

全71,500枚のチケットのうち、46,000枚がファン・一般に対して販売される。決勝に進んだ2チームのファンにそれぞれ2万枚ずつ割り当てられ、残りの6000枚が一般の観客を対象に販売される。この一般チケットが2016年3月1日から3月14日まで販売された。チケットの販売価格は以下のとおり。なお、残りのチケットは地元の組織委員会、UEFA、各国サッカー協会、スポンサー、放送業者等に割り当てられる[8]

カテゴリー 販売価格
カテゴリー1 440ユーロ
カテゴリー2 320ユーロ
カテゴリー3 160ユーロ
カテゴリー4 70ユーロ
ユースパッケージ (カテゴリー2) 140ユーロ
車椅子席(カテゴリー4) 70ユーロ

オープニングセレモニー 編集

試合前に開催されるオープニングセレモニーに、アメリカ人歌手のアリシア・キーズが出演する[9]。また、2009年ローマでの決勝以来アンドレア・ボチェッリアンセムを披露した。

決勝戦までの道のり 編集

註: 以下のすべての結果は、決勝戦進出2クラブの得点を前に表示している。

  レアル・マドリード ラウンド   アトレティコ・マドリード
対戦相手 結果 グループリーグ 対戦相手 結果
  シャフタール・ドネツク 4 - 0 (H) 第1節   ガラタサライ 2 - 0 (A)
  マルメFF 2 - 0 (A) 第2節   ベンフィカ 1 - 2 (H)
  パリ・サンジェルマン 0 - 0 (A) 第3節   アスタナ 4 - 0 (H)
  パリ・サンジェルマン 1 - 0 (H) 第4節   アスタナ 0 - 0 (A)
  シャフタール・ドネツク 4 - 3 (A) 第5節   ガラタサライ 2 - 0 (H)
  マルメFF 8 - 0 (H) 第6節   ベンフィカ 2 - 1 (A)
グループA1位
チーム
  レアル・マドリード 6 5 1 0 19 3 +16 16
  パリSG 6 4 1 1 12 1 +11 13
  シャフタール 6 1 0 5 7 14 -7 3
  マルメFF 6 1 0 5 1 21 -20 3
最終結果 グループC1位
チーム
  アトレティコ 6 4 1 1 11 3 +8 13
  ベンフィカ 6 3 1 2 10 8 +2 10
  ガラタサライ 6 1 2 3 6 10 -4 5
  アスタナ 6 0 4 2 5 11 -6 4
対戦相手 結果 第1戦 第2戦 決勝トーナメント 対戦相手 結果 第1戦 第2戦
  ローマ 4 - 0 2 - 0 (A) 2 - 0 (H) ラウンド16   PSVアイントホーフェン 0 - 0 (7–8p) 0 - 0 (A) 0 - 0 (H)
  ヴォルフスブルク 3 - 2 0 - 2 (A) 3 - 0 (H) 準々決勝   バルセロナ 3 - 2 1 - 2 (A) 2 - 0 (H)
  マンチェスター・シティ 1 - 0 0 - 0 (A) 1 - 0 (H) 準決勝   バイエルン・ミュンヘン 2 - 2 (a) 1 - 0 (H) 1 - 2 (A)

試合 編集

概要 編集

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
GK 01   ケイロル・ナバス   47分
RB 15   ダニエル・カルバハル   11分   52分
CB 04   セルヒオ・ラモス     90+3分
CB 03   ペペ   112分
LB 12   マルセロ
RM 19   ルカ・モドリッチ
CM 14   カゼミーロ   79分
LM 08   トニ・クロース   72分
RF 11   ガレス・ベイル
CF 09   カリム・ベンゼマ   77分
LF 07   クリスティアーノ・ロナウド
控え
GK 13   キコ・カシージャ
DF 06   ナチョ
DF 23   ダニーロ   93分   52分
MF 10   ハメス・ロドリゲス
MF 18   ルーカス・バスケス   77分
MF 22   イスコ   72分
FW 20   ヘセ
監督
  ジネディーヌ・ジダン
 
GK 13   ヤン・オブラク
RB 20   フアンフラン
CB 15   ステファン・サヴィッチ
CB 02   ディエゴ・ゴディン
LB 03   フィリペ・ルイス   109分
RM 17   サウール
CM 14   ガビ     90+3分
CM 12   アウグスト・フェルナンデス   46分
LM 06   コケ   116分
SS 07   アントワーヌ・グリーズマン
CF 09   フェルナンド・トーレス   61分
控え
GK 01   ミゲル・アンヘル・モジャ
DF 19   リュカ・エルナンデス   109分
DF 24   ホセ・ヒメネス
MF 05   ティアゴ
MF 21   ヤニック・カラスコ   46分
MF 22   トーマス・パーテイ   116分
FW 16   アンヘル・コレア
監督
  ディエゴ・シメオネ

UEFA選出マン・オブ・ザ・マッチ
  セルヒオ・ラモス[1]
副審[2]:
  サイモン・ベック
  ジェイク・コリン
第4審判[2]:
  カッシャイ・ヴィクトル
追加副審[2]:
  アンソニー・テイラー
  アンドレ・マリナー
副審控え[2]:
  スチュアート・バート

試合ルール[10]

  • 試合時間は90分。
  • 90分終了後同点の場合、30分の延長戦が行われる。
  • 120分終了後同点の場合、PK戦で勝敗が決定される。
  • 控えは7名。
  • 最大3人まで交代可能。

試合展開 編集

前半

アトレティコのファーストシュートは5分、右サイドからサウールのクロスからコケが右足ボレーで狙ったがジャストミートしなかった。対してレアルは6分、ペナルティーエリア手前右でFKを獲得し、ガレス・ベイルが蹴ったボールにカリム・ベンゼマが合わせるが、GKオブラクのセーブに遭った。すると15分、レアルが今度は左サイドでFKを得ると、トニ・クロースの入れたボールをベイルが頭で逸らし、ゴール前でセルヒオ・ラモスが触ってゴールに押し込み、先制に成功した[11]。その後は追いかけるアトレティコがボールを持つが、34分にアントワーヌ・グリーズマンがミドルシュートを放った場面くらいしか決定機は無く、レアルが1-0でリードし前半を終えた。

後半

アトレティコは後半開始からヤニック・カラスコを投入。その50秒後、エリア内でぺぺフェルナンド・トーレスを後ろから倒し、アトレティコにPKが与えられる。これをグリーズマンが蹴るが、シュートはバーに弾かれPK失敗し、同点に追いつくことはできなかった。その後もカラスコを中心にアトレティコが押し込むが、中々ゴールを奪えない。逆にレアルは78分、ベイルがドリブルでエリア内に持っていき、こぼれたボールをクリスティアーノ・ロナウドがシュートするがオブラクがセーブ。こぼれ球を拾ったベイルが今度はオブラクをかわしてシュートを打つが、これはDFのブロックに阻まれた。直後の79分、アトレティコはフアンフランガビとのワンツーで右サイド深くに侵入しグラウンダーのクロス。これに走り込んだカラスコが合わせて同点に追いついた。その後は互いにゴールは生まれず、試合は1-1で延長戦に入る。

延長戦・PK戦

延長では互いに決定機が生まれず、GKを脅かすようなシュートはなかった。

PK戦はレアルが先攻。両チーム共3人目までは全員が成功させた。4人目、レアルはラモスがゴール右隅に決めたのに対してアトレティコのフアンフランのシュートは左ポストを直撃し失敗した。レアルの5人目であるロナウドがシュートをゴール右に決め、レアルが1-1からPK戦を5-3で制して2年ぶり11回目の優勝を達成した。

チーム別データ 編集

試合後 編集

レアル・マドリードPK戦の末、アトレティコ・マドリードに勝利して2大会ぶり11回目の優勝(ウン・デシマ)を達成し、自身が持つ大会最多優勝回数を更新した[13]。チャンピオンズリーグ改称後では5回目の優勝となり、昨シーズン4回目の優勝を達成して並んでいたバルセロナを再び引き離し単独首位に立った。表彰式では資格停止処分を受けているミシェル・プラティニUEFA会長に代わりアンヘル・マリア・ビジャールがビッグイヤーと優勝・準優勝メダルを授与することとなった。ジネディーヌ・ジダンは選手と監督の両方の立場でチャンピオンズリーグを制した(これは史上7人目である)。一方、敗れたアトレティコ・マドリードは、ユヴェントスバイエルン・ミュンヘンベンフィカに次ぎ、バルセロナと並ぶ3回目の準優勝を記録した。1度も優勝を経験することなく準優勝3回を記録するのは、チャンピオンズカップ時代を通しても初めてのこととなった[1]

日本におけるテレビ中継 編集

<ミラノ・スタディオ・ジュセッペ・メアッツァ>

<東京・フジテレビ>

脚注 編集

  1. ^ a b c マドリー、PK戦を制し戴冠”. UEFA.org (2016年5月28日). 2016年5月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 2016年UCL決勝の主審にクラッテンバーグ氏”. UEFA.com (2016年5月10日). 2016年5月11日閲覧。
  3. ^ a b Full Time Report Final - Real Madrid CF v Club Atlético de Madrid” (PDF). UEFA. Union of European Football Associations (2016年5月28日). 2016年5月29日閲覧。
  4. ^ Tactical Lineups – Final – Saturday 28 May 2016” (PDF). UEFA.org. Union of European Football Associations (2016年5月28日). 2016年5月29日閲覧。
  5. ^ 欧州頂上決戦で実現した同一カードの再現”. UEFA.org (2016年5月5日). 2016年5月11日閲覧。
  6. ^ 2016年UCL決勝の舞台はミラノに決定”. UEFA.org (2014年9月18日). 2016年5月4日閲覧。
  7. ^ サネッティ氏が選ぶドリームチーム5人”. UEFA.org (2015年11月6日). 2016年5月4日閲覧。
  8. ^ 2016年UCL決勝チケットが発売へ”. UEFA.org (2016年2月26日). 2016年5月4日閲覧。
  9. ^ UCL決勝セレモニーにA・キーズの出演が決定”. UEFA.org (2016年4月27日). 2016年5月14日閲覧。
  10. ^ Regulations of the UEFA Champions League 2015/16 Season” (PDF). UEFA.org. 2016年5月4日閲覧。
  11. ^ 後に2020年5月17日、この試合の主審を担当したマーク・クラッテンバーグが、このゴールはオフサイドだったことを認めた。当時はVARが導入されていなかったため、ノーゴールにならなかった[要出典]
  12. ^ a b c d Team Statistics - Final - Saturday 28 May 2016” (PDF). UEFA. Union of European Football Associations (2016年5月28日). 2016年5月29日閲覧。
  13. ^ クラブ別欧州チャンピオンズカップ/UCL優勝回数”. UEFA.org (2016年5月28日). 2016年5月29日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集