あいりん貯蓄組合(あいりんちょちくくみあい)とは大阪府大阪市西成区にある大阪市立更生相談所の環境改善事業として行われていた貯蓄のあっせん事業で、通称 あいりん銀行とも呼ばれる。

概要 編集

本組合はあいりん地区日雇い労働者が利用する金融機関として、かつての国民貯蓄組合法を根拠に設立された。1962年(昭和37年)10月から事業を開始したが、1963年(昭和38年)に法律が廃止されたため、現在はいわゆる金融機関としての資格を有していない。現在は預金を更生相談所長名義で別の金融機関に一括で預金して一括管理している。

厳密な本人確認を行わなくても口座を開設できたり、営業時間が遅い時間帯に設定されているなど日雇い労働者にとって利便性に長けていた。しかし預金高はピークだった1991年の約11億5,000万円から2008年3月には約7億9000万円に減少、利用件数も約84000件(1991年度)から約19700件(2007年度)に激減たため、大阪市は「見直しの時期を迎えた」として解散を検討し、2012年(平成24年)3月末をもって貯蓄事業は廃止となった。その後は精算業務として預金者への払い戻しのみ継続されたが、2022年(令和4年)3月31日をもって終了した。[1]

脚注 編集

  1. ^ あいりん貯蓄組合精算業務終了のお知らせ”. 大阪市. 2021年11月16日閲覧。

外部リンク 編集