ひとよ、汝がつみの

受難コラール

ひとよ、汝がつみの(ひとよながつみの、O Mensch, bewein dein Sünde groß)は有名な受難コラールの一つである。

歌詞は1530年に、ニュルンベルク聖セバルドゥス教会カントルであり、付属学校の校長であったゼーバルト・ハイデンによって作詞された。もとは福音書の受難物語を網羅するため23番までの歌詞を有する長編詩である。

旋律は1525年に、ストラスブール大聖堂カントルだったマティアス・グライターにより作曲され、ウォルフガング・ケッペル(カピト)編のストラスブールの聖歌集に、詩篇119篇のドイツ語詩篇歌として現れたのが最初である。その後、ハイデンの歌詞の旋律として、1537年ストラスブールの聖歌集に、1540年コンスタンツ(出版はチューリッヒ)の聖歌集に収録された。ストラスブールの聖歌集は歌詞のみの掲載ながら、冒頭にこの曲を含む3種類の旋律の指示が記されており、1557年のプファルツ選帝侯領ノイブルク・アン・デア・ドナウの聖歌集において、この曲の楽譜と一緒に掲載された。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ4声コラール集BWV 402、コラール前奏曲BWV622「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」とマタイ受難曲に用いている。 同じ旋律で歌われた歌詞には、1539年ストラスブールで出版されたフランス語の詩篇歌36:Du méchant le train déréglé、1647年パウル・ゲルハルトが改編したO Mensch beweine deine Sünd、1706年のフライリングハウゼン讃美歌集ではAch lieber mensch, erkenne rechtでも知られる。

所収 編集

  • 讃美歌第二編99番「ひとよ、汝がつみの」(深津文雄訳詩) 

参考文献 編集

  • 「讃美歌第二編略解」

関連項目 編集