アセチレンジカルボン酸

アセチレンジカルボン酸(Acetylenedicarboxylic acid)は、C4H2O4またはHO2C-C≡C-CO2Hの化学式を持つジカルボン酸である。ジエチルエーテルに可溶な結晶性の固体である。

アセチレンジカルボン酸[1]
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識別情報
CAS登録番号 142-45-0 チェック
PubChem 371
ChemSpider 362 チェック
KEGG C03248 チェック
ChEBI
特性
化学式 C4H2O4
モル質量 114.06 g mol−1
外観 Crystalline solid
融点

175–176 °C (dec.)[2]
180–187 °C (dec.)[1]

危険性
Rフレーズ R25 R36/37/38
Sフレーズ S26 S45
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2つのプロトンを脱離して、炭素原子と酸素原子のみから構成されるアセチレンジカルボン酸ジアニオンC4O42-となる。部分的なイオン化では、一価の水素化アセチレンジカルボン酸アニオンHC4O4-が得られる。

アセチレンジカルボン酸は、1877年にポーランド人の化学者アーネスト・バンドロフスキーによって初めて記述された[2][3][4]メタノールまたはエタノール中で、α,β-ジブロモコハク酸水酸化カリウムで処理することによって、臭化カリウムアセチレンジカルボン酸カリウムが生成する[2]

アセチレンジカルボン酸は、実験室で使う試薬として重要なアセチレンジカルボン酸ジメチルの合成に用いられる。酸の形でも一塩基塩の水素化アセチレンジカルボン酸カリウムKC4HO4の形でも商業的に販売されている。

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ a b Acetylenedicarboxylic acid at Sigma-Aldrich
  2. ^ a b c Abbott, T. W.; Arnold, R. T.; Thompson, R. B. "Acetylenedicarboxylic acid". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 2, p. 10
  3. ^ Bandrowski, E. (1877). “Ueber Acetylendicarbonsäure”. Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft 10: 838. doi:10.1002/cber.187701001231. 
  4. ^ E. Bandrowski (1879). “Weitere Beiträge zur Kenntniss der Acetylendicarbonsäure”. Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft 12 (2): 2212–2216. doi:10.1002/cber.187901202261.