アトミックチェス

チェスの変則ルールの一つ
アトミック・チェスから転送)

アトミックチェス(Atomic chess、以下アトミック)は、チェスの変則ルールの一つ。"atomic"とは、英語で原子という意味である。

歴史 編集

1995年、ドイツのインターネットチェスサーバー(GICS)が、ユーザーの1人が収集したルールに基づいてゲームを導入。その後、2000年にChess Live英語版そしてInternet Chess Club英語版、2003年にFree Internet Chess Server、2015年にLichess、2020年後半にChess.com…など、多くのチェスサーバーに実装されている。(英語版Atomic chessより引用)

指し進め方・規則 編集

それぞれの駒の動きは通常と全く同じだが、テイク(後の盤面の変化)、ならびに勝利条件に大きな違いがある。

 
これが本当の対局であれば、白の大逆転勝ちである。(画像はlichessより)

テイク関連 編集

通常ではテイクされた駒"のみ"が盤面から取り除かれるが、アトミックでは、(1) テイクされた駒に加え、(2) テイクした駒(3) テイクされた駒の周囲1マスにあるポーン以外の駒、以上がすべて除かれる(右図参照)。

そのため、キングは他の駒を取ることができない。また、左記の影響により、キング同士が隣接することも可能である。

勝利条件 編集

アトミックには二つの勝利条件があり、それぞれチェックメイトバリアントエンディングである。


チェックメイト 編集

通常のチェス同様、チェックしている状態でその攻撃をキングが逃れられない場合をチェックメイトという。ただし、攻撃を避けようとしてキングを失ってしまう手は指せないため、右図のような状態でもチェックメイトである(むしろ、通常のチェスのチェックメイトの形は出てこないに等しい)。

バリアントエンディング 編集

1枚目の画像のような、キングの周囲1マスにあるいずれかの駒が取られた影響でキングが盤面から外されることを、バリアントエンディングという。なお、その手を指せばキングがすぐに盤から取り除かれるため、速さの関係で、チェックされている状態でもそれを無視してバリアントエンディングで終局させることができる。