アドバンスト・プレイスメント

アドバンスト・プレイスメント (AP: Advanced Placement) [1] とは、 APプログラム (AP Program) とも呼ばれているが、 高校生に大学の初級レベルのカリキュラムと試験を提供する、いわゆる高大接続の北米版に当たる早期履修プログラムであり、 アメリカ合衆国の非営利団体 カレッジボード (College Board) により1955年から運営されている。

ここで注意しなければならない点は、米国内において 「Advanced Placement」 という名称は、「SAT」 と同じく、 カレッジボードにより商標登録[2]されている教育サービスに付けられた固有の商標であって、決して、このような早期履修制度全般を表す言葉ではない、ということである。

因みに 高校生が大学レベルのコースを先取り学習する早期履修制度については、北米では一般的に、 「Dual enrollment (DE)」 もしくは 「Concurrent enrollment」 と呼ばれている。

本項では、あくまでも、カレッジボードが提供している教育サービスである「アドバンスト・プレイスメント」 について記述している。

概要編集

APプログラムは、学習への高い意欲を示す高校生を対象とした高度な教育プログラムとして国際バカロレア(International Baccalaureate、略称: IB)と共に世界的に認知されている。

APプログラムを採用する高校は年々増え、2017年度[3]は約2万2千校、274万人の高校生が履修している。38のコースの中には「AP Japanese Language and Culture」という日本語と日本の文化 についてのコースもあるが、2017年度では最も少ない受講生徒数となっている。

APプログラムの受講者にとってのメリットとして、

  • アドミッション(大学入学判定)に有利になること
  • 大学入学後のプレイスメント(コース選択)で高いレベルからスタートできること
  • 大学のクレジット(単位)として認定され、卒業単位に組み込めること

などが挙げられる。ただし、その評価や認定基準は、それぞれの大学によってバラツキがある[4]

コース編集

APプログラムでは、英語教科として 読解・作文、 数学教科の 微積分統計学、 歴史教科では 世界史米国史 など、 全部で38のコースが用意されている。[5]

  • AP Art History
  • AP Biology
  • AP Calculus AB
  • AP Calculus BC
  • AP Chemistry
  • AP Chinese Language and Culture
  • AP Computer Science A
  • AP Computer Science Principles
  • AP English Language and Composition
  • AP English Literature and Composition
  • AP Environmental Science
  • AP European History
  • AP French Language and Culture
  • AP German Language and Culture
  • AP Government and Politics: Comparative
  • AP Government and Politics: United States
  • AP Human Geography
  • AP Italian Language and Culture
  • AP Japanese Language and Culture
  • AP Latin
  • AP Macroeconomics
  • AP Microeconomics
  • AP Music Theory
  • AP Physics 1
  • AP Physics 2
  • AP Physics C: Electricity and Magnetism
  • AP Physics C: Mechanics
  • AP Psychology
  • AP Research (APキャップストーン 第2段階コース)
  • AP Seminar (APキャップストーン 第1段階コース)
  • AP Statistics
  • AP Spanish Language and Culture
  • AP Spanish Literature and Culture
  • AP Studio Art: 2-D Design
  • AP Studio Art: 3-D Design
  • AP Studio Art: Drawing
  • AP United States History
  • AP World History


スコア編集

AP(アドバンスト・プレイスメント)コース履修者は 5月初旬に APテストを受け、 評価:5 から 評価:1 までの 5段階(評価:5が最高)で評価される。[6]

  • 5 = extremely well qualified
  • 4 = well qualified
  • 3 = qualified
  • 2 = possibly qualified
  • 1 = no recommendation

APテストの結果が 評価:3 以上の場合、単位として認定される可能性があるが、学力評価を重視する大学では 評価:4 以上を要求する場合が多く、中には 評価:5 以外の成績は単位として認めない大学もある。

APキャップストーン編集

カレッジボード は、2014年秋から APキャップストーン (AP Capstone) [7] と呼ばれる新たなディプロマ・プログラムを開始した。 この APキャップストーン のディプロマを取得するためには、APセミナー と APリサーチ の 2つのコースが必修となっているが、それに関しては、APセミナー と APリサーチ を同学年で履修することはできないこと、APセミナー は APリサーチ よりも 先に履修すること が定められている。 さらに、これら2コースに加えて別に4つのAPコースを履修する必要がある。

米国外での評価編集

APプログラムは、アメリカの大学だけではなく、ヨーロッパの大学からも評価されている。例えば、アメリカからイギリスやオランダの大学のような3年で卒業できる大学に留学するには、アメリカの大学レベルの一般教養をある程度学んでいることが受験資格となっているため、高校卒業後すぐに進学することは難しい。しかし、APプログラムの3つのコースで 評価:3 以上の成績を収めると、高卒でも受験資格を得られる。つまり、ヨーロッパの大学において、IBディプロマに準ずる評価をAPコースでも得られることになる。

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集