ウィリアム・シュワード・バロース1世

ウィリアム・シュワード・バロース1世[注釈 1] (William Seward Burroughs I、1857年1月28日 - 1898年9月14日)は、アメリカ合衆国の発明家で、コンピュータメーカー・バロースの創業者である。

ウィリアム・S・バロース
初期のバロース加算器
"calculating machine"の特許(Patent no. 388,116)

生涯と業績 編集

私生活 編集

バロースは1857年1月28日ニューヨーク州ロチェスターで工員の子として生まれ[1][2]、子供の頃から機械に触れていた。彼が幼いときに一家はニューヨーク州オーバーンに移り、彼とその兄弟はそこの公立学校で教育を受けた。

彼は1879年にアイダ・セロバー(Ida Selover)と結婚し、2男2女を儲けた。この内のモーティマーの子が、小説家のウィリアム・S・バロウズ(ウィリアム・シュワード・バロース2世)である[1]

発明家 編集

1882年に彼は銀行の行員として働き始めた。勤務時間の大半が預金の元帳の確認だった[1]。その頃から、バロースは加算機英語版を作成して問題を解決することに興味を持ち始めた。銀行には初期の加算器が既に存在していたが、経験の浅い行員が操作すると、誤った、時にはとんでもない答えを出してしまうことがあった。事務員の仕事はバロースが希望するものではなかった。彼は機械いじりに対する自然な愛と才能を持っており、彼にとって事務としての生活は退屈で単調なものだった。銀行での7年間で彼は健康を損ない、退職を余儀なくされた。

1880年代の初め(1880-1882年)に、バロースは医師から温暖な気候の地域に移るよう勧められてミズーリ州セントルイスに移り、 発明家ジョセフ・ボイヤー英語版のボイヤーマシン社で職を得た。新しい環境は、彼にとって魅力的で、彼が心に抱いていたアイデアを実現するのを早めることとなった。ボイヤーマシン社の工具により、彼は加算器の最初の概念を具体的な形にする機会を得た。

ここで彼は、事務作業の単調さを緩和するために設計された"calculating machine"(計算機)を発明した(1885年に特許出願)。1890年までに、この機械は銀行業界で有名になり、採用が広まった[3][4]

彼は1886年にアメリカン・アリスモメータ・カンパニー(American Arithmometer Company)を設立した。彼の死後の1904年、パートナーのジョセフ・ボイヤーは、社名をバロース・アッシング・マシン・カンパニー(Burroughs Adding Machine Company)に改称した。同社は1953年にバロースとなり、1986年にスペリーを買収・合併してユニシスとなった。

彼は死の直前にフランクリン研究所英語版からジョン・スコット賞を授与された[1]。死後、全米発明家殿堂に殿堂入りした[2]

バロースは、1892年に電気目覚まし時計の特許も取得した[5]

彼はアラバマ州モービル郡シトロネル英語版で死去し[2][6]、ミズーリ州セントルイスのベルフォンテーヌ墓地に埋葬された。

特許 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 本項目では日本ユニシスのサイトの表記に従って「バロース」と表記している。

出典 編集

  1. ^ a b c d Case Files: William S. Burroughs” (英語). The Franklin Institute (2016年4月27日). 2019年6月30日閲覧。
  2. ^ a b c d William Seward Burroughs | The National Inventors Hall of Fame” (英語). www.invent.org. 2019年6月30日閲覧。
  3. ^ “Items of Interest” (英語). http://www.newspapers.com/clip/33387300/items_of_interest/ 2019年6月30日閲覧。 
  4. ^ MISSING LINKS” (英語). Newspapers.com. 2019年6月30日閲覧。
  5. ^ a b Patents and Trade-marks: Issued to Southwestern Inventors During the Past Week” (英語). Newspapers.com. 2019年6月30日閲覧。
  6. ^ “With the Courts” (英語). http://www.newspapers.com/clip/33386886/with_the_courts/ 2019年6月30日閲覧。 
  7. ^ “Western Inventors: List of Patents Recently Granted to Western Men” (英語). http://www.newspapers.com/clip/33387227/western_inventors_list_of_patents/ 2019年6月30日閲覧。 

外部リンク 編集