クピードーCupido)は、ローマ神話日本語では長母音を省略してクピドとも表記される。アモール(Amor)とも呼ばれる。日本では、英語読みのキューピッドen:Cupid)やキューピットで知られる。

クピードーウィリアム・アドルフ・ブグロー、1875

ギリシア神話エロースと同一視されるが姿は異なり、恋の矢(クピドの矢)を撃つ気紛れな幼児として描かれることが多い。人々の恋愛成就の助けになることを「恋のキューピッド」ともいう。

サンドロ・ボッティチェッリの『』の中で画面の上の方から目隠しをしながら三美神の中の「慎み」(castitas)を狙っているのがクピードーである。


語源 編集

ラテン語で「情熱的な欲望」を表すクピードー(Cupīdō)は、ラテン語で「欲望」を表すcupiōcupiere、またはイタリック祖語で「欲望」を表す *kupi*kupei、さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語 で「震える、欲望する」を表す、*kup(e)i から由来している[1]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ de Vaan 2008, p. 155.

参考文献 編集

  • ミヒル・デ・ファン (2008) (英語). Etymological Dictionary of Latin and the other Italic Languages. Brill. ISBN 9789004167971. https://books.google.com/books?id=ecZ1DwAAQBAJ