グータ
グータ (アラビア語: غوطة دمشق /ラテン文字表記: Ghūṭat Dimashq)は、シリアの首都ダマスカスの東~南を囲む郊外地域。
歴史
編集かつてバラダ川沿いのオアシス都市だった。 多くの運河が掘られ、グータは東と南に拡大した[1]。 グータはダマスカスとシリア砂漠を隔てる緩衝地帯で、都市に穀物や野菜、果物を供給した[2] ダマスカス周辺の灌漑農地は370km2に達した。
シリア内戦の前には約200万人が暮らしていたが[4]、2017年には約40万人まで減少した[5]。
シリア内戦
編集→「グータ化学攻撃」も参照
2011年3月にシリア内戦が始まると、東グータの住民の一部は大統領バッシャール・アル=アサドに抗議した。
2012年11月、反政府軍に加わった彼らは政府軍をグータから追放した。
2013年2月、反政府軍はダマスカスの外環道とジョバル地区を獲得した[6]。5月、イランとヒズボラの支援を受けた政府軍が反撃に転じ、東グータの包囲を始めた。
2017年中盤時点で、この地域の主要反政府軍はドゥーマーを拠点とするイスラム軍だった。 イスラム軍のこの地域の戦力は翌年序盤で推計1~1.5万人だった[7] 次がアル・ラフマン軍団で、自由シリア軍と同盟を結んで中央~西グータを統治していた。 他にもシャーム自由人イスラム運動やタハリール・アル=シャーム等の小勢力も存在した[8][9]。2018年2月、政府軍は地上侵攻を行い、1000人以上の住民を虐殺している。
4月、最後の拠点ドゥーマが陥落し、反体制派は東グータから撤退した[10]。
脚注
編集- ^ “Damascus - Landscape - City site”. Encyclopædia Britannica. 21 May 2015閲覧。
- ^ Al Zoughbi, Samira (2005年). “An Analysis of Agriculture-Environment Interactions and Policy Options for Sustainable Agriculture in Eastern Al Ghouta (Syria)”. Food and Agriculture Organization of the United Nations. pp. 31. 17 February 2016閲覧。
- ^ Collelo, Thomas, ed (1988). “Land, Water, and Climate”. Syria: a country study. Federal Research Division, Library of Congress. LCCN 87-600488
- ^ Alsaafin, Linah (6 February 2015). “Syria’s Eastern Ghouta: the latest casualty of war”. Middle East Eye 18 February 2016閲覧。
- ^ Almohibany, Amer (22 October 2017). “In Syria region under regime siege, children die of hunger”. France 24 23 October 2017閲覧。
- ^ “Damascus on Edge as War Seeps into Syrian Capital”. New York Times. (10 February 2013)
- ^ Which rebel groups are fighting in Syria's eastern Ghouta?, Deutsche Welle, 20.02.2018
- ^ Explainer: Who's fighting whom in Syria's Ghouta?, BBC Monitoring, 22 February 2018
- ^ Wisam Franjieh In Besieged Eastern Ghouta, Rebel Infighting Increases Civilian Suffering, Syria Deeply, Aug. 1, 2017
- ^ 東グータから反体制派完全撤退 シリア政府軍が「浄化」宣言(2018年6月4日閲覧)
外部リンク
編集- “Damascus, Syria : Image of the Day”. NASA. 2013年6月26日閲覧。 Satellite image of wider region showing 2013 green areas.