コチャリ(アルメニア語: Քոչարի‎, ラテン文字転写: Kochari)はアルメニアの民俗舞踊の一つで[1]クルド人の民俗舞踊(クルド語: Govend, Helperkê, Shayî; هه‌ڵپه‌ركێ, شایی) と類似の踊りである。

コチャリ(伝統的な集団での踊り)
Kochari - Armenian folk dance.png
コチャリを踊るアルメニア人の若者
アルメニア
種類 芸能、社会的慣習・儀式及び祭礼行事
参照 01295
地域 ENA(Europe and North America)
登録史
登録年 2017 (第12回)
一覧 代表一覧表
ヤリ(コチャリ、テンゼレ)(ナヒチェヴァン自治共和国の伝統的な集団での踊り)
アゼルバイジャン
種類 口承による伝統及び表現、芸能、社会的慣習・儀式及び祭礼行事
参照 01190
地域 APA(Asia and the Pacific)
登録史
登録年 2018 (第13回)
一覧 危機一覧表

アルメニア高原の各地域には、踊りと音楽の両面でそれぞれ独自性を持ったコチャリがあり[2]、更にはアゼルバイジャン人の民俗舞踊のYalliアッシリア人の民俗舞踊のKhiggaクルド人の民俗舞踊のDilan(Halay)[3]ポントス人ホロン、それぞれにおいて、様式が異なるコチャリと呼ばれる踊りがある[3]

語源編集

派生編集

音楽民族学者で文化人類学者のジョン・ブラッキング は、コチャリ について以下の様に記している。

山羊の跳躍を模倣する集団の踊りは、コチャリとして知られている。踊り手は互いの手を握って横に並んで立っている。踊りの曲のテンポは中程度から速くなっていく。しゃがみこんだり、想像上の対戦相手を突いたりした後に、高い跳躍へと続く。[6]

アルメニア人編集

 
アルメニアのコチャリの一節

アルメニア人は1000年以上にわたり、コチャリ を踊り継いできた[7]。踊りは/のリズムで、閉じた輪で互いに肩を組んで踊る。 男女ともが踊り、威圧感を表現する。現代的なコチャリでは全身を震わす動作を含むトレモロなステップが追加されており、アルメニア人虐殺以降にアルメニア東部に広まった。

アゼルバイジャン人編集

アゼルバイジャンではYalliとして知られている広い範囲で踊られている踊りの一つであり、特にナヒチェヴァン自治共和国とその周辺地域で踊られている。コチャリの踊りにはゆっくりとした部分と速い部分があり、3つの派生がある。踊りの列には男女が次々と並ぶか、或いは男性一人づつの後に女性一人づつが並び、先頭の踊り手は手に棒を握る。 このスティックは踊り手を罰するためのものではないが、実際には踊りにおいて重要である[8]

現在では、古代からのナヒチェヴァン自治共和国の土地であるシャルール英語版サダラク地域英語版カンガルリ地域英語版ジュルファ英語版シャフブズ地域英語版辺りの民俗の正当性を受け継ぐ踊りが踊られており、結婚式を盛り上げる役割を果たしている[8]

コチャリテンゼレ("tenzere") と共に、ヤリ("Yalli") との総称で、2018年11月にユネスコにより「緊急に保護する必要がある無形文化遺産」として代表リストに登録されている[9][10]

クルド人の Koçerî編集

クルド人において、コチャリ(クルド語: Koçerî)は民俗舞踊の"Dilan"(或いは、"Delîlo"、または "Şêxan")の中の一つの特別な様式で、その単語はクルド語で(一人の)「遊牧民」の意味であり、文字通りクルド人遊牧民にはとても一般的なもので、頻繁に踊られている。但し、クルド人遊牧民にとっては「専門」の踊りではあるが、唯一の踊りではない[要出典]

ポントス人の Κότσαρι編集

ポントス人アルメニア人コチャリの様な、戦いを模した激しい踊りを数多く持っている[11]。 殆どのポントス人の踊り英語版と異なり、コチャリ'は均等なリズムの/で踊り、元々は閉じた円を作って踊っていた。 今日でもこの踊りはとても人気があるが、本来の踊りと異なっていることが多い。一定の激しい二重の振動を伴い、"tremoulo" として言及されることがある。踊りでは肩を組み、右へ進む。踊りのバリエーションはほとんどない。

参考資料編集

注釈と出典編集

  1. ^ Yuzefovich, Victor (1985). Aram Khachaturyan. New York: Sphinx Press. p. 217. ISBN 9780823686582. "そして6番目のシーンでは、剣闘士の踊りの1つがアルメニアの民俗舞踊のコチャリを彷彿とさせる。" 
  2. ^ (Armenian) Soviet Armenian Encyclopedia Volume 4. Yerevan: Armenian Encyclopedia Publishing. (1978) 
  3. ^ a b Gottlieb, Robert (1998年7月26日). “Astaire to Zopy-Zopy”. ニューヨーク・タイムズ. https://www.nytimes.com/1998/07/26/books/astaire-to-zopy-zopy.html 2013年11月6日閲覧. "アゼルバイジャンの民俗舞踊のような問題については、素養がないものにとって、オックスフォードの何百ページものその様な情報を通じて効果的に閲覧してイメージを得ることは難しいと思う( 一つの yally という踊りはkochari、uchayag、tello、そして galadangalayaとしても知られているし、別の踊りでは、gazy-gazy, zopy-zopy, chopu-chopu、と呼ばれる遊戯と融合している)。" 
  4. ^ Koçer” (Swedish). Swedish Language Council. 2013年11月6日閲覧。
  5. ^ "nomad"と"nomadian" の違いについては、[1]を参照, 2018年12月28日閲覧
  6. ^ Blacking, John (1979). The Performing Arts: Music and Dance. pp. 71. https://books.google.com/books?id=QKs16WBAaiIC&dq=kochari+dance&lr=&source=gbs_navlinks_s 
  7. ^ Kochari // Music encyclopedic dictionary / Yu.V. Keldysh, M.G. Aranovsky, L.Z. Korabelnikova — Great Soviet Encyclopedia, 1990. — p. 275.
  8. ^ a b The National Dancings”. Nakhchivan Autonomous Republic. 2013年11月6日閲覧。
  9. ^ Intangible Heritage: Seven elements inscribed on the List in Need of Urgent Safeguarding” (英語). UNESCO. 2018年11月29日閲覧。
  10. ^ Yalli (Kochari, Tenzere), traditional group dances of Nakhchivan - intangible heritage - Culture Sector - UNESCO” (英語). ich.unesco.org. 2018年11月29日閲覧。
  11. ^ Greece - Page 67 by Paul Hellander, Kate Armstrong, Michael Clark, Des Hannigan, Victoria Kyriakopoulos, Miriam Raphael, Andrew Ston

関連項目編集

外部リンク編集