サイフォスまたはクシフォスギリシア語: ξίφος[1]英語: Xiphos)は、古代ギリシア

再現されたサイフォス

ホメーロスが『イーリアス』に記した剣の一つである[2]ハインリヒ・シュリーマンの発掘により、ミケーネ文明コピス、ファスガノン(Phasganon)と共に使用されていたと考えられるようになった[2]

ヘレニズム時代初期にはマケドニアエペイロスen:Epirus、現在のイピロス)、ギリシアにて用いられていたと考えられている[3]。他に同時期のトラキアでも出土例がある[3]。用語としてのサイフォスはローマ時代に入っても用いられ、スパタの様な幅広の剣に対して、直剣を指す語となっていた[2]。現在のギリシア語では、刀剣を指す語となっている[4]

まっすぐ伸びた長い両刃の刀身は、切断・刺突の両方が可能であり、の代わりとなる棒状のクロスガードは鞘と同様に装飾されることもあった[2]。ヘレニズム時代、小刀類と比べると高価な武器のため貴族階級に用いられ、柄や柄頭は骨あるいは象牙からなる装飾されたものもあった[3]。鐺(こじり、鞘の先端)は球状であった[2]

出典 編集

  1. ^ Henry George Liddell、Robert Scott. “ξίφος”. A Greek-English Lexicon. ペルセウス電子図書館. 2016年11月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e リチャード・フランシス・バートン (1884). The Book of the Sword. Chatto and Windus. pp. 222-223, 234-235 
  3. ^ a b c Emil Nankov (2007). “AN IVORY SCABBARD CHAPE FROM SEUTHOPOLIS REDISCOVERED: EVIDENCE FOR A XIPHOS FROM EARLY HELLENISTIC THRACE?”. Archaeologia Bulgarica (Archaeologia Bulgarica) XI (1): 37-46. ISSN 1310-9537. http://www.academia.edu/424816/AN_IVORY_SCABBARD_CHAPE_FROM_SEUTHOPOLIS_REDISCOVERED_EVIDENCE_FOR_A_XIPHOS_FROM_EARLY_HELLENISTIC_THRACE 2016年11月20日閲覧。. 
  4. ^ S. C. WOODHOUSE (1910). Woodhouse's English-Greek Dictionary. George Routledge & Sons. p. 849. https://www.lib.uchicago.edu/efts/Woodhouse/ 2016年11月20日閲覧。