シネマヴェーラ渋谷(シネマヴェーラしぶや)は、東京都渋谷区にある映画館[1]。主に旧作を上映する名画座である[1]内藤篤が館主[2]、妻の由美子が支配人を務めている[3]

シネマヴェーラ渋谷
Cinemavera Shibuya
シネマヴェーラ渋谷が入居するKINOHAUS
情報
開館 2006年1月14日
客席数 142
用途 映画上映
所在地 150-0044
東京都渋谷区円山町1丁目5
KINOHAUS 4F
最寄駅 渋谷駅 ハチ公口 徒歩10分
外部リンク www.cinemavera.com
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歴史 編集

ユーロスペースの代表取締役である堀越謙三と知り合いだった内藤篤が、堀越の自社ビル計画に加わることにより、映画館の開館に向けて動き始めた[4]。内藤の本職は弁護士であり、エンターテインメント関係の法務などを担当している[5]。「同じビルに入っているユーロスペースのオーナーとは昔から親しく、ある時、僕が一つのスクリーン、ユーロスペースが二つのスクリーンを持って同じビルで映画館を開かないかと持ちかけたら、良い返事が戻ってきたんです。そして最終的には、やはり同じビルに入っているQ-AXシネマとも連合して開設に踏み切ることになりました」と回顧している[6]

映画館を開館した理由について、内藤は、1990年代から2000年代にかけて名画座が減少したことに対して「個人的な危機感が募った」ことを挙げている[7]。また、闘病生活を送った経験を持ち、「そうやって一度拾った人生なんだから、あとは好きなことをやろうみたいなものがありました」とも述べている[7]

館名の「シネマヴェーラ」は造語であり、イタリア語などで「春」を意味する「プリマヴェーラ (Primavera)」に由来している[8]

2006年1月14日にオープンした[9]。こけら落としは「北野武/ビートたけし レトロスペクティヴ」特集上映だった[7]

オープン当時は、内藤篤がプログラム編成を担当して、彼の知人が支配人を務めていた[4]。妻の内藤由美子は主婦であったが、子育てと親の介護が一段落した後[10]、チラシの作成、人事、経理、プログラム編成などを担当するようになり、やがて支配人に就任した[4]。夫妻は「全ジャンルに貴賎なし」をモットーに掲げている[10]

元々は日本映画を上映していたが、外国映画を上映することが少しずつ増えていった[11]。2008年より、不定期に「映画史上の名作」特集上映が開催されている[2]

同じ建物内に入居しているユーロスペースは、別の映画館であるが、両館共通の会員制度を採用している[12]

脚注 編集

  1. ^ a b 【映画を待つ間に読んだ、映画の本】 第26回『円山町瀬戸際日誌/名画座シネマヴェーラ渋谷の10年』〜名画座の経営は、「解せぬ!!」ことの連続なのだ。”. BOOKSTAND (2016年1月23日). 2023年6月28日閲覧。
  2. ^ a b F・ラング、O・ウェルズなど"映画史上の名作"30本を集めた特集上映”. 映画ナタリー (2015年12月14日). 2023年6月28日閲覧。
  3. ^ 連載「女ひとり、名画座行ってきます。」【シネマヴェーラ渋谷の巻/前編】”. CINEMA CLASSICS (2017年4月28日). 2023年6月29日閲覧。
  4. ^ a b c 女たちとスクリーン6 シネマヴェーラ渋谷 名画座は宝箱です”. ひとシネマ (2022年5月3日). 2023年6月28日閲覧。
  5. ^ 渋谷に「名画座シネマヴェーラ」開いて10年… 内藤篤さんに聞いた「瀬戸際」の日々 (2/2)”. 産経新聞 (2016年3月6日). 2023年6月28日閲覧。
  6. ^ KEY PERSON - 内藤篤さん(シネマヴェーラ渋谷館主)”. 渋谷文化プロジェクト. 2023年6月28日閲覧。
  7. ^ a b c 「映画には過去も現在もない」シネマヴェーラ渋谷館主が明かす、名画座経営10年の信念 (1/3)”. リアルサウンド映画部 (2015年12月16日). 2023年6月28日閲覧。
  8. ^ 【世界の映画館】映画好きの夫妻が手探りでオープンした渋谷唯一の名画座「シネマヴェーラ渋谷」”. 映画.com (2022年8月6日). 2023年6月28日閲覧。
  9. ^ 女たちとスクリーン7 シネマヴェーラ渋谷「毎日フル稼働中です」”. ひとシネマ (2022年5月19日). 2023年6月28日閲覧。
  10. ^ a b 観たいものを自由に!意表をつくディープな特集上映 渋谷の名画座とは ラジカル鈴木の味わい名画座探訪記”. シネマトゥデイ (2017年5月7日). 2023年6月28日閲覧。
  11. ^ 開館10周年!映画好きの夫妻がはじめた手作りの名画座「シネマヴェーラ渋谷」”. CINEMAS+ (2016年4月11日). 2023年6月28日閲覧。
  12. ^ 連載「女ひとり、名画座行ってきます。」【ユーロスペースの巻/前編】”. CINEMA CLASSICS (2016年9月21日). 2023年6月28日閲覧。

関連文献 編集

  • 内藤篤『円山町瀬戸際日誌 名画座シネマヴェーラ渋谷の10年』羽鳥書店、2015年。ISBN 9784904702598 

外部リンク 編集