シャイバーニー( ابو عبد الله محمد الحسن الشيباني Abū ‘Abd Allāh Muḥammad ibn al-Ḥasan al-Shaybānī、749年 - 805年)はイスラームスンナ派ハナフィー学派法学者。ハナフィー学派の三大学祖のひとりとされ、イスラームのグロティウスとも称される。

人物

編集

シャイバーニーはイラクに生まれ、クーファアブー・ハニーファアブー・ユースフに法学を学んだ。時期は不明であるが、マーリク学派の祖であるマーリク・イブン=アナスに師事したこともあるという。彼はハナフィー派法学の実定法的側面を完成させたほか、イスラーム国際法(スィヤル)についての理論的考察も行なっており、イスラームのグロティウスという異称はそれに基づく。またハナフィー派法学の最大の特色とされるヒヤル(合法的行為の蓄積により、本来不法と見なされうる行為を行なう方法)についての論著も残している。

彼の弟子のなかには、シャーフィイー学派の創始者であるシャーフィイーがいる。またシャイバーニーはホラーサーン滞在時に多くの弟子を育成した。これはハナフィー学派が中央アジア方面へ広まる機縁となった。

主要論著

編集
  • 『大集成』(al-Jāmi‘ al-Kabīr:『基本の書』を中心とする学説集)
  • 『小集成』(al-Jāmi‘ al-Ṣaghīr)
  • 『補記』
  • 『大スィヤル』(Kitāb al-Siyar al-Kabīr)
  • 『小スィヤル』(Kitāb al-Siyar al-Ṣaghīr)
  • 『メディナの学徒への反証の書』

関連項目

編集