ストームトルーパー (スター・ウォーズ)

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ストームトルーパーStormtrooper)は、アメリカSF映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する銀河帝国軍の機動歩兵ダース・ベイダーヨーダR2-D2C-3POなどと並ぶシリーズのシンボル的なキャラクターである。

ストームトルーパー

一般的には同タイプの装甲服や武装を装備した帝国軍の歩兵全体を指して「ストームトルーパー」と呼称することが多いが、厳密には各戦局に応じた様々な派生部隊に分類されている。

概要編集

元は『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』に登場する“銀河一の賞金稼ぎ”と言われた「ジャンゴ・フェット」の遺伝子を元に、生産性向上のために成長を倍加させたクローン兵士「クローン・トルーパー」が前身であることが明らかにされている。だが、クローン兵は成長が加速されている影響で常人の2倍のスピードで老化する点や、同じ遺伝子を持つが故の欠点、良質なクローンの製造を維持する上でのコスト上の問題から、クローン戦争終結直後にカミーノを中心としたクローン製造は中止された[1]。やがて、戦争を生き抜いた約320万のクローンたちは段階的に軍務を離れ退役していき、銀河系全域を支配下に置くにはクローン兵だけではトルーパーの人員が賄えなくなる。そのため、非クローンの人間をアカデミー(士官学校)にて教育・訓練しトルーパーに充当するようになった。このアカデミーの様子は「カノン(正史)」のスピンオフ作品『スター・ウォーズ 反乱者たち』などで詳しく描かれている。最終的に新たな装甲服・兵器が与えられたストーム・トルーパーは約20億人もの一般の人間により構成される軍隊となった。クローンたちは帝国からその姿を消していき、エピソード4でヤヴィンの戦いが発生する4年前にはクローン戦争当時に約320万人以上いたクローン兵は帝国軍から全員退役し、銀河各地で余生を過ごしているという認識が通説となっていた[2]。しかし、人数は数えるほどに減少したものの帝国に仕えたクローン兵もわずかに存在しており、カミーノで製造された最後の世代でありダース・ヴェイダーや尋問官の直属部隊としてジェダイ狩りを補佐した帝国最後のクローン部隊「パージ・トルーパー」やインペリアル・ガードの隊長として皇帝の警護をしていた者、教官やストーム・トルーパーとして軍務に残ったクローンなども存在した。だが、帝国軍将校の間で「クローンがすべて退役した」という認識が一般化されていた通り、その姿を見かけることは稀であった[3][4][5][6]

『エピソード4・5・6』の劇中では、あくまで銀河帝国軍の戦闘員として描かれるのみで、詳細については殆ど明らかにされていない。各兵士がヘルメットの中の素顔を見せるシーンもなく、人間らしさを唯一感じさせるシーンは『エピソード4/新たなる希望』の劇中で、オビ=ワン・ケノービがデス・スターの内部にあるトラクター・ビーム発生装置を遮断するために隠密活動を行った際、警備中の2人のトルーパーが雑談をするシーンのみである。この会話へのオマージュとして『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でも、銀河帝国軍の残党が結成して設立した組織の『ファースト・オーダー』に所属しているストームトルーパーが似た内容の会話をしているほか、『エピソード4/新たなる希望』の前日譚である『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でも、ストームトルーパーが同様の会話をするシーンがある。

他に『エピソード4・5・6』作中でストームトルーパーに関する会話は、『エピソード4/新たなる希望』で主人公のルーク・スカイウォーカーがストームトルーパーに変装して、デス・スターの内部にある独房に収容されていたレイア・オーガナを救出しに行った際、レイアが「ストームトルーパーにしては小柄ね」とストームトルーパーに変装したルークに告げるシーンが存在する。

『エピソード1・2・3』の公開でトルーパーに関する設定が正式に決定する以前の、『エピソード4・5・6』公開当時のストームトルーパーの中の姿に関する資料としては、1990年代前半に日本で開催された『ジョージ・ルーカス展』で販売されたパンフレット「THE GEORGE LUCAS EXHIBITION」内で、スカウトトルーパーの初期デザイン段階のラフスケッチ(P.107)として、髭面の男性が描かれていた。これは、同書において、賞金稼ぎ「ボバ・フェット」の初期デザイン設定に「アーマーの下の素顔」として描かれた男性のラフスケッチ(同P.68)と似た人物として描かれていた。

「レジェンズ(非正史)」に属するスピンオフ小説の『スローン3部作』では、「スローン大提督が皇帝パルパティーンの遺産として、秘匿されていたクローン・シリンダーを発見した[7]」という記述が見られる。

帝国軍のストームトルーパー(Imperial military's Stormtrooper)編集

 
ストームトルーパーとダース・ベイダー

基本的には、同シリーズの銀河共和国軍のクローン・トルーパーと同様の扱いで、黒い温度調整ボディ・グローブの上に、全部で18個のパーツから構成される簡易宇宙服を兼ねた白い装甲服を着用し、ブラスター・ライフルで武装している。この装甲服は大部分がほとんどの人間に適合する様に設計されていて、材質は軽量な樹脂(設定ではプラスチール製)で作られており、理論上はブラスターによる銃撃を防御可能とされているが、劇中ではブラスターを防げているような描写は見当たらず、ブラスターの被弾によって次から次へと倒されている。これはあくまでも良質のディバナ・ガスを装填した最新のブラスターに対してであって、経年劣化したディバナ・ガスを使用したものや旧式のブラスターに対しては十分な防御力を示すとされるが、劇中ではイウォーク族の石斧や投石や弓矢などといった原始的な武器に対する身の守りにすらならず、少なくとも劇中の描写に関する限りは防御性は皆無である。

ヘルメットには簡単な環境維持装置や通信装置、視覚補正装置、目標捕捉システムなども搭載されている。ストームトルーパーに変装したルークによれば視界はかなり悪いようである。また後年のファーストオーダー時代のストームトルーパーのフィンによれば毒ガスは防げず、このマスクで防げるのは煙だけだという。

腰のユーティリティー・ベルトには、ブラスターの予備用パワーパックや、鉤爪付きフックとケーブル、濃縮食糧、緊急用バッテリー、小型サーマル・デトネーター、予備用コムリンクといった高性能かつ規格化された装備品が搭載されている。

この特徴的な装甲服のデザインには銀河帝国の市民を威圧する効果もあり、恐怖支配の象徴として扱われていたが、反体制派からは、ヘルメットの形状を揶揄され「バケツ頭」などと呼ばれることもあった。

戦時下でなく帝国の圧政下の時代であったこともあり、生まれてから兵士として教育・訓練され、戦争を経験し、クローンだけで構成されたクローン・トルーパーに比べると、兵士としての練度は低い。そのため、反体制派からは「射撃が下手」と認知されている。装備もクローン・トルーパーの頃から変更されたが、元クローン・トルーパーのレックスはストームトルーパーの装甲服を「クローン・アーマーとは比較にならないクズ」と酷評している。

また、汎用のものの他に以下のような様々な派生部隊が映画作品中に登場している。

  • 砂漠などの高温で過酷な環境に特化したサンドトルーパー(別名デザート・ストームトルーパー)(『エピソード4/新たなる希望』に登場)
  • 雪上などの寒冷地に特化し、裾の広いスカート状の付属装備を持つスノートルーパー(『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』に登場)
  • AT-ATの操縦士であるAT-ATドライバー(『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』に登場)
  • 偵察と潜入任務に特化し、目の部分が広く四角い視覚補助装置となっているスカウトトルーパー(『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』に登場)
  • 帝国情報部に所属する黒いスーツのデス・トルーパー。会話してもガーガーというノイズが響くのみで声が聞こえないため、他のトルーパー以上に人間味を感じなくなっている(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場)
  • 熱帯に特化したショアトルーパー(沿岸防衛ストームトルーパー)(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場)
  • 戦車の操縦士であるインペリアル・タンク・トルーパー(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場)

他にもレジェンズ(非正史)のスピンオフ作品では、水中戦に特化したシートルーパーゲリラ戦に特化したストームコマンドー、情報収集に特化したブラックホール・ストームトルーパー(シャドウ・ストームトルーパー)、主に帝国軍が鎮圧のために故意に放射線で汚染させた地域に展開する、高濃度の放射線に晒された環境下での戦闘に特化したラドトルーパー、敵宇宙船制圧のための突入作戦に特化した重装備のスペーストルーパーコルサントをはじめとする銀河系中枢の各主要都市において警察権を行使するコルサント・ガードなどが登場。PCゲーム『DarkForce』には、人間ではなく強化装甲を施されたバトル・ドロイドによるダーク・トルーパーが登場し、反乱同盟軍の基地を壊滅させるものの、後に反乱同盟軍の破壊工作によって唯一の製造工場であった宇宙戦艦が破壊され、ダーク・トルーパーに関する情報は全て失われた。

『エピソード4/新たなる希望』のストームトルーパーは基本的に左手でブラスターによる射撃を行う。左手で射撃を行う理由は劇中では描写されていないが、ストームトルーパーが主に使用するE-11 ブラスターライフルのモデルとして製作に使用されたサブマシンガンのスターリングは左利き用の実際に空砲を発砲するものが使われており、発砲する際に左側に排莢するためである。

明確に左手でブラスターを持って発砲する描写があるのは『エピソード4/新たなる希望』のみであり、続編の『エピソード5/帝国の逆襲』以降のストームトルーパーは左手で構えるシーンこそあるもの発砲シーンでは殆ど右手で撃っており、ホルスターも左側から右側へと変更されている。『エピソード6/ジェダイの帰還』ではスカウト・トルーパーがバイクに乗りながら右手で正確に標的を射撃しており、通常のトルーパーも右手で射撃した際にレイアやR2-D2に命中させてみせた。『エピソード4/新たなる希望』でのオビ=ワン・ケノービの発言によると、「平均的な射撃技術は高い」とされる。

任務内容編集

 
ファン・エキスポ・カナダのイベント

帝国の広範囲に渡る領地を迅速かつ正確に制圧し、暴動を鎮圧し、秩序を維持するのがストームトルーパーの任務である。

トルーパーの装備品は量産可能なように標準化され、トルーパー自身も厳正な訓練プログラムに則って規格化されている。トルーパーは決して買収されず、勧誘も、恐喝も一切効果がない。これはクローン・トルーパーと同様に、育成段階でプログラミング的に入力される「オーダー」と呼ばれる規範教育によるものとされている。トルーパーの訓練は、新秩序主義に基づいた完全な教化を強調して行われ、その結果各員は疑いを抱かず、他者の権利や自身の安全をも顧みず盲目的に上官の命令に従うように教育されている。彼らはその忠誠心と引き換えに個性と自らの意思を持たない兵士達であるが、中には帝国の方針に疑問を抱き、今までの自分の行いを恥じて脱走したり反乱同盟軍に寝返った者もいる。また『エピソード6/ジェダイの帰還』では、エンドアの森林でハン・ソロの罠に掛かって反乱同盟軍兵士に銃口を向けられたスカウトトルーパーが抵抗することなく降伏している描写がある(もっとも、この時点では皇帝の策略によって後方に味方の援軍がすでに待機しており、このスカウトトルーパー自身が特別抵抗する必要もない場面であったことが直後に判明する)。

トルーパーは帝国の主要兵力となっているが、彼らトルーパーの生命は極めて軽いものであり、高価で機能的なドロイドよりも低く扱われている様子すら見られる。このように不遇なトルーパーではあるが、彼ら無くして帝国軍の一切の軍事活動は成り立たない。なお、トルーパーを指揮する士官等は、かつてのハン・ソロがそうであったように、帝国領内各地の惑星からアカデミーに志願・受験し、合格して配属された人間である。この点は、部隊長クラスを含めた全ての兵士、指揮官もクローンで賄っていたクローン・トルーパーとは異なる。

一般兵は訓練学校を卒業した人間が殆どだが、上述の通り地上軍や宇宙軍で特に優秀な兵士が上官の推薦を受けて、ストームトルーパーに転属されることもある。また、全盛期の銀河帝国におけるストームトルーパーは基本的には全て人間男性で構成されていたが、カノン(正史)のスピンオフ作品では特例として女性兵士で構成された部隊が一部存在していたとされている。また、後述するファースト・オーダーでは女性指揮官であるキャプテン・ファズマがストームトルーパーを統率しているほか、一般兵にも女性兵士の存在が確認できる。レジェンズ(非正史)のスピンオフ作品においても、ダーラ提督の軍事改革後の帝国や、スローン大提督が創設したハンド帝国など、帝国崩壊後の一部後継勢力においては女性やエイリアンにもストームトルーパーとなる門戸が開かれている。

ファースト・オーダーのストームトルーパー(First Order's Stromtrooper)編集

『エピソード4・5・6』の約30年後を舞台とする『エピソード7/フォースの覚醒』では、銀河帝国軍の残党が結成した軍事組織「ファースト・オーダー」の新たな世代のストームトルーパーが登場する。黒いボディスーツの上に白い装甲服を着用している点は『エピソード4・5・6』のストームトルーパーと同じではあるが、ヘルメットや装甲服の見た目が変化している。この装甲服は帝国時代の物と比較すると様々な点において改良が施されており、特に関節部の動きやすさが向上している。

劇中のファースト・オーダーに所属するカイロ・レンと同僚のアーミテイジ・ハックス将軍の発言から、この時代にも“クローン技術”が存在している事が示されているが、基本的には、幼い子供たちを誘拐してファースト・オーダーの元で、強制的に軍事訓練と洗脳を施している。これはファースト・オーダーが正規軍であった銀河帝国軍と異なり一種のカルト集団的な軍閥に過ぎず、士官学校なども新共和国との間に結ばれた銀河協定により解体を命じられ、兵士を増やすためには銀河帝国以上に強引な手段を執る必要に迫られたという事情によるものである。帝国再建の礎となるこの計画を「リザレクション計画」というコードネームでファースト・オーダーは秘密裏に推し進め、兵員を増強していったとされる。

『エピソード4・5・6』においてストームトルーパー達が素顔を見せるシーンは無かったが、『エピソード7/フォースの覚醒』の劇中で識別番号「FN-2187」のストームトルーパーが装甲服を脱ぎ捨て、新たな名前「フィン」を名乗り、物語の主要人物の一人となっている。このフィンもクローン兵ではなく、幼い頃に家族の元からファースト・オーダーによって誘拐され、ファースト・オーダーの元で兵士となるべく軍事訓練と洗脳を施されてきた青年だった。

ギャラリー編集

出典編集

  1. ^ Star Wars: Darth Vader: Dark Lord of the Sith Vol. 1 — Imperial Machine、出版社:Marvel 、2017年12月5日発行、ISBN:978-1302907440
  2. ^ テレビアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』シーズン2第3話「消えた戦士たち」
  3. ^ スター・ウォーズ ロード・オブ・シス 上、2015年11月30日発行、ISBN:978-4864912532
  4. ^ スター・ウォーズ ターキン、2015年6月30日発行、ISBN: 978-4864912334
  5. ^ Star Wars: Darth Vader: Dark Lord of the Sith Vol. 3 — The Burning Seas、出版社:Marvel 、2018年9月11日発行、ISBN:978-1302910563
  6. ^ Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー、2019年11月15日発売、ASIN: B07TNRX4VL
  7. ^ ケヴィン・J・アンダースン/ダニエル・ウォーレス『スター・ウォーズ・クロノロジー〈下巻〉』ソニー・マガジンズ文庫、2002年、10頁。

関連項目編集