ツァーラアトヘブライ語: צרעת‎、Tzaraath)は現代ヘブライ語ではらい病のこと。キリスト教徒による長い間の解釈ではハンセン病のこと。

しかし、もとの古代聖書ヘブライ語では一つの病気を指す言葉ではなく、広い意味を持つ総称的な言葉であった。さらに、レビ記13章47節のように布・皮、家の壁の表面がはがれた状態をさす名称でもあった。岩波訳聖書では、1そもそもヘレニズム以前のシナイ半島にらい病があった証拠は無い、2レビ記13章で描写される皮膚病は単一の症例ではない、3「ツァーラアト」という単一の病気はない、という理由、また祭儀に関与してはならないという差別的な用法から、特定の病気を指すのではなく、祭儀的視点から「けがれた」と分類される皮膚疾患の一部、という概念として、ツァーラアトをそのまま用いている。

 なおハンセン病は、アレクサンドロス3世が遠征の際に持ち込んだとする説が有力であるため、「レプラ」もまた、らい病以外の皮膚疾患を指したらしい。

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