デモンストレーション効果

デモンストレーション効果(デモンストレーションこうか、: demonstration effect)は、個人や家庭の消費行動が、個人の所得水準だけでなく、他者の消費水準や消費行動に影響を受けて変化すること[1][2]。また、発展途上国が先進国の消費傾向に影響されること[1]追随効果デモ効果ともいう[3][1]

概要 編集

アメリカの経済学者ジェームズ・デューゼンベリーは、著書『所得・貯蓄・消費者行為の理論』の中で、消費者が身近な他者の通常材の消費に影響を受けている、所謂、相互依存関係にあることに着目し、デモンストレーション効果の概念を示している[3][4]。また、ジェームズ・デューゼンベリーは、消費水準は現在と過去の所得水準とデモンストレーション効果などで決定されるとし、その概念を「デモンストレーション効果」と呼んだとされている[3]

編集

経済 編集

また、開発経済学の視点から考えるに、台湾の産業政策においては、民間投資を促したデモンストレーション効果が最も重要だとする分析もある[5]

介護サービス 編集

日本では、1961年に岩手県沢内村でスタートした高齢者の医療者無償化が、東京都の自治体に波及していったことが、デモンストレーション効果の一つとされている[6]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c デモンストレーション効果 | 現代人のカタカナ語辞典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス”. 情報・知識&オピニオン imidas. 2021年5月8日閲覧。
  2. ^ デモンストレーション効果(デモンストレーションこうか)の意味 - goo国語辞書”. goo辞書. 2021年5月8日閲覧。
  3. ^ a b c 第2版, 日本大百科全書(ニッポニカ),デジタル大辞泉,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,精選版 日本国語大辞典,世界大百科事典. “デモンストレーション効果とは”. コトバンク. 2021年5月8日閲覧。
  4. ^ 寺本浩昭 (2006). 消費の外部効果と経済発展. 
  5. ^ 産業政策のデモンストレーション効果”. 2021年5月8日閲覧。
  6. ^ 中澤克佳 (2009). “都市歳出における戦略的相互依存関係の検討 : 介 護保険制度下の老人福祉費を対象に”. 経済論集 35: 189-203.