トシルアジド(Tosyl azide)またはp-トルエンスルホニルアジド(p-Toluenesulfonyl azide)は、有機合成化学で用いられる試薬である[1]

トシルアジド
識別情報
CAS登録番号 941-55-9 チェック
PubChem 13661
ChemSpider 13072
EC番号 213-381-5
特性[1]
化学式 C7H7N3O2S
モル質量 197.21 g mol−1
外観 油状の無色液体
密度 1.286 g/cm3
融点

21-22 °C, 294-295 K, 70-72 °F

沸点

110-115 °C at 0.001 mmHg

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

利用 編集

トシルアジドは、アジドジアゾ基を導入するために用いられる。また、ニトレン源や[3+2]環化付加反応の基質としても用いられる[1]

生成 編集

トシルアジドは、アセトン水溶液中で塩化パラトルエンスルホニル(塩化トシル)とアジ化ナトリウムの反応によって生成する[2]

安全性 編集

トシルアジドは安定なアジ化物の1つであるが、爆発物であるとみなされ、慎重な貯蔵が必要である。

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ a b c Heydt, H.; Regitz, M.; Mapp, A. K.; Chen, B. (2008). "p-Toluenesulfonyl Azide". Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis. doi:10.1002/047084289X.rt141.pub2
  2. ^ Curphey, T. J. (1981). “Preparation of p-Toluenesulfonyl Azide. A Cautionary Note”. Organic Preparations and Procedures International 13 (2): 112-115. doi:10.1080/00304948109356105.