トニー・スライディーニ
トニー・スライディーニ(Tony Slydini、1901年 - 1991年)は、イタリア生まれのクロースアップマジシャンの一人。独自の手法で「ミスディレクションの達人」と呼ばれたクロースアップの名人であり[1]、アメリカのダイ・バーノンと並び、マジックの世界に影響を与えた人物。
マジックを演じると、その独特な雰囲気とその圧倒的な技術から、完全な魔法を使うことができるマジシャンとまで評された。しかし、彼の動きやそのテクニックには独特のクセがあり、それを他人がコピーしようとしても出来るようなものではなかった。そのため、スライディーニの動きやそのテクニックを「スライディーニ・タッチ」と呼ぶ。
スライディーニが世界的に知られるようになったのは、ニューヨークのタネン社の出版である『スターズ・オブ・マジック』の中で彼のマジックが紹介されたため。
弟子には、現在ロサンゼルスを中心に活躍しているトニー・クラーク(Tony Clark)がいる。
代表作には、一枚のコインだけを使って演じるコインマジック「ワン・コイン・ルーティン」や、スカーフをいくらしっかり結んでも、すぐにほどけてしまう「スライディーニ・シルク」などがある。
脚注
編集- ^ カズ・カタヤマ『図解 マジックパフォーマンス入門』株式会社東京堂出版、2006年、135ページ、ISBN 4-490-20588-0
関連書籍
編集- Magic of Slydini(Unique,1960)
- The Best of Slydini and More(Tannen ,1976)
- The Magical World of Slydini(Tannen, 1979)
- Slydini Encores(Slydini Studio, 1966)
- The Slydini Approach to Misdirection
- The Slydini Production Silk Routine
- Slydini Card Technique
- Slydini Color Changing Silk Routine