ノート:南芦屋浜コミュニティ&アート計画
南芦屋浜コミュニティ&アート計画1995年1月の阪神・淡路大震災のち、南芦屋浜震災復興住宅の建設を担った住宅・都市整備公団により、1996年から1998年3月まで試みられた住民間のコミュニケーションを円滑に生み出すことを目的にしたプロジェクトである。
経緯
編集南芦屋浜では、兵庫県が主体となりまちづくりが計画されていた。しかし、阪神淡路大震災のたいおうのため、完了寸前であった土地利用計画を一部変更して、急遽、震災復興公営住宅として市営住宅440戸、県営住宅414戸が建設されることとなった。 震災後、仮設居住が在住地で行うことが難しく、災害復興住宅も在住地から離れるため、コミュニティがバラバラになる例が多くあった。 そのため、入居前から様々な取り組みを行うことで、コミュニティを形成し、愛着が生まれるわが街がつくられることを目的として、「楽しい暮らしの風景づくり コミュニティ&アート計画(プロジェクト)」を導入することとなった。 プロジェクトでは、コミュニティ形成を図るため入居までの準備に主眼を置いた「暮らしのワークショップ」と、パブリックスペースにアートを導入することにより、居住者たちの様々な出会いや活動が創出する「アートワーク」の二つの大きな枠組みから成り立っている。 1998年4月のまちびらき記念事業としてとして、南芦屋浜アートフェスティバルが行われた。
暮らしのワークショップ
編集- 第1回ワークショップ1997年5月25日(日)午後2時〜5時半、場所:芦屋市立美術博物館1階講義室「共に暮らす人の話を育もう〜こんな暮らしだったらいいね〜』
- 第2回ワークショップ1997年6月29日(日)午後1時半〜5時、場所:芦屋浜センタービル3階大会議室「団地の全体計画を知ろう』
- 第3回ワークショップ1997年8月3日(日)午後1時半〜5時半、場所芦屋市立美術博物館「いろいろな人と交流しよう〜現地見学を通して〜」
- 第4回ワークショップ1997年9月7日(日)午後1時半〜5時、芦屋浜センタービル3階大会議室「庭や共用空間の使い方を考えようー1〜コミュニティテラスについて〜』
- 第5回ワークショップ1997年10月12日(日)午後1時半〜5時、芦屋浜センタービル3階大会議室「庭や共用空間の使い方を考えようー2〜ナチュラルコモンについて〜」
- 第6回ワークショップ1997年11月9日(日)午後1時半〜5時、芦屋浜センタービル3階大会議室「居住者の活動グループを育もう」
- 第7回ワークショップ1998年3月15日(日)午後1時半〜3時40分、芦屋浜センタービル3階大会議室「入居直前情報を知る〜自治会のたちあげを考えよう〜」
- ワークショップ番外編「建設現場見学会」
アーティスト作品
編集- 作品名:サクリファイス 作者:宮本佳明 場所:屋外プロムナード(県営4、5、6号棟、市営4、5、6号棟付近)
- 団地の東西を断続的に横切っている長さ約400mの大規模な作品。
- 作品名:Time-光と時間 作者:IDEAL COPY 場所:市営1号棟 アクリルパネルの内側に取り付けられた蛍光灯が1時間ごとに順にフェイド・イン、フェイド・アウトし移動を繰り返す。西側の壁には4本のスリットが開いており、西日が差す時間になると直に光が差し込む。
- 作品名:On the other side of the road 道の向こう側 作者:小山田徹 場所:市営2号棟 ピロティのなかに
- 作品名:あしたもあしたもあしたもあいたい。うわーん。いちばん好きな人が、いちばん気持ちいいし。 作者:イチハラヒロコ 場所:市営3号棟
- 作品名:11の扉 作者:赤崎みま 場所:県営1号棟
- 作品名:浜の春秋 作者:稲畑汀子 場所:県営2号棟
- 作品名:曖昧な空間wall-floor-wall-ceiling 作者:藤本由紀夫 場所:県営3号棟
- 作品名:ヒーリングhealing 作者:木村博昭+江川直樹 場所:県営4、5、6号棟、市営4、5、6号棟
- 作品名:注文の多い楽農店 作者:田甫律子 場所:市営5号棟6号棟間、県営5号棟6号棟間
だんだん畑について
編集アートワークの中でも住民が維持管理を行う共同農地として、団地のオープンスペースに作られた「注文の多い楽農店」は「団地のだんだん畑」として注目され、まちびらき同時に新聞、雑誌でも取り上げられた。1998年5月17にち、まちびらきアートフェスティバルの最後を飾る「楽農まつり」が行われて楽農活動がスタートした。 まちびらき後もアーティスが関わりながら活動は続けられるものとしてスタートしたが、2007年には農地から低木樹帯に変わったことが報告されている。