ノート:磁器

最新のコメント:12 年前 | トピック:「磁器」という語について | 投稿者:服部吉寿

フラックス機能と長石と石英について 編集

あれ? フラックス機能は石英じゃなくて長石のほうじゃないですか? 石英の融点は長石よりはるかに高く、なおかつ単味では粘性が高すぎます。長石はナトリウムイオンやカリウムイオンを含んだケイ酸塩ですので、単味で低融点で溶けて容易にガラス化します。あと、単独で磁器化する成分をすべて含んだ陶石の情報とか、ムライト形成の話が不可欠です。--ウミユスリカ 2007年1月16日 (火) 02:39 (UTC)返信

フラックス機能については、
  • 石英が「除粘剤となり可塑性を向上させ、かつフラックス(融剤)として融点を下げる」
  • 長石は「石英と同種の効果に加え、ガラス相を形成し強度を向上させる」
と書かれていました。つまり石英、長石ともにフラックスという表記で、その通りだと思われます。誤解を減らすよう順序を修正したので、履歴をご覧下さい。
釈迦に説法かと思いつつ、大変恐縮ながら説明させて頂きますと、粘土の主成分である酸化アルミニウム二酸化ケイ素(=石英)のような2元系(または3元系以上の)混合物では、中間組成領域では純粋な元の物質よりも融点が下がります。この系だと一番低いのは酸化アルミニウム=8%付近の約1,590℃で、酸化アルミニウムの2,020℃、二酸化ケイ素の1,750℃の双方よりも低くなっています(参考:「セラミックス化学」p.129 ISBN 493129801X)。
系が複雑になり乱れが増加したことによるエントロピーの変化がその原因であり、化合物を混合すれば基本的には融点は下がると言っても過言ではありません(3元相図で中心近くが最も融点が低いことをイメージして頂くと、現象的に理解しやすいかと思われます)。
なお、陶石やムライト形成の情報をご執筆される事を心より期待いたしております。--Okapia2 2007年1月18日 (木) 14:24 (UTC)返信
あぁ、かなりイメージが鮮明になってきました。Okapia2さん、ありがとうございました。素材粒子の焼結をフラックスとしての長石による「濡れ」で補強して石英粒子は原形を保つ陶器とちがい、全素材粒子がいったん融解した状態を経て、なおかつムライトによる骨格形成が進行するために「へたり」が起こらず、器形が保持される磁器の場合には、石英すら混合系での融点降下によってフラックスとしての機能が前面に出てくるというわけですね。やっぱり先に長石が溶けてくるだろうなというイメージが先行して、石英がフラックス機能も果たすというイメージが後退してしまいました。どっちにしろ、磁器化するときには石英も粘土鉱物も溶けちゃうんですもんね。ムライト生成に関しては、今手元に資料を残していないので記憶のみに頼らざるを得ず、大変大まかなことしか書けないというのが現状です。まぁ、時間を見て図書館で調べなおしてみます。陶石に関しても今手元に資料を置いていないのですが、日本では陶器=土もの、磁器=石ものというふうに見られがちであるが、陶石を使う磁器作成が日本列島オリジナル、さらに陶石をつかう技術の開発に朝鮮から連行された陶工が大きくかかわっている、陶石は磁器化するのに必要な鉱物を単独ですべて含む岩石、代表的な陶石である天草陶石は石英粗面岩が熱水編成を受けて生じた変成岩、という4点が必須の情報かと思うのですが、このあたりに私の記憶違いはないでしょうか? --ウミユスリカ 2007年1月18日 (木) 14:54 (UTC)返信

「磁器」という語について 編集

「磁器」という語は「磁石」の意味は、ないようです。 Wikipedia 中国語版では 「瓷器(じき)となっています。電子辞書「大辞林」で調べると硬い焼き物という説明ででています。 また明治書院「新釈漢和」によればp.622に「瓷(じ)」の項があって「堅く焼いた陶器との説明があります。  したがって 「瓷」のかわりに同音である「磁」が用いられるようになったと思います。--服部吉寿会話2012年3月20日 (火) 09:35 (UTC)返信

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