ノート:電気化学

最新のコメント:17 年前 | 投稿者:あら金
  • 電位ギブズエネルギーを電気量で割ったもの……」の行りについては説明に際して事柄の一次的要因と二次的要因のうち、前者を端折っているので説明すべき事柄の原因と結果が逆なっている印象があります。つまり、結果である事象(電位差)が原因である事象(化学ポテンシャル)を引き起こしているという説明になっているからです。「ネルンスト式」の意味は化学ポテンシャルを解消する方向に化学反応は進行するという意味です。電気化学の反応の場合は必ず電子の移動が共役しないと化学反応が進行しないので、電子の循環する回路の一部を切断すると電位差が発生しています。言い換えると、「化学ポテンシャル」が「電位差」として表れているので反応を動かしている原因は「電位差」ではなく「化学ポテンシャル」です。ただし、「電位差」と「化学ポテンシャル」の関係は双方向的に作用するので、電極回路に電位差を加えてやると自然とは逆の傾斜の「化学ポテンシャル」を発生させてやることも可能です。(したがってこの状況だけに限定すれば大野さんの説明も間違いではないです)この場合の反応は電位差を加えることで「化学ポテンシャル」を熱力学第二法則とは逆向き平衡をずらすことになるので、結果として反応が逆向きに進行するということです。どちらの場合であれ、化学反応を動かしているのは「化学ポテンシャル」(一次的要因)であって電位差(二次的要因)ではないです。あら金 2005年8月27日 (土) 09:10 (UTC)返信
    • 上記のあら金さんのコメントでは誤解をなさっているのではないかと思う点がありますが、僕の勘違いの可能性も十分ありますので、まず1点ほど確認したいとおもいます。「電位差」と「化学ポテンシャル」の関係は双方向的に作用するとの言がありますが、どのような意味でお使いになっておりますでしょうか。以上の署名の無いコメントは、noraneko会話履歴)氏が[2005年2月21日 15:51 (UTC)]に投稿したものです(野良猫 2007年2月21日 (水) 18:23 (UTC)本人による付記)。返信
(一年半前の話しですから、当時どの様に考えたかは最早つぶさには思い出せませんが大体の所はつぎの様に考えたのだと推定します)電極における酸化還元反応により電極の電位差が発生しているのであるが、逆に電極に電位差を加えることにより酸化還元反応を加速あるいはあるいは(化学平衡により、熱力学的に安定な系に進むのとは)逆向きに進行させることができる。であるならば、化学ポテンシャルにより起電力が生じ電極間に電位差が生じている場合もあれば、逆に電位差により酸化還元反応の化学ポテンシャルが制御される場合もあるので、「電位差と化学ポテンシャルの関係は双方向的に作用している」と述べていると推定します。
そして化学ポテンシャルによる起電力は一次的要因ですが、電極間の電位差は起電力と(外部回路の)電圧とが相殺された結果なので二次的(あるいは副次的)要因であると述べていると推定します。あら金 2007年2月22日 (木) 13:39 (UTC)返信
ご返答ありがとうございます。あら金さんのご指摘の内容を正しく把握したつもりでおりますが、認識・推論・知識等に誤りがありましたら何卒ご指導いただきたく思います。
まず、あら金さんのご指摘内容についてですが、電池のような自発的に電気化学反応が進行する系を想定したものであると認識しております。また、反応物系と生成物系の化学ポテンシャルの差が電位差(起電力)を生み出すので化学ポテンシャルが一次的要因であり、化学ポテンシャルに差によって生じる電位差は二次的要因であると論じている、と認識しております。
さて本題ですが、次のような単純な半電池反応(平衡反応)を考えます。
X(S) + e-(M) ←→ Y(S) + (M)
ここで、Xは酸化体、Yは還元体、e-は電子、(S)は溶液相、(M)は電極相を表します。上記反応において、電極(M)は電子のやりとりをするだけであり反応に直接関与しません。
反応種であるX、e-、Yについて、電気化学ポテンシャルがそれぞれμXμe-μYであるとすると、(電気化学反応において化学ポテンシャルではなく電気化学ポテンシャルを用います。どっちも似たようなものなのですが。)
ΔG = μY - (μX + μe-)
と表せます。このΔGの正負により、上記反応式の平衡が左右にずれることになるのはご承知の通り。
ここで注目したいのは電子e-の電気化学ポテンシャルμe-が電極(M)の電位(内部電位)に依存する量であるということです。(この電子は(M)のフェルミ準位付近に出入りすると考えられるから。ここらへんちょっと自信がない。)
電気化学反応を進めるのは電気化学ポテンシャルの差ではありますが、その電気化学ポテンシャルの差を生み出すのは電極電位である、と言えるでしょう。ここら辺を確認したくて前回のような質問をしました。
上で考えたような半電池を2つ組み合わせれば電池や電解槽などの電気化学システムになります。一方の電極電位を変化させるために他方の電極電位のパワー(比喩的表現)を借りるのが電池であり、この場合は結局のところ電気化学ポテンシャルに行き着くわけですから電気化学ポテンシャルが原動力と言っても問題はないと思います。しかし、電極電位を変化させるだけなら発電機のような電磁気的方法でも良いわけですから電気化学ポテンシャルが反応の原動力というのは一寸あやしい。したがって、電気化学システムを構成する電極対の電位を変化させる、すなわち電位差をつけることが電気化学反応の原動力と表現するのが妥当であろうと考えます。つまり僕が主張したかったことを簡潔に言うと、電気化学ポテンシャルと電極電位(電位差)には密接な関係があり一概に一次的・二次的とは言えないということです。
今回の考察に関して本質的な部分はあら金さんの考え方を踏襲していると考えています。ただ、僕の考え方に照らし合わせると、電位差の扱いについて誤解なさっているように感じられました。
長々と書きましたが、推論の誤りや異論等がありましたらご指摘・ご指導をいただければ幸いです。--野良猫 2007年2月22日 (木) 20:09 (UTC)返信
専攻は医薬品合成化学だったので(それも昔の話しですし)用語が電気化学的ではないかもしれませんが電池反応に限定して述べていたのではないと推定しています。開回路の電地であれば電位は起電力(内部電位)と等しいですが、閉回路で電流が流れる状態であれば電位(差)と起電力は同じと扱えないと考えています。タイトルが電気化学であるならば、電池から電気分解あるいは電解めっきまで電気化学は含みますから、前提無しで電位と言うのであれば電池の場合に限定されないと考えたと推定します。タイトルが半電池ならば野良猫さんの言われている通りだと考えます。(1年半前の論旨とつじつまが合っていないかもしれませんがご容赦のほど)あら金 2007年2月22日 (木) 22:21 (UTC)返信
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