風船玉 編集

「風船球」ともいう。玩具用のゴム風船のうち膨らませたもの。特に水素やヘリウムなど浮遊性ガスを入れたものを指す。

元々「風船」という言葉は浮遊性ガスなどにより飛行する軽飛行器の装置の名称として使われ、明治23年(1890年)にイギリス人のスペンサーによる乗用のガス気球からパラシュートで降下する風船乗り興行の流行により、玩具の紙製パラシュート玩具「紙風船」や玉状のあられ菓子「風船あられ」、そして「風船玉」などの便乗商品がブームとなった。

「風船玉」は、その「風船」の気嚢にちなんだ球状のゴム風船の名称として使われたが、軽飛行機の飛行特性により「軽気球」や「飛行船(航空船)」の名称が使われるようになるにつれ、玩具の「風船玉」が「風船」とも略されるようになった。

「風船玉」という言葉は明治期後半から昭和時代にかけて多く使われ、歴史的に著名な文学作品にも数多く登場するほか、現在でも「糸の切れた風船玉」という形容的な言葉や植物の風船唐綿の俗称「風船玉の木」、膨らんだゴム風船をさす慣用句として現在も少なからず使われつづけている。

なお、酢酸ビニルを溶剤で溶かしたものをストローの先に付けて膨らます透明なペースト状玩具は一般には「ポリバルーン」と呼ばれている。


「風船玉」は酢酸ビニル製のバルーンのことではありませんよ。 日本で慣用的に使われる玩具の名前は「ポリバルーン」でしょう。

「ポリバルーン」は日本では軍需品として作られていた酢酸ビニル樹脂を 第二次世界大戦後に転用したことがきっかけで普及した玩具。 {昭和23年に「パップルス」というシャボン玉風船が登場しています。)


一方「風船玉(球)」という言葉は明治時代からありますが、(尾崎紅葉「三人妻」 (明治26年)など。)2006年12月に再販された「明治の話題」 (柴田宵曲・ちくま学芸文庫ISBN:4-480-09036-3)の『ゴム風船』の 項にあるように、一般には『(水素、現代ではヘリウムなどの)ガス入りのゴム風船』の こととされています。

戦前に日本に輸入された「風船唐綿」という植物も初めは「風船玉の木」という 名前で紹介されました。


もしかすると方言で使われていた地域があったのかもしれませんが、 「ポリバルーン」や「ビニル風船」で世間で通っている語句を使わず、 世間で普段その意味に使われず又、歴史的に別の意味の定義のされている 語句を不特定多数が利用するウィキペディアの語句として用いることは あまり感心はできません。

普段使われていない語句で辞書を作られても、辞書としては意味がありません。 普段みんなが使っている語句で辞書を作るべきだと思いますね。

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