犬とジャッカル(いぬとじゃっかる、英語:Hounds and Jackals[1])は、古代エジプトボードゲームを現代で名付けたものである。古代の正式名称は不明。翻訳の揺れとして、猟犬とジャッカルハウンドとジャッカルハウンド犬とジャッカルなどという表記もある。また、あまり使われないが58ホールズ(fifty-eight holes)とも現代において名付けられた。

テーベで発見されたエジプト第13王朝のゲーム盤

命名 編集

現代名は、テーベの墳墓でエジプト第13王朝の物と考えられる完璧なゲーム盤を発見した考古学者ハワード・カーターによって考案された。

ゲーム盤の概要 編集

ゲーム盤は29個の穴2セットからなる(計:58個の穴)。ゲームの駒としてジャッカルまたはイヌの頭を持つ10個の小さなスティックがつく。

ゲームは紀元前2000年頃にエジプトで登場し、エジプト中王国期に流行した[2]。それはエジプトだけでなく、メソポタミア文明やコーカサスでも知られていた[3]

また、アゼルバイジャンゴブスタン国立保護区にある紀元前2千年紀の遊牧民が使用した岩窟にも、同ゲームが遊ばれていた形跡が見つかっている[4]

出典 編集

  1. ^ 増川宏一「盤上遊戯の起源と古代の遊戯盤」『シミュレーション&ゲーミング』第25巻、2017年、85-92、p. 88。 
  2. ^ Anne Elizabeth Dunn-Vaturi: Game of Hounds and Jackals, in: A. Oppenheim, d. Arnold, D. Arnold, Kei Yamamoto (editors): Ancient Egypt Transformed, The Middle Kingdom, New York 2015 ISBN 978-1-58839-564-1, 249, no. 188
  3. ^ Bower, B. (2018-11-16). “A Bronze Age game called 58 holes was found chiseled into stone in Azerbaijan”. Science News 194. https://www.sciencenews.org/article/bronze-age-game-found-chiseled-stone-azerbaijan 2018年11月19日閲覧。. 
  4. ^ 4,000-Year-Old Game Board Carved into the Earth Shows How Nomads Had Fun(livescience.com By Tom Metcalfe, Live Science Contributor | December 10, 2018 07:09am ET)

外部リンク 編集