ハッサ・ビント・アフマド・アッ＝スデイリー

ハッサ・ビント・アフマド・アル・スダイリー（アラビア語:حصة بنت أحمد السديري ; 英語:Hussa bint Ahmed Al Sudairi、1900年 - 1969年）は、サウジアラビアの初代国王アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードの妻の一人で、7人の息子と4人の娘をもうけた。

彼女の息子には、後のサウジアラビア国王となるファハドとサルマーン、そして後に皇太子となったスルタン・ビン・アブドゥルアズィーズとナエフ・ビン・アブドゥルアズィーズがいる。 アブドゥルアズィーズとの間の息子たちは、一般にスダイリー・セブンとして知られている。

概要　

ハッサ・ビント・アハメドは、ナジュド出身の有力な一族スダイリ家の出であった。この一族はダワシル族という高貴な一族に属している。アブドゥルアズィーズ国王の母サラ・ビント・アハメド・アル・スダイリもスダイリ家の一員であり、フッサの曽祖父アハメド・ビン・ムハンマド・アル・スダイリの娘である。

フッサの母はシャリーファ・ビント・アリ・ビン・モハメッド・アル・スワイディであった。父のアハメド・ビン・ムハンマド・アル・スダイリはスダイリ族の有力な酋長であり、アブドゥルアズィーズ国王がサウジアラビアを征服しようとした際の初期の支援者の一人でもあった。国家の成立後、彼女の父はワシュム、スダイル、カシム、アフラージの各県の知事を務めた。彼女の兄弟もアブドゥルアズィーズ国王によって知事に任命された。トゥルキ・ビン・アハメドはアスィール県の知事、アブドゥルアズィーズ・ビン・アハメドは旧クライヤト・アル・ミルフ県とワディ・シルハン県の知事、ハリド・ビン・アハメドはタブーク県の知事、ムハンマド・ビン・アハメドは北部県の知事であった。アブドゥル・ラーマン・ビン・アフマドはジャウフ県知事、ムサイド・ビン・アフマドはジザン県知事であった。ハリド・ビン・アフマドはナジュラーン県知事と農業大臣も務めた。

幼少期と結婚　

ハッサ・ビント・アハメドは1900年にアル・ガットの町で生まれた。彼女の父親はアハメド・ビン・モハメド・アル・スダイリ（1869-1936）、母親はシャリファ・ビント・アリ・ビン・モハメド・アル・スワイディである。

アブドゥルアズィーズ国王は彼女と2度結婚した。彼女はアブドゥルアズィーズ国王の8番目の妻で、アフメド・ビン・ムハンマド・ビン・トゥルキ・アル・スダイリの従妹にあたる。彼らは1913年に彼女が13歳のときに初めて結婚した。彼らは数年後に離婚したが、1919年に再婚した。最初の結婚と2度目の結婚の間に、フッサ・ビント・アフメドはアブドゥルアズィーズ国王の異母弟、ムハンマド・ビン・アブドゥル・ラーマンと結婚した。この結婚でフッサには息子、アブドラ・ビン・ムハンマドが生まれた。

アブドゥルアズィーズ国王はフッサ・ビント・アフメドへの愛を忘れず、彼女と再婚するために異母兄弟に離婚を強要したと推測されている。フッサ・ビント・アフメドは私邸を持っていたが、1938年にアブドゥルアズィーズ国王とともに新築のムラッバ宮殿に移った。彼女はアブドゥルアズィーズ国王が1953年に亡くなるまで国王と結婚生活を続けていた。

子供　

ハッサ・ビント・アフメドとアブドゥルアズィーズ国王は7人の息子を含む12人の子供をもうけた。アブドゥルアズィーズ国王の配偶者の中で、ハッサ・アル・スダイリほど多くの息子を産んだ者はいない。ハッサ・ビント・アフメドは7人の息子の母であったため、アブドゥルアズィーズ国王の最も大切な配偶者となった。アラブ文化では、最も著名な妻とは最も多くの息子を産んだ妻である。したがって、フッサは「男児の母」であるという利点があった。アブドゥルアズィーズ国王との間に生まれた彼女の息子たちはスダイリー・セブンとして知られている。彼らは「壮大な7人」とも呼ばれた。フッサとアブドゥルアズィーズ国王の子供は以下の通りである。

ロバート・レイシーは著書『ザ・キングダム』の中で、ハッサ王女がサアドの母親だったと述べているが、これは他の文献でも言われている。サアドは1913年に生まれ、1919年にスペイン風邪が流行した際に亡くなった。

• ファハド国王（1921年または1923年～2005年）、サウジアラビアの第5代国王（1982年6月13日～2005年8月1日）
• スルタン・ビン・アブドゥルアズィズ(1925–2011)
• ルルワ・ビント・アブドゥルアズィズ(1928 年頃 - 2008 年)
• アブドゥル・ラーマン・ビン・アブドゥルアジズ(1931–2017)
• ナエフ・ビン・アブドゥルアジズ(1934–2012)
• トゥルキ・ビン・アブドゥルアズィズ(1934–2016)
• サルマン国王（1935年生まれ）、サウジアラビアの第7代現国王（2015年1月23日～現在）

アフメド・ビン・アブドゥルアズィズ(1942 年生まれ)

• ラティファ・ビント・アブドゥルアジズ（故人）
• アル・ジャワラ・ビント・アブドゥルアズィズ(2023年3月9日に死亡)
• ジャワヒル・ビント・アブドゥルアズィズ (2015年6月死亡)

彼女の娘のうち2人は、アブドゥッラー・ビン・アブドゥル・ラーマンの息子たち（アブドゥルアズィーズ国王の弟）と結婚した。アル・ジャウハラ・ビント・アブドゥルアズィーズはハリド・ビン・アブドゥッラーの配偶者であり、ジャワヒル・ビント・アブドゥルアズィーズはムハンマド・ビン・アブドゥッラーの妻であった。ルルワ・ビント・アブドゥルアズィーズはアブドゥッラー・ビン・ファイサル・ビン・トゥルキーの母親である。

個人的特徴　

フッサ・ビント・アハメドは7人の息子の母であるだけでなく、アブドゥルアズィーズ国王の最も大切な配偶者となるような性格的特徴を持っていた。まず、彼女はとても美しく、魅力的で、強い個性を持っていた。彼女はまた影響力があり、息子たちに集団意識を植え付けようとしていた。彼女は子供たち全員を政治的な雰囲気の中で育て、一緒に時間を過ごすように促したとされている。さらに、彼女はアブドゥルアズィーズ国王のいくつかの決定に影響を与えました。たとえば、彼女はファハド王子を諮問委員会のメンバーにするよう国王に促した。

バンダル・ビン・スルタンは祖母のハッサをマーガレット・サッチャーとマザー・テレサを合わせたような女性だと表現している。さらに、彼女は非常に信心深く、強い意志を持った女性だったとも述べている。

家族との関係

ハッサ・ビント・アハメドは、息子たちとその家族のために、自宅で毎日夕食会を開いていたと言われている。彼女は、こうした夕食会を通じて、息子たちの団結を促した。彼女の娘たちは、毎週の夕食会という彼女の伝統を引き継いだと言われている。フッサ・ビント・アハメドは、息子たちがリヤドにいるときは毎日会いに来てほしいと望むほど、要求の厳しい人だったと伝えられている。彼女はまた、息子たちに規律と勤勉さを重んじることでも知られていた。

フッサ・ビント・アハメドは、彼女の孫でスルタン・ビン・アブドゥルアズィーズの息子であり、後にアメリカ合衆国駐在サウジアラビア大使となるバンダル・ビン・スルタンを育てた。バンダル王子が11歳のとき、アブドゥルアズィーズ国王の死後、彼と母親は宮殿で母親と一緒に暮らすようになった。

サウード家とのさらなる関係

フッサ・ビント・アフメドの妹たちはアブドゥルアズィーズ王の息子たちと結婚した。ムフディ・ビント・アフメドはナセル王子と結婚し、トルキ・ビン・ナセルの母となった。もう一人の妹、スルタナ・ビント・アフメドはファイサル王の最初の妻であり、アブドラ・アル・ファイサルの母であった。

死　

フッサ・ビント・アフメドは1969年に69歳でリヤドで亡くなった。正午の礼拝の後、リヤドの大モスクで彼女のために葬儀が執り行われ、ファイサル国王とハリド皇太子、そして多数の高位の王子とその息子たちが出席した。

脚注