バンダルプンチ (Bandarpunch) は、ヒマラヤ山脈の一部を成すガルワール・ヒマラヤ山脈英語版に位置する山塊で、インドウッタラーカンド州に属している。バンダルポーンチ (Bandarpoonch)という名でも広く知られているが、これは文字通りでは「猿の尻尾」という意味となる。これは猿神で戦士であるハヌマーンへの言及であり、ランカー島羅刹ラーヴァナの軍勢からシーター姫を救い出すためラーマ王とともに戦った際に、尻尾に火がついたハヌマーンがこの山の頂上に赴いて火を消したという話に基づいている。バンダルプンチ山塊にはピークが3峰ある。西側のヤムノトリ英語版の上には、ホワイト・ピーク (White Peak、6102 m) がそびえている。そこから 5km 東にバンダルポーンチ・ピーク (Bandarpoonch Peak、6316 m)、4km 北東に、文字通りでは「黒い蛇」を意味するカラナグ (Kalanag、6387 m) があり、ブラック・ピーク (Black Peak) と通称されている。

バンダルプンチ
画面奥の右手側がバンダルプンチの山塊。
標高 6316 m
所在地 インドの旗 インド ウッタラーカンド州
位置 北緯31度00分28秒 東経78度55分33秒 / 北緯31.00778度 東経78.92583度 / 31.00778; 78.92583座標: 北緯31度00分28秒 東経78度55分33秒 / 北緯31.00778度 東経78.92583度 / 31.00778; 78.92583
山系 ガルワール・ヒマラヤ山脈
バンダルプンチの位置(インド内)
バンダルプンチ
バンダルプンチ
プロジェクト 山
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バンダルプンチは、ヒマラヤ山脈の最も高い部分の西端に当たり、この辺りから山脈は北西に向かう。また、サンカリ山稜 (the Sankari Range) の一部であり、ゴビンド・パシュ・ビハール国立公園英語版の範囲内にある。この山々は、ヤムナー川上流部の主要な水源となっており、ヤムノトリの上部、山塊の西側ホワイト・ピークの下に位置している。ヤムノトリは、4か所ある聖なる巡礼地をめぐるチャールダーム巡礼英語版の聖地の中で、最も西に位置しており、毎年何千人もの巡礼者が当地を訪れる。山塊の北側には、長さが 12km に及ぶ氷河があり、そこからルインサル・ガード川 (the Ruinsar Gad) が流れ出し、セーマ (Seema) でヤムナー川に注ぐ。南側では、バンダルポーンチ・ピークの麓にある氷河に発したハヌマーン・ガンガ川 (the Hanuman Ganga River) がハヌマーン・チャッティ (Hanuman Chatti) でヤムナー川に注ぐ。

イギリス陸軍ハロルド・ウィリアムズ英語版少将が率いた登山隊が、1950年に初登頂を果たした[1]。バンダルポーンチ・ピークに最初に登頂した一隊は、伝説的な登山家であるテンジン・ノルゲイ、ロイ・グリーンウッド軍曹 (Sergeant Roy Greenwood)、シェルパのキン・チョク・ツェリング (Kin Chok Tshering) の3人であった[2][3]

脚注 編集

  1. ^ Archived copy”. 2009−04−17時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月18日閲覧。
  2. ^ James Ramsey Ullman (2011). Man of Everest - The Autobiography of Tenzing. Read Books Design. ISBN 978-1-4474-0028-8. https://books.google.com/books?id=dMBIJe9-1OEC 
  3. ^ Ralph Izzard (2007). An Innocent On Everest. Harrison Press. ISBN 978-1-4067-1491-3 

関連項目 編集