ヒポスドール酸(ヒポスドールさん、hipposudoric acid)はカバの体表から分泌される粘液に含まれる赤い色素である[1]。この粘液は「血の汗」や「ピンクの汗」と呼ばれることが多く、ヒポスドリック (hipposudoric) という言葉自体「カバの汗(hippo + sudor)」という意味だが、分泌される粘液は汗でも血でもない。

ヒポスドール酸
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識別情報
CAS登録番号 851367-73-2
ChemSpider 21474973 チェック
特性
化学式 C16H8O8
モル質量 328.23 g mol−1
外観 Red
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヒポスドール酸はオレンジ色のアナログであるノルヒポスドール酸と同様に紫外線を遮断する能力を持ち、殺菌作用もある。ホモゲンチジン酸の酸化的二量化により生成する[2]

ノルヒポスドール酸

参考文献 編集

  1. ^ 橋本貴美子, 犀川陽子, 中田雅也 (2007). “Studies on the red sweat of the Hippopotamus amphibius”. Pure Appl. Chem. 79 (4): 507–517. doi:10.1351/pac200779040507. http://media.iupac.org/publications/pac/2007/pdf/7904x0507.pdf. 
  2. ^ 森谷開, 松浦正憲, 犀川陽子, 中田雅也, 橋本貴美子, 山口歩, 坂本和弘, 秋久成人, 平田洋義 (2006). “カバの赤い汗に含まれる色素ヒポスドール酸類の前駆体の探索”. 日本化学会講演予稿集 86 (2): 1314. https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902206973299980.