ファイアフラッシュ (ミサイル)

イギリスの空対空ミサイル

フェアリー ファイアフラッシュ(Fairey Fireflash)は、イギリスの最初の空対空ミサイルで、誘導方式はレーダービームライディングであった。成功したとは言えず、実戦配備された数は少なかった。

ファイアフラッシュ
ファイアフラッシュミサイル
種類 空対空ミサイル
原開発国 イギリス
運用史
配備期間 1955–1958
配備先 イギリス空軍
開発史
開発期間 1949
製造業者 フェアリー・アビエーション
製造数 約300
諸元
重量 150 kg
全長 2.83 m

エンジン 固体ロケットブースター x 2
誘導方式 ビームライディング
操舵方式 翼面制御式
発射
プラットフォーム
航空機
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開発 編集

ファイアフラッシュは軍需省からの空対空誘導ミサイル要求に応えて開発された。プロジェクトは1949年に開始され、レインボーコードネームは当初ピンクホークとされたが、ブルースカイに変更された。

1955年までに約300基のミサイルが製造されたが、イギリス空軍(RAF)はファイアフラッシュは兵器としては受け入れがたいと判断した。1955年から1957年にかけて、ファイアフラッシュはウェールズRAF Valley及び南オーストラリアウーメラ試験場で、第6 JSTU(Joint Service Trials Unit)によって試験が実施された。試験には、第一誘導兵器開発飛行中隊のミーティア NF11試験機が使用され、その後スーパーマリン スイフトが使用された。ファイアフラッシュは1957年8月に少数が採用されたが[1]、「ピストンエンジン爆撃機に対しての限定的な能力しか無い」と判断された[1]。翌1958年の8月から、RAFはより実用的なデ・ハビランド ファイアストリーク赤外線誘導空対空ミサイルを配備した[1]

構造 編集

ファイアフラッシュはビームライディング方式のミサイルで、発射母機からのレーダー波に依存した。ミサイルは、胴体前方に取り付けられた2基の固体ロケットブースターにより推進されるという、非常に変わった構成であった。ブースターは発射の1.5秒後に切り離され、ミサイルを標的に向かうコースに乗せる。本体にはエンジンは無い。

このような構成を採用したのは、ロケットから噴出されるイオン化粒子が、レーダー信号に影響を与えるのではないかと懸念されたためである。しかし、この方式はミサイルの飛翔距離・時間を大幅に限定するものであった。さらに、その後の英国内および国際共同開発によって、ロケットの噴煙を通してでも、誘導は可能であることが判明した(レイピアミサイルシステムがその例である)。

採用組織 編集

  イギリス

脚注と参考資料 編集

関連項目 編集