フェルマー=カタラン予想

フェルマー=カタラン予想(フェルマー=カタランよそう、: Fermat–Catalan conjecture)とはフェルマーの最終定理カタラン予想を結びつけて提起された数論予想である。フェルマー=カタラン予想は「方程式

と不等式

を同時に満たす自然数の組 (a, b, c, m, n, k) であって、(a, b, c)互いに素で、(am, bn, ck)の値が異なるものは、有限個しか存在しない」という命題である。不等式から m, n, k は全て 2 以上で、うち少なくとも2つは 2 より大きいものに限られることが分かる。

m, n, k のうち2つが 2 である場合は上の不等式を満たさないためフェルマー=カタラン予想の対象外であるが、実際に解の無限系列が知られている。特にm = n = k = 2 の場合は a, b, cピタゴラス数であって、方程式を満たす組 (a, b, c) は無数に存在することはよく知られる。

また m > 3m = n = k の場合は (a, b, c) はフェルマーの最終定理の方程式(のうち指数が 4 以上のもの)を満たす自然数解であるが、そのような (a, b, c) は存在しないことがワイルズによって証明されている。

知られている解と関連する予想

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2014年現在、以下の10個の解が知られている[1]

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2002年プレダ・ミハイレスクによって解決されたカタラン予想によると、最初の解  a, b, c のいずれかが 1となる唯一の解を与える。ここで、任意の m > 6 はフェルマー=カタラン予想の仮定の不等式を満たすので、 これは  の無限個の解 (a, b, c, m, n, k) = (1, 2, 3, m, 3, 2) を与えるが、三つ組(am, bn, ck) としてはただ一つの値 (1, 8, 9)しか与えていないため、フェルマー=カタラン予想に反するわけではない。

ダーモン・グランヴィルの定理 (証明にはファルティングスの定理を使う) から、上記の不等式を満たす組 (m, n, k) を一つ固定するごとに、解 (a, b, c) が高々有限個しか存在しないことが知られている。一方、フェルマー=カタラン予想は、 上記の不等式を満たす全ての (m, n, k) の場合を合わせても有限個しか存在しないという予想なので、ダーモン・グランヴィルの定理よりも遥かに強い主張である[要検証]

今まで見つかっている解の中では、m, n, k のうち1つは 2 である。また、その中では m, n, k互いに素である。m, n, k が全て 3 以上で a, b, c が互いに素であるような解はないという予想(ビール予想)がある。a, b, c1 より大きい公約数をもつ場合としては   などがある(この場合は 3 が公約数)。

ABC予想からフェルマー=カタラン予想を導くことができる。つまり、ABC予想が真ならばフェルマー=カタラン予想も真である[要出典][要説明]

脚注

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  1. ^ ポメランス(2008), "Computational Number Theory", ガワース; Barrow-Green, June; Leader, Imre, The Princeton Companion to Mathematics, Princeton University Press, pp. 361–362, ISBN 978-0-691-11880-2

関連項目

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