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格付の解説

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重賞競走・パターン競走の格付には、国際的な格付と日本国内独自の格付があります。

特に日本では、1980年代以降の「自称格付」と、1990年代から2010年代にかけてのパート1国入りのための過渡期に様々な格付が混在しており、注意を要します。

国際的な格付
  • 1970年代にヨーロッパで始まる。格の高い順に、Group1、Group2、Group3。
  • のちにアメリカなども参加。アメリカでは格が高い順に、Grade1、Grade2、Grade3。
  • ヨーロッパ・アメリカの格付は互換性があり、Group1とGrade1は同じ価値がある。
  • 国際格付を得るには、その競走の出走条件に、馬齢・性別以外の制限があってはいけない。
  • 国際格付を得るには、国際機関の承認が必要。
  • 原則として、パート1国はGroup・Grade表記ができる。
  • パート2国は、競走毎に審査承認を経てG格付を取得することが可能。
  • パート2国では、国内向けに限り、国際承認を得ていない格付を自称することができる。
日本国内の格付
  • JRAが1984年(昭和59年)に国際格付を模して、独自にGI(グレード1)、GII、GIIIの表記を開始。
  • 地方競馬にも同様の動きが広がる。
  • 日本はパート2国のため、この格付は国際承認を受けていないが、国内向けに限り使用が認められる。
  • 1992年ジャパンカップが国際格付GIを取得したのを皮切りに、外国馬(外国産馬・外国調教馬)も出走可能な競走が国際格付を獲得し始める。
  • 地方競馬では主催者を横断した格付「統一グレード」が開始。日本国内で、国際格付のG、JRAのG、統一G、地方競馬のGが並立する。
  • 2007年に日本がパート1国になる。これにより、国際承認を受けていない競走に「G」を用いることが禁じられ、「JpnI」などの表記に改める。地方競馬では「H1」「M1」「S1」「KG1」などの表記が始まる。
G以外の格付
  • L(Listed リステッド)- G1・G2・G3のレベルには到達していないが、出走資格等の条件は格付を受ける要件が整っているもの。基本的に、パート1国では国内で独自に認定できる。競走のレベルが高くなるとG格付を取得できる可能性がある。
  • JRAは2019年からオープン特別競走の一部でL表記を開始。JRAは2019年から公称を開始したが、国際的には2007年のパート1国入りの時点で日本国内の多くの競走にL格付が与えられていた。
  • R(Ristricted リストリクテッド) - 出走資格に馬齢・性別以外の制約があり、国際格付を受ける要件が整っていないもの。出生国、出生地、所属(調教地)、取引様態(市場取引など)、獲得賞金、勝利数などの条件が出走要件に課されているもの。パート1国では、これらの競走を「R」として表記することが許される。
  • 主に北米で普及。
  • LR(Listed Ristricted リステッド・リストリクテッド) - Rのうち、セリ名簿やBlue Bookに掲載が認められたもの。日本国内では地方競馬の多くの重賞(旧統一グレード対象だったものが中心)がLR格付になっている。JRAのオープン特別でも一部はLRとなっている。
  • 日本では2010年まで「L」と「LR」の区別が行われていなかったが、2011年から区別されるようになった。
  • (例)ジャパンダートダービーは、外国調教馬の出走ができないため国際格付が得られず、国内向けには「JpnI」と表記していた。その間も2010年まで国際的には「L」格付だった。2011年からは「LR」格付となった。
  • 文献によっては、「リステッド・レース(Listed Race)」の略称として「LR」を使用しているものがあり、注意を要する。
  • リステッド・レースの日本語訳として「準重賞」が用いられることもある。