ヘーネル RS9

ドイツの小銃

ヘーネル RS9は、.338ラプア・マグナム(8.6x70mm)弾を使用するボルトアクション式精密射撃用ライフルとして、ヘーネル(C.G. Haenel GmbH)社により2009年に開発された。テューリンゲン州ズール市に所在するへーネル社は、1840年に創業したハンティング用途、競技用の精密射撃用ライフルを手掛けるメーカーである。

ヘーネル RS9
ヘーネル RS9
種類 軍用狙撃銃
製造国 ドイツの旗 ドイツ
年代 現代
仕様
種別 ボルトアクション方式狙撃銃
口径 8.6mm
銃身長 690mm
ライフリング 254mm(10インチ1回転)
使用弾薬 .338ラプア・マグナム
装弾数 10発脱着式箱型弾倉
作動方式 ボルトアクション方式
全長 1,275mm
1,020mm(銃床折り畳み時)
重量 7.54kg(アクセサリー無し)
歴史 
設計年 2009年
配備期間 2016年〜現在
配備先 ドイツ連邦軍 陸軍特殊部隊、海軍特殊部隊
バリエーション RS8(7.62x51mm NATO弾仕様) 
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ドイツ連邦軍は2016年に、特殊部隊狙撃手向けの新たな精密火器として、RS9をG29として選定した。

概要

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本銃は、7.62x51mm NATO弾を使用するRS8シリーズから派生し、.338ラプア・マグナム(8.6x70mm)弾を使用するボルトアクション式の精密射撃用ライフルとして、2009年に開発された。

ボルトヘッドに3本ずつ2列に並んだ計6本のボルトラグにより、60度のボルト回転で薬室を閉鎖する構造である。

銃床のシャーシは、アルミニウム合金製で、レシーバーを接合する台座が備えられている。

銃身は、全長690mm、254mm(10インチ1回転)のツイストレートを持つ、冷間鍛造製の銃身が装着され、アクセサリー無しの状態で7.54kgの重量である。

10〜20ニュートンの範囲でトリガープル重量を調整できる、2ステージトリガーを備え、弾薬は10発箱型弾倉から供給される。

レシーバーおよび前部銃床の上にピカティニーレールを備え、前部銃床の左右と下側にも短いレールマウントを装備する。長さ調節可能な後部銃床は折り畳み式で、高さ調節可能なバットプレートと高さ調節可能なチークピースを備える。後部銃床の下側には調整可能なモノポッドが備えられ、前部銃床の前端に高さ調節可能なバイポッドを備える。

G29に装着する装備品として、ドイツのシュタイナー(Steiner)社製のT5Xi 5-25x56望遠スコープと、スイスのブリュッガー&トーメ(Brügger&Thomet)社製のサプレッサーが付属する。

ドイツ連邦軍によるG29の選定に向けた動きは2014年2月から始まり、選定に当たり2014年に5挺、2015年に追加で4挺の計9挺のRS9がトライアル目的で調達され、2016年2月にヘーネル RS9が契約を勝ち取った。総計124挺のG29の調達が求められ、残り115挺は2016年度中に調達され、調達額は229万ユーロ(=約2.9億円) と見られる。[1]

G29は、ドイツ連邦軍にとり.338ラプア・マグナム弾を使用する初めての事例であり、.300ウィンチェスターマグナム弾を使用するG22を代替するものとして、陸軍特殊部隊と海軍特殊部隊に配備された。

派生品

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7.62x51mm NATO弾を使用する精密射撃用ライフルであり、2008年に開発された。

銃身全長は600mmと510mmの2種類が用意されるが、どちらも305mm(12インチ1回転)のツイストレートを持つ。更にサイレンサー付のモデルでは、203mm(8インチ1回転)のツイストレートを持つ、全長387mmの銃身も用意される。

採用国

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  ドイツ ドイツ連邦軍 陸軍特殊部隊、海軍特殊部隊

脚注

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